肝臓病

愛犬との暮らしを支える

犬の肝臓。
薬はもらった。
では、家で何をしてあげられるでしょう?

健康診断や血液検査で、
「肝臓の数値が高いですね」
「しばらくお薬を飲んで様子を見ましょう」
と言われた。

動物病院で診てもらい、 薬も処方してもらった。

ひとまず安心したけれど、 家に帰って愛犬の顔を見ていると、 今度は別のことが気になってきます。

「食事は今までのままでいいのかな?」
「おやつはあげても大丈夫?」
「肝臓によい食材ってあるの?」
「サプリやハーブで何かしてあげられないかな?」
「運動はさせてもいい?」
「家で気をつけることは?」

病院での治療とは別に、 飼い主として、もう少し何かしてあげたい。

そんな気持ちを持つ方は、 決して少なくないと思います。

このページは、 「薬の代わりになるもの」を探すページではありません

獣医師による診断や治療を土台にしながら、 食事、水分、おやつ、生活、サプリメントなど、 ご家庭でできることを一つずつ整理するためのページです。

愛犬の治療を邪魔せず、 毎日の暮らしから支えてあげる方法を 一緒に考えていきましょう。

まず知ってほしいこと。
「肝臓が悪い」は、みんな同じではありません

「肝臓病」と聞くと、 一つの病気のように感じるかもしれません。

けれど、肝臓に関係する病気や状態には、 さまざまなものがあります。

そのため、 「肝臓が悪い犬には、全員この食事」 「肝臓には、このサプリ」 と一つの方法にまとめることはできません。

慢性的な肝臓の炎症

炎症の原因や進行の程度などによって、 必要な治療や栄養管理が変わります。

銅の蓄積が関係する肝障害

肝臓に銅が過剰に蓄積している場合には、 食事中の銅の管理が重要になることがあります。

胆汁の流れなどが関係する状態

肝臓だけでなく胆のう・胆管なども含めて 管理が必要になる場合があります。

肝性脳症を伴う状態

肝機能の低下などに伴って神経症状が出る場合には、 食事内容を含めた特別な管理が必要になります。

だから最初に知っておきたいのは、 「何を食べればいい?」より、 「うちの子は、どんな状態なの?」です

同じ「肝臓」という言葉でも、 その子の状態によって、 食事で増やしたいもの・控えたいもの・ 特に制限する必要がないものが変わります。

「肝臓の数値が高い」だけでは、 食事の答えはまだ決まりません

血液検査では、 ALT、AST、ALP、GGT、ビリルビンなど、 肝臓や胆道に関係するさまざまな項目を見ることがあります。

でも、一つの数値だけを見て、 ご家庭で 「この食材を減らそう」 「このサプリを足そう」 と決めるのはおすすめできません。

血液検査だけでなく、 症状、これまでの経過、 超音波などの画像検査、 必要に応じてさらに詳しい検査を組み合わせて 状態を判断することがあります。

肝臓の検査値が高いことと、 肝臓の「機能がどの程度低下しているか」は、 必ずしも同じ意味ではありません。 検査結果は一項目だけでなく、 獣医師から全体として説明を受けることが大切です。

身近な落とし穴①
「肝臓病だから低タンパク」と決めていませんか?

肝臓が悪いと聞くと、 「タンパク質は肝臓に負担をかけるから、 少ない方がいいのでは?」 と考えることがあります。

ところが、 肝臓病と診断されたすべての犬に、 一律のタンパク質制限が必要なわけではありません。

タンパク質は、 筋肉や身体を維持するためにも必要な栄養素です。

必要以上に制限すると、 その子の状態によっては 筋肉量や栄養状態を保ちにくくなることがあります。

タンパク質の調整が必要になる代表例の一つが、 肝性脳症などを伴う場合です

ただし、その場合でも 「タンパク質をできるだけゼロに近づける」 という意味ではありません。

必要な栄養を確保しながら、 種類や量をその子に合わせて調整していきます。

ですから、 「肝臓の数値が高かったから、 今日からお肉を全部やめよう」 と自己判断する前に、 まず獣医師へ、

「この子は、タンパク質を制限する必要がありますか?」

と聞いてみてください。

とてもシンプルですが、 食事を考えるうえで大切なのは、 「肝臓病には何が良いか」ではなく、 「この子の肝臓の状態では、何を制限する必要があり、 何はきちんと摂る必要があるのか」 を確認することです。

必要のない制限を増やしてしまうと、 食べられるものが減ったり、 必要な栄養やエネルギーまで不足したりすることがあります。

「何を足せばいい?」の前に、
家でできることを一度整理してみましょう

肝臓の病気が分かると、 「肝臓によい食材は?」 「何かサプリを飲ませた方がいい?」 「ハーブなら身体に優しい?」 と考えるかもしれません。

もちろん、 食事や栄養面からサポートできることはあります。

ただし、 いきなり何かを足すことだけが 家庭でできるケアではありません。

きちんと食べられているか

食欲が落ちていないか、 必要な食事量を無理なく摂れているかを見ます。

体重が変わっていないか

食べているように見えても、 少しずつ体重が減っていることがあります。

薬を指示通り続けられているか

飲ませにくい薬や、 食事との時間指定がある場合は、 無理に自己流にせず獣医師へ相談します。

いつもの元気・食欲・便や尿

検査値だけでなく、 毎日の暮らしの変化も大切な情報になります。

家庭でのケアは、 「特別なものを与えること」だけではありません

食べること、飲むこと、眠ること、 無理なく動けること、 薬を続けること、 そして小さな変化に気づくこと。

こうした毎日の積み重ねも、 治療を支える大切な家庭でのサポートです。

まず大切にしたいのは、
「身体によいもの」より「食べられていること」

肝臓のことが心配になると、 「もっと身体によい食事にしなければ」 と考えたくなります。

けれど、 病気の状態によっては食欲が落ちたり、 吐き気などから食べにくくなったりすることがあります。

そのようなときに、 食材の条件ばかりを厳しくして 愛犬がほとんど食べられなくなってしまっては、 必要なエネルギーや栄養を確保できません。

「何を食べさせるか」と同じくらい、 「必要な量を食べられているか」も大切です

食欲が落ちてきた、 今までのフードを急に嫌がる、 食べる量が明らかに減った、 体重が落ちてきた――。

こうした変化がある場合は、 「好き嫌いかな」と長く様子を見るのではなく、 かかりつけの獣医師へ伝えてください。

食べにくそうな場合には、 一日の食事を少量ずつ複数回に分けるなどの方法が 適することもあります。

ただし、 食事回数や内容について特別な指示を受けている場合は、 その指示を優先してください。

肝臓のための食事。
まず「減らすもの探し」から始めなくて大丈夫です

肝臓の病気と聞くと、 「タンパク質を減らす」 「脂肪を減らす」 「できるだけ質素な食事にする」 というイメージを持つことがあります。

でも、肝臓の状態によって 必要な食事管理は異なります。

大切なのは、 必要なエネルギーと栄養を確保しながら、 その子の病気で本当に制限が必要なものだけを調整すること です。

「肝臓病だから○○禁止」ではなく、 「うちの子には何の制限が必要ですか?」と確認する

同じ「肝臓が悪い」と言われた犬でも、 肝性脳症がある子、 銅の蓄積が問題になっている子、 胆汁の流れに問題がある子などでは、 食事で注意する内容が違います。

タンパク質は、 「少ないほど肝臓に優しい」わけではありません

タンパク質は、 筋肉や皮膚、臓器など身体をつくるために必要な栄養素です。

肝臓に病気があるという理由だけで 必要以上にタンパク質を減らしてしまうと、 筋肉量や身体の状態を保ちにくくなることがあります。

一方で、 肝臓の機能が大きく低下し、 肝性脳症などが問題になっている場合には、 タンパク質の量や種類を調整することがあります。

次の診察で、こう聞いてみてください

「タンパク質は制限した方がいいですか?」だけでなく、

「この子の場合、タンパク質の量や種類を 調整する必要がありますか?」

と聞くと、 より具体的な食事の方向が分かりやすくなります。

すでに肝臓用の療法食や タンパク質について指示を受けている場合は、 その内容を優先してください。

脂肪も、 「肝臓病だから低脂肪」とは限りません

脂肪は高カロリーなので、 肝臓が悪いと聞くと 「脂肪はできるだけ減らした方がよい」 と考えたくなるかもしれません。

しかし、 多くの肝胆道疾患では、 一律に脂肪を制限する必要があるわけではありません。

脂肪は、 エネルギーや必須脂肪酸、 脂溶性ビタミンを摂るうえでも大切な栄養素です。

ただし、ほかの病気が重なっている場合は話が変わります

胆汁の流れに大きな問題がある場合や、 胆のう疾患、高脂血症などが関係している場合には、 脂肪について特別な食事指示が出ることがあります。

「肝臓だから低脂肪」ではなく、 「この子には脂肪制限が必要ですか?」 と確認してください。

意外と知られていないポイント。
「銅」を制限する必要がある肝臓病もあります

犬の肝臓病の中には、 肝臓に銅が過剰に蓄積することが 問題になるものがあります。

その場合には、 獣医師の指示で 食事中の銅を制限することがあります。

ここが「身体によさそうなものを自己判断で足す」ときの 大切な落とし穴です

ミネラルは身体に必要だからと、 ミネラルサプリメントやさまざまな食材を 自己判断で追加する前に、 銅を含めて制限が必要な栄養素がないかを確認してください。

すべての肝臓病で銅を制限するわけではありません。

だからこそ、 「この子は銅を制限する必要がありますか?」 という質問が役立ちます。

「肝臓病なら肝臓用療法食」 と一律に考えなくても大丈夫です

肝臓用の療法食には、 肝臓の状態に配慮して タンパク質や銅などが調整されたものがあります。

そのような食事が適している犬もいます。

ただ、 すべての肝臓病の犬に 同じ栄養設計が必要というわけではありません。

療法食を使う目的を聞いてみましょう

「肝臓病だからこのフードです」 だけで終わらせず、

「この療法食は、 うちの子の何に配慮する目的ですか?」

と聞いてみると、 食事管理の意味が分かりやすくなります。

目的が分かれば、 おやつやトッピングを選ぶときにも 「療法食の設計を崩してしまわないか」 を考えやすくなります。

水分はどうすればいい?
「飲ませる工夫」は家庭でできるサポートの一つです

水分をきちんと摂れることは、 毎日の体調管理の基本です。

特に食欲が落ちているときには、 食事量と一緒に水分摂取量も減っていることがあります。

普段から、

  • いつでも新鮮な水を飲めるようにする
  • 水飲み場を複数用意する
  • 飲みやすい器や高さを考える
  • ウエットタイプの食事を利用できるか相談する
  • 食事へ水分を加えてよいか確認する

といった工夫があります。

※心臓病、腎臓病、腹水など、 ほかの状態を併発している場合には 水分やナトリウムについて個別の指示が必要になることがあります。 獣医師から指示を受けている場合は、その内容を優先してください。

一度にたくさん食べにくいなら、 「少量を何回か」という方法もあります

肝臓の病気がある犬では、 食欲が安定しないことがあります。

一度にたくさん食べるのが難しい場合には、 一日の必要量をいくつかに分けて 少量ずつ与える方法が適することがあります。

大切なのは「回数を増やすこと」そのものではなく、 一日に必要な栄養を無理なく摂れること

回数を増やした結果、 一日の総量が分からなくならないように、 最初に一日分を量っておく方法もあります。

食事時間について薬との関係を指示されている場合は、 その時間を優先してください。

「肝臓に良い食材」を検索する前に、 一つだけ確認してほしいこと

愛犬のために何かしてあげたいと思えば、 「犬 肝臓 良い食べ物」 「肝臓に良い野菜」 「肝臓に良いハーブ」 と検索したくなると思います。

でも、 ある食材に身体によい栄養素が含まれていることと、 その食材が今の愛犬の肝臓病に適していることは、 同じではありません。

銅を制限しているのか。 タンパク質を調整しているのか。 脂肪を調整する必要があるのか。 ほかの病気もあるのか。

それによって、 「足してよいもの」は変わります。

まず「何を足すか」ではなく、 「何を守る必要がある食事なのか」を知る

これが分かれば、 トッピング、おやつ、サプリメントなどについても 獣医師へ具体的に相談しやすくなります。

おやつやトッピング。
「少しだけ」なら何でも大丈夫でしょうか?

病気が分かったあとも、 おやつを楽しみにしている愛犬を見ると、 できれば今まで通り与えてあげたいと思いますよね。

また、食欲が落ちているときには、 「好きなものを少し乗せれば食べてくれるかも」 とトッピングを考えることもあると思います。

その工夫自体が、 必ずしも悪いわけではありません。

ただし、療法食や栄養制限を行っている場合には、 少量のおやつやトッピングでも、 食事全体の設計へ影響することがあります。

「何をあげてはいけませんか?」だけでなく、 「おやつとして使ってよいものはありますか?」 と聞いてみましょう

禁止されるものだけを聞くより、 「この子なら何をどのくらい使えるか」が分かると、 毎日の楽しみも残しやすくなります。

診察の際には、 普段使っているおやつやトッピングの商品名、 原材料表示の写真などを見せる方法もあります。

薬を飲ませるための「ひと口」も、 食事の一部です

毎日の投薬で意外と見落としやすいのが、 薬を包むために使っている食べ物です。

チーズ、お肉、投薬用のおやつなど、 愛犬が薬を飲んでくれるよう 毎日工夫されているご家庭も多いと思います。

けれど、 食事について特別な制限を受けている場合には、 その「ひと口」も確認しておくと安心です。

薬は続けたい。でも食事制限も守りたい。 そんなときこそ獣医師へ相談してください

「この薬を飲ませるために、 毎日これを使っています」 と実物や写真を見せると、 代わりに使えるものを相談しやすくなります。

また薬によっては、 食事と一緒に与えるもの、 空腹時に与えるものなど、 飲ませ方に指示がある場合があります。

薬が飲みにくい場合も、 自己判断で中止したり飲ませ方を変えたりせず、 まず動物病院へ相談してください。

「手作りなら身体に優しい?」 と考えたときに知っておきたいこと

病気が分かると、 「加工されたフードより、 自分で作ってあげた方が身体に優しいのでは」 と考える飼い主様もいらっしゃると思います。

手作り食には、 食材や水分量などを調整しやすい面があります。

その一方で、 長期間の主食として使う場合には、 エネルギー、タンパク質、必須脂肪酸、 ビタミン、ミネラルなどを 適切なバランスにする必要があります。

「自然な食材だけで作った」ことと、 「その子に必要な栄養が満たされている」ことは別です

特に肝臓病で栄養素の調整が必要な場合には、 インターネット上の一般的なレシピを そのまま長期間使うのではなく、 獣医師や獣医栄養学に詳しい専門家へ相談してください。

「手作りにしてはいけない」という意味ではありません。

大切なのは、 今の愛犬に必要な条件を満たした手作り食なのか ということです。

食欲が落ちたとき。
「好きなものなら何でも」となる前に

食べてくれない日が続くと、 飼い主様としてはとても心配になります。

「何でもいいから食べてほしい」 と思うのも当然です。

ただ、 肝臓の病気そのものだけでなく、 吐き気や痛みなどが食欲低下に関係していることもあります。

「食べない」を、食事の好みだけの問題にしないでください

急に食べなくなった、 食べる量が明らかに減った、 吐く、ぐったりしているなど、 いつもと違う様子がある場合は、 かかりつけの動物病院へ相談してください。

食欲を支えるための対応や、 吐き気などへの治療が必要な場合もあります。

「食べられるもの探し」を続ける前に、 なぜ食べられないのか を一緒に考えてもらうことが大切です。

体重だけでなく、 「身体つき」も見てあげてください

病気になると、 体重の数字には気をつけるようになります。

でも、 体重が大きく変わっていなくても、 筋肉が少しずつ落ちていることがあります。

特に、 背中、腰、後ろ足などを 普段から優しく触っていると、 「以前より骨ばってきた気がする」 と気づくことがあります。

体重計の数字だけでは見えない変化があります

同じ体重でも、 筋肉量や脂肪量など身体の中身は同じとは限りません。

定期的な体重測定と一緒に、 「いつもの身体つき」を触って覚えておくことも 家庭でできる大切な観察です。

体重減少や筋肉の減少が気になる場合は、 食事量や栄養管理について 獣医師へ相談してください。

「肝臓が悪いから安静」 と決めつけなくても大丈夫です

病気が分かると、 「なるべく動かさない方がいいのでは」 と心配になることがあります。

もちろん、 体調が悪いときに無理な運動をさせる必要はありません。

ただし、 病名だけを理由に 日常の活動をすべて止める必要があるとは限りません。

「散歩していいですか?」ではなく、 「この子は、どの程度まで動いて大丈夫ですか?」 と聞いてみましょう

今まで通りでよいのか、 距離を短くするのか、 激しい運動だけ避けるのか。

愛犬の状態に合わせた具体的な目安を聞いておくと、 ご家庭でも判断しやすくなります。

元気な日に頑張らせすぎない。
休める環境も立派なケアです

昨日は元気がなかったのに、 今日は少し元気そう。

そんな日は、 飼い主様もうれしくなって いつも通り遊ばせてあげたくなるかもしれません。

でも、 体調には日によって波があります。

元気がある日は無理のない範囲で過ごし、 疲れている日は静かに休める場所を作る。

「毎日同じ量の運動をしなければ」と考えるより、 その日の食欲・元気・歩き方などを見ながら、 獣医師から指示された範囲で調整してあげてください。

特別なことをしなくても、
今日からできることがあります

肝臓病と診断されたあと、 「私にも何かしてあげたい」 と思うのは自然なことです。

でも、 それは必ずしも 特別な食材やサプリメントを探すことだけではありません。

  • 食べた量を見る
  • 水を飲んでいるか見る
  • 体重を定期的に確認する
  • 身体つきの変化を見る
  • 薬を指示通り続ける
  • 無理をさせず、その日の様子を見る
  • おやつやトッピングも含めて食べたものを把握する
  • 気になる変化を記録する
「何か特別なことをしてあげられない」と 思わなくて大丈夫です

毎日一緒にいる飼い主様だからこそできる観察や、 食事・投薬・暮らしを整えることそのものが、 治療を支える大切な役割になります。

薬はもらった。
それ以外にも、身体を支えてあげられることはある?

ここまで読んでくださった飼い主様の中には、 まさにこのことを知りたかった方も いらっしゃるのではないでしょうか。

動物病院で必要な検査を受け、 薬もきちんと飲ませている。

でも、 「治療は獣医師にお願いするとして、 毎日一緒にいる私にも、 何か身体を支えてあげられることはないだろうか」 と考えることがあります。

肝臓の病気では、 病気そのものへの治療とは別に、 状態に応じて栄養面や抗酸化などを目的とした 補助的なケアが検討されることがあります。

ナチュラルケアは、 「薬の代わり」ではなく 「治療を支える選択肢」として考える

これが、このページで一番お伝えしたい考え方です。

処方された薬をやめて自然なものへ置き換えるのではなく、 今受けている治療を土台に、 追加できることがあるかを獣医師と一緒に考えていきます。

肝臓のサポートで耳にする「SAMe」とは?

SAMe(S-アデノシルメチオニン)は、 犬の肝疾患で補助的に使用されることがある成分です。

SAMeは体内にも存在する物質で、 肝臓の抗酸化システムに関係する グルタチオンの産生を支える働きなどが研究されています。

犬の慢性肝炎などで、 獣医師が抗酸化サポートの一つとして 使用することがあります。

「SAMeなら肝臓病の子は全員飲ませた方がよい」 という意味ではありません

肝臓病にはさまざまな状態があり、 必要な治療や補助療法も異なります。

また、製品によって成分量や剤型なども異なるため、 使用する場合は獣医師へ相談してください。

ビタミンEも、 「多く与えるほどよい」わけではありません

ビタミンEは抗酸化作用を持つ栄養素で、 犬の一部の肝疾患で 補助的に使用されることがあります。

「ビタミンなら食事にも入っているし、 身体によさそうだから多めに与えても大丈夫」 と感じるかもしれません。

しかし、 サプリメントとして追加する場合は別です。

必要な栄養素でも、 「必要量」と「たくさん与えること」は同じではありません

すでに食事や別のサプリメントから 摂取している場合もあります。

ビタミンEに限らず、 サプリメントを追加するときは 現在の食事と薬も含めて確認してもらいましょう。

「肝臓のハーブ」として有名な ミルクシスルはどうでしょう?

肝臓について調べていると、 ミルクシスル(マリアアザミ)という名前を 目にすることがあります。

ミルクシスルには、 シリマリンと呼ばれる成分群が含まれ、 その中のシリビンなどについて 抗酸化作用などが研究されています。

犬の肝疾患でも、 補助的な目的で利用されることがあります。

ただし、 「ミルクシスル配合」と書いてあれば どの商品でも同じではありません

ハーブ由来の成分は、 製品によって含有量や製剤、 身体への取り込まれ方などが異なります。

犬の慢性肝疾患に対する臨床的な効果についても、 まだ十分に分かっていない部分があります。

「天然のハーブだから、とりあえず試してみよう」 ではなく、 今の治療内容と一緒に獣医師へ相談することをおすすめします。

身近な落とし穴。
「自然なもの=薬と一緒に使っても安全」とは限りません

ハーブや植物由来のサプリメントは、 「自然だから身体に優しそう」 と感じやすいものです。

けれど、 植物にも身体へ作用するさまざまな成分が含まれています。

そして、 肝臓は薬やさまざまな成分の代謝にも 深く関わる臓器です。

「薬ではないから、獣医師へ言わなくても大丈夫」 とは考えないでください

ハーブ、サプリメント、健康食品、 オイルなども含めて、 愛犬が口にしているものは できるだけ獣医師へ伝えてください。

特に複数の薬を使っている場合や、 肝臓の機能が大きく低下している場合には、 自己判断で追加しないことが大切です。

サプリメントを買う前に、 先に獣医師へ聞いておくとよい4つのこと

気になる商品を見つけたら、 商品名や成分表示の写真を持って、 次のように聞いてみてください。

① 今の治療と一緒に使える?

現在使用している薬との組み合わせを確認します。

② この子の肝臓病に必要?

「肝臓によい」ではなく、 今の愛犬に使う目的があるかを確認します。

③ 食事制限を邪魔しない?

銅など、制限している栄養素がないかも確認します。

④ 何を見ながら続ける?

いつまで使うのか、 検査値や体調をどう確認するのかを聞いておきます。

「このサプリを飲ませてもいいですか?」 だけで終わらせなくても大丈夫です

「何のために使うのか」 「何を見て効果や必要性を判断するのか」 まで聞いてみると、 サプリメントとの付き合い方がずっと分かりやすくなります。

BIGWOODが考える ナチュラルケアとの付き合い方

BIGWOODでは、 食事や自然由来の素材を大切にしています。

だからこそ、 「自然なものなら何でも足せばよい」 とは考えていません。

愛犬がすでに治療を受けているのであれば、 まずその治療内容を大切にする。

そのうえで、 食事やサプリメントなどで 無理なく支えられることがあるかを考える。

「治療」と「家庭でのケア」を 対立させる必要はありません

動物病院での治療を土台にしながら、 食事、暮らし、必要に応じた栄養サポートを 一緒に考えていく。

その両方が、 愛犬を支えるための選択肢です。

次の診察まで、何を見ておけばいい?
家庭での記録が治療の助けになります

動物病院では血液検査などで 身体の状態を詳しく調べてもらえます。

でも、 毎日の食事量や元気、 水を飲む様子などを一番よく見られるのは 飼い主様です。

すべてを細かく記録する必要はありません。 気になる変化があった日だけでも、 次のようなことを残してみてください。

  • 食べた量
  • 食欲の変化
  • 水を飲む量や回数の変化
  • 尿の量や回数の変化
  • 嘔吐や下痢の有無
  • 便の色や状態で気になったこと
  • 元気や散歩の様子
  • 体重
  • お腹が張ってきていないか
  • 目や歯ぐきなどの色で気になったこと
  • 薬をきちんと飲めたか
  • おやつ・トッピング・サプリメントを使った日
毎日完璧につける「健康日誌」にしなくて大丈夫です

「今日は半分しか食べなかった」
「水を飲みに行く回数が増えた気がする」
「散歩がいつもより短かった」

そんな短いメモでも、 数日分並べてみると変化が見えることがあります。

写真や動画も、 診察で役立つことがあります

診察室へ行くと、 愛犬が緊張して 家とは違う様子になることがあります。

「昨日は歩き方がおかしかったのに、 病院では普通に歩いている」 ということもあります。

気になる様子があれば、 無理のない範囲でスマートフォンに残しておくと 獣医師へ説明しやすくなります。

  • 歩き方やふらつき
  • 食事を食べる様子
  • いつもと違う行動
  • お腹の張りが気になる場合の体型
  • 便や尿など、言葉で説明しにくい変化
緊急性がありそうなときは、 撮影することより動物病院への連絡・受診を優先してください。

「ALTが高い」「ALPが高い」。
数字だけで一喜一憂しすぎなくて大丈夫です

肝臓の診察では、 ALTやALPなどの名前を聞くことがあります。

数字が基準範囲を超えていると、 とても不安になりますよね。

ただ、 これらの数字だけで 「肝臓がどのくらい働けなくなっているのか」 「何という病気なのか」 まで全部分かるわけではありません。

「高い・低い」だけでなく、 先生がその数字をどう解釈しているかを聞いてみましょう

血液検査では、 肝酵素だけでなく、 ビリルビン、アルブミン、血糖など、 さまざまな項目や症状を合わせて評価することがあります。

必要に応じて、 胆汁酸検査、超音波検査、 さらに詳しい検査などが検討されることもあります。

また、 一回の数字だけでなく 時間とともにどう変化しているか が重要になる場合もあります。

次の予約日まで待たず、 動物病院へ相談したい変化

肝臓の病気で治療中でも、 毎日まったく同じ体調とは限りません。

次のような変化がみられた場合は、 「次回の診察で聞こう」と長く待たず、 かかりつけの動物病院へ連絡してください。

こんな変化には注意してください
  • 急に食べなくなった、食欲低下が続く
  • 繰り返し吐く、下痢が続く
  • ぐったりしている、急に弱々しくなった
  • 目の白い部分や歯ぐき、皮膚が黄色っぽく見える
  • お腹が急に張ってきた、大きくなってきた
  • 出血が止まりにくい、血が混じるなど気になる出血がある
  • 急にふらつく、ぼんやりする
  • いつもと明らかに違う行動をする
  • 壁や床などに頭を押しつけるような行動をする
  • ぐるぐる歩く、方向感覚がおかしいように見える
  • けいれん、倒れる、意識がおかしい

特に、 意識がおかしい、けいれんする、 立てない・倒れるなどの強い症状がある場合は、 速やかな対応が必要になることがあります。

「いつもと性格が違う?」も、 身体からのサインかもしれません

重い肝疾患や、 肝臓を通るはずの血液が迂回する状態などでは、 肝性脳症と呼ばれる 神経症状が起こることがあります。

必ず「痛そう」「苦しそう」という形で 現れるとは限りません。

ぼんやりする、 いつもの指示に反応しにくい、 目的なく歩き回る、 ふらつく、 よだれが増える、 行動が変わるなど、 一見すると肝臓とは結びつきにくい変化として 現れることがあります。

飼い主様の 「なんだか今日、いつもと違う」 は大切な情報です

病名を当てる必要はありません。

「昨日まではしなかった行動をしている」 「呼んでも反応が鈍い」 など、 見たままを動物病院へ伝えてください。

次の診察で、そのまま使える質問集

診察室では緊張して、 帰宅してから 「あれも聞けばよかった」 と思うことがあります。

必要なものだけで構いませんので、 スマートフォンへメモしてお使いください。

病気について

「うちの子の肝臓は、 どのような状態なのでしょうか?」

食事について

「この子に、 特に制限した方がよい栄養素はありますか?」

タンパク質について

「タンパク質の量や種類を 調整する必要がありますか?」

脂肪について

「脂肪を制限する必要がありますか?」

銅について

「銅を制限する必要がありますか?」

療法食について

「この療法食は、 何を調整する目的で使うのでしょうか?」

おやつについて

「使ってよいおやつやトッピングはありますか?」

サプリについて

「このサプリを、 今の薬と一緒に使っても大丈夫ですか?」

運動について

「散歩や運動は、 どの程度までして大丈夫ですか?」

検査について

「次回は何の数値や変化を確認しますか?」

家庭での観察について

「家では、 特にどんな変化を見ておけばよいですか?」

受診の目安について

「どんな変化があったら、 次回予約を待たず連絡した方がよいですか?」

診察へ持っていくと、 話がスムーズになりやすいもの

  • 家庭でつけた簡単なメモ
  • 体重の記録
  • 気になる様子の写真・動画
  • 現在食べているフードの商品名・パッケージ写真
  • おやつ・トッピングの商品名や原材料表示
  • 使っているサプリメントの商品名・成分表示
  • ほかの病院から処方されている薬があれば、その情報
全部そろえなくても大丈夫です

「最近何か変わりましたか?」 と聞かれたときに、 飼い主様が気になっていることを 一つでも伝えられれば十分な手がかりになります。

薬をもらったあとも、
飼い主様にしかできないことがあります

愛犬が肝臓病と診断されると、 「もっと早く気づいてあげればよかった」 「食べさせていたものが悪かったのかな」 「私に何かできなかったのかな」 と考えてしまうことがあるかもしれません。

でも、 肝臓の病気にはさまざまな原因や状態があり、 一つの食事や一つの出来事だけを 原因と決めつけられないこともあります。

これからできることへ、 少しずつ目を向けてみてください。

治療は獣医師にお願いする。
毎日の暮らしは、飼い主様が見守る。

どちらか一方ではありません。

動物病院での検査や治療と、 ご家庭での食事・投薬・観察・休息。

その両方で、 愛犬の毎日を支えていきます。

今日から全部変えなくて大丈夫。
まず一つだけ始めてみませんか?

ここまで読むと、 「やることがたくさんある」 と感じるかもしれません。

でも、 全部を今日から始める必要はありません。

食べた量を見てみる

いつもの何割くらい食べたか。 まずそれだけでも十分です。

体重を測ってみる

定期的に同じ条件で測ると、 小さな変化に気づきやすくなります。

薬以外に口にしているものを確認する

フード、おやつ、トッピング、 サプリメントを書き出してみます。

次回聞きたいことを一つメモする

「このおやつは大丈夫?」 そんな質問一つでも構いません。

小さなことでも、 続けることで愛犬の「いつも」が分かってきます。

食事選びで迷ったときは、
「病名」だけで選ばなくても大丈夫です

「肝臓病と言われたので、 肝臓によいフードをください」

そう思われるのは自然なことです。

ただ、 ここまでお伝えしてきたように、 同じ肝臓病でも必要な食事管理は 一頭ずつ同じとは限りません。

ですから食事を選ぶときには、 病名だけでなく、 「動物病院から、食事について何を指示されているか」 を大切にしてください。

たとえば、こんなことが分かると 食事を考えやすくなります
  • タンパク質について指示があるか
  • 脂肪について指示があるか
  • 銅などのミネラルについて制限があるか
  • ナトリウムについて指示があるか
  • 療法食を使うよう指示されているか
  • 食事回数について指示があるか
  • おやつやトッピングについて制限があるか
  • ほかにも治療中の病気があるか

分からない項目があっても大丈夫です。

次の診察で、 「食事を選ぶために、 何を気をつければよいですか?」 と聞いてみてください。

獣医師から言われた食事条件が分かったら、
BIGWOODも一緒に食事を考えます

BIGWOODでは、 病気の診断や治療を行うことはできません。

でも、 動物病院から伝えられている食事条件をもとに、 BIGWOODの商品について 一緒に整理することはできます。

「どれを選べばいいか分からない」

「先生から○○を控えるよう言われたけれど、 どの商品を見ればいい?」

「今食べているものから 変更できる選択肢があるか知りたい」

そんなご相談でも大丈夫です。

ご相談の際に分かる範囲で教えていただきたいこと
  • 動物病院で伝えられた病名や状態
  • 食事について指示されていること
  • 現在食べているフード
  • 食欲や食べムラの有無
  • 年齢・体重
  • 現在使用しているおやつやサプリメント

分からないものは、 「分からない」で構いません。

食事選びに迷ったら

BIGWOOD コンシェルジュルーム

「肝臓のことを考えると、 どのごはんを選べばいい?」

そんなご相談だけでも大丈夫です。

獣医師から伝えられている食事条件を確認しながら、 BIGWOODの商品について 一緒に考えさせていただきます。

受付時間 10:00〜17:00

最後に。
愛犬の「いつも」を一番知っているのは飼い主様です

血液検査の数字は、 動物病院で調べてもらえます。

超音波などの検査も、 獣医師だからできることです。

一方で、

今日どのくらい食べたか。
水を飲む様子はどうだったか。
散歩へ行きたがったか。
よく眠れているか。
いつもの表情をしているか。

そうした毎日の小さなことを 一番近くで見られるのは飼い主様です。

検査の数字と、毎日の「いつも」。
その両方を大切にしてください。

気になる変化があれば動物病院へ伝える。

食事で迷ったら、 獣医師からの指示を確認しながら選ぶ。

そして、 愛犬ができるだけ穏やかに毎日を過ごせるよう、 一緒に暮らしを整えていく。

それも飼い主様だからこそできる、 大切なケアの一つです。

医療上の大切なご案内

このページは、 犬の肝臓の健康や、 ご家庭での食事・暮らしを考えるための 一般的な情報をお伝えするものです。

病気の診断、治療、 薬の変更・中止、 療法食や栄養制限の変更を ご家庭だけで判断するためのものではありません。

肝臓の病気は原因や状態によって 必要な治療・食事管理が異なります。

現在治療中の場合は、 かかりつけの獣医師から受けている指示を優先してください。

食欲低下、嘔吐、強い元気消失、黄疸、 お腹の張り、出血、ふらつき、 意識や行動の変化、けいれんなど、 気になる症状がある場合は 動物病院へご相談ください。

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