癇癪

犬の発作・てんかんを知る

愛犬が突然けいれんしたら。
まず知っておきたい「発作」と「てんかん」

突然倒れた。

身体が硬くなった。

手足を激しく動かしている。

よだれが出ている。

呼びかけても反応しない。

愛犬にこのような変化が起きたら、 驚いてしまうのは当然だと思います。

そんなときに大切なのは、
発作中に「何か治療してあげよう」とすることより、 まず愛犬と飼い主様の安全を守ることです

周囲の危険を取り除く。

発作が始まった時間を見る。

口元へ手を入れない。

そして、 可能なら安全な距離から 発作の様子を記録する。

このページでは、 「発作が起きた瞬間にどうするか」から、 動物病院で行われる検査、 てんかんの診断、 薬、 毎日の暮らしや食事まで、 一つずつ整理していきます。

まず知っておきたい。
「発作」と「てんかん」は同じ言葉ではありません

発作は、 脳の神経細胞で 一時的に異常な電気活動が起こることで 現れることがあります。

その結果、 身体の動き、 意識、 行動、 感覚などに 一時的な変化がみられることがあります。

ただし、 一度けいれんや発作のような症状があっただけで、 すぐに「てんかん」と決まるわけではありません。

「けいれんした=てんかん」
と自己判断しないことが大切です

発作のように見える症状には、 てんかん以外の病気が 関係している場合もあります。

では、
「てんかん」とは?

てんかんは、 繰り返して発作を起こす素因をもつ 脳の病気です。

犬では、 検査をしても 発作を起こす明らかな脳の構造的異常や 代謝性の原因などが確認されない場合に、 特発性てんかんが疑われることがあります。

一方で、 脳炎、 脳腫瘍、 脳の形成異常など 脳そのものの病気が原因となって 発作が起きる場合もあります。

また、 低血糖や肝臓に関連する代謝異常、 中毒など、 脳以外の問題によって 発作が起きる場合もあります。

大切なのは、
「発作を止めること」と 「なぜ発作が起きたのかを調べること」 の両方です

「発作に見えたけれど、
実は別の症状」ということもあります

愛犬が突然倒れたり、 身体を動かしたりすると、 飼い主様から見れば どれも「発作」に見えることがあります。

しかし、 失神、 前庭疾患によるふらつき、 一部の運動異常などが 発作と似て見えることがあります。

だからこそ、
動画がとても大切な情報になります

診察室では 症状が出ていないことも多いため、 実際に起きている様子を確認できる動画は 診断の大切な手がかりになります。

発作は、
激しい全身けいれんだけではありません

「てんかん発作」と聞くと、 犬が突然倒れ、 全身を激しくけいれんさせる姿を 思い浮かべるかもしれません。

しかし、 発作の現れ方は一つではありません。

全身性発作

身体の両側に広く症状が現れます。

倒れる、 身体が硬くなる、 四肢を動かす、 意識を失う、 よだれ、 排尿・排便などが みられることがあります。

焦点性発作

脳の一部分から始まる発作です。

顔の一部がぴくぴくする、 口を繰り返し動かす、 身体の一部分だけが動くなど、 全身けいれんとは違う形で 現れることがあります。

意識を失っていないから、
発作ではないとは限りません

焦点性発作では、 意識が保たれているように見える場合もあります。

発作の前・最中・あと。
3つに分けて観察すると伝えやすくなります

発作の前後には、 発作そのものとは違う変化が みられることがあります。

① 発作の前

発作の前に、 落ち着かない、 不安そうにする、 飼い主様のそばを離れないなど、 普段と違う行動がみられる犬もいます。

一方で、 前触れなく突然始まることもあります。

② 発作中

実際に発作が起きている時間です。

身体の動きだけでなく、 意識の状態や 顔・口・目の動き、 よだれ、 排尿・排便などにも 変化がみられることがあります。

全身を大きくけいれんさせる発作だけでなく、 身体の一部分にだけ 異常な動きがみられる場合もあります。

③ 発作後

発作そのものが止まったあとも、 すぐに普段通りへ戻るとは限りません。

発作後には、 ぼんやりする、 落ち着かない、 ふらつく、 強い空腹や喉の渇きを示すなど、 普段とは違う様子がみられることがあります。

一時的に周囲が見えにくそうな行動を 示す犬もいます。

「けいれんが止まった=完全に終わった」
とは限りません

発作が止まったあと、 どのくらいで 普段の様子へ戻ったのかも 記録しておきましょう。

発作が起きたら、
最初にすることは「安全を確保すること」

愛犬が突然倒れ、 身体を大きくけいれんさせたら、 驚いて抱き上げたくなると思います。

しかし、 発作中に身体を強く押さえ込む必要はありません。

まず、 愛犬が発作によって けがをしない環境をつくります。

  • 階段や段差から離す
  • 周囲の硬い物や尖った物をどける
  • 家具の角などにぶつからないようにする
  • 必要であれば周囲をクッションなどで保護する
  • ほかの犬や小さな子どもを近づけない
発作を力ずくで止めようとせず、
まず愛犬がけがをしないようにしてください

発作中、
口の中へ手や物を入れないでください

全身性の発作では、 顎が強く動くことがあります。

このとき、 舌を噛まないようにしようとして 飼い主様が口を開けたり、 手や物を入れたりする必要はありません。

発作中の犬の口元へ、
手・指・タオル・スプーンなどを 入れないでください

意識的に噛もうとしていなくても、 顎の強い動きによって 飼い主様がけがをする危険があります。

犬が自分の舌を飲み込んでしまうことを防ぐために 口へ手を入れる必要もありません。

発作が始まったら、
時計を見てください

発作を目の前にすると、 数十秒でも とても長く感じることがあります。

そのため、 感覚だけで 発作時間を判断しないことが大切です。

発作が始まった時刻を確認し、
何分続いているのかを測りましょう

スマートフォンの時計や タイマーを使って構いません。

「長かった」 という情報よりも、

「13時12分ごろに始まり、 約1分30秒で大きなけいれんが止まった」

という情報の方が、 診察時に状態を伝えやすくなります。

発作が5分以上続く場合は、
緊急性の高い状態です

けいれんを伴う発作が長時間続く状態は、 身体への負担が大きくなります。

一般に、 発作が5分以上続く状態は 「てんかん重積状態」として 緊急の治療が必要になります。

発作が5分以上続いている場合には、
発作が自然に止まるのを 自宅で待ち続けないでください

動物病院へ連絡し、 緊急受診について指示を受けてください。

かかりつけの動物病院が 診療時間外の場合に備えて、 夜間救急などの連絡先も あらかじめ確認しておくと安心です。

一度止まっても、
短時間に発作を繰り返す場合があります

一回の発作が止まったあと、 同じ日のうちなど 短い時間に複数回の発作が起こることがあります。

このように発作がまとまって起こる状態は、 クラスター発作と呼ばれます。

発作が一度止まったからと安心せず、
短時間に繰り返す場合も 動物病院へ連絡してください

特に、 発作から十分に回復しないまま 次の発作が始まる場合には、 緊急性が高くなります。

安全を確保できたら、
発作の様子を動画に残す

発作が起きているときの様子は、 動物病院へ到着したころには 消えていることがあります。

そのため、 愛犬と周囲の安全を確保できている場合には、 スマートフォンなどで 発作の様子を撮影しておくと 診断の手がかりになります。

  • 全身が映るようにする
  • 顔や目の動きも分かるようにする
  • 身体の片側だけなのか両側なのかを見る
  • 呼びかけに反応するか確認する
  • 発作が始まった時間も記録する
動画撮影よりも、
愛犬と飼い主様の安全が最優先です

危険な場所で無理に撮影したり、 発作中の犬へ顔や手を近づけたりしないでください。

発作が止まった直後も、
慌てて普段通りに戻そうとしない

発作後には、 犬自身も混乱していることがあります。

ふらついたり、 落ち着かず歩き回ったり、 飼い主様への反応が 普段と違ったりすることがあります。

一時的に周囲が見えにくそうな場合には、 家具や階段などへ ぶつからないよう注意してください。

発作後は、
静かで安全な場所で 回復する様子を見守りましょう

意識や反応、 歩き方、 呼吸、 普段の状態へ戻るまでの時間も 観察します。

初めて発作らしい症状が起きたら、
「てんかんだ」と自己判断しない

初めて発作のような症状を見た場合には、 まず動物病院へ相談してください。

発作のように見える症状でも、 原因は一つではありません。

また、 失神やそのほかの異常が 発作のように見えることもあります。

「発作が起きた」ことと、
「てんかんと診断された」ことは 同じではありません

年齢、 発作の様子、 身体検査、 血液検査などをもとに、 必要な検査を考えていきます。

発作を目の前にしたとき、
まずここまで覚えておきましょう

  • 発作とてんかんは同じ意味ではない
  • 全身をけいれんさせるものだけが発作ではない
  • 発作前・発作中・発作後の変化を見る
  • 発作中は愛犬の周囲から危険な物をどける
  • 身体を力ずくで押さえ込まない
  • 口の中へ手や物を入れない
  • 発作が始まったら時間を測る
  • 5分以上続く発作は緊急性が高い
  • 短時間に発作を繰り返す場合も病院へ連絡する
  • 安全を確保できれば動画を残す
  • 発作後に普段へ戻るまでの様子も観察する
  • 初めての発作を「てんかん」と自己判断しない
発作のとき、飼い主様にできる大切なことは、
発作そのものを力ずくで止めることではありません

愛犬をけがから守ること。

時間を測ること。

可能なら動画を残すこと。

発作後の様子まで見ること。

そして、 必要なタイミングで 動物病院へつなぐことです。

発作が起きたら、
「脳だけ」を調べるとは限りません

発作は、 脳の神経細胞で起こる 異常な電気活動によって現れます。

しかし、 その異常な電気活動が なぜ起きたのかは 犬によって異なります。

原因を考えるときには、 大きく分けて 次のような可能性を整理します。

  • 身体の代謝異常や中毒などによって起こる反応性発作
  • 脳そのものに病変がある構造的てんかん
  • 検査で明らかな脳病変が確認されず、特発性てんかんが考えられる場合
発作を見たからといって、
最初から「脳の病気」と 決めつけないことが大切です

年齢や発作の様子、 発作以外の時間の状態などを見ながら、 原因を一つずつ整理していきます。

脳そのものに病変がなくても、
発作が起こることがあります

身体の中で起きた異常の影響によって 脳が一時的に正常に働けなくなり、 発作が起こることがあります。

これを 反応性発作と呼びます。

たとえば、 血糖値や電解質の異常、 肝臓に関連する代謝異常、 中毒などが 原因として検討されることがあります。

だからこそ、
初めての発作で 血液検査など身体全体を調べることにも 意味があります

原因となっている身体の異常を 治療することで、 発作への対応が変わる場合があります。

脳そのものの病気が、
発作の原因になることもあります

脳に構造的な異常があり、 それによって 繰り返し発作が起こる場合があります。

原因としては、 脳腫瘍、 炎症、 血管障害、 外傷、 先天的な異常など、 さまざまな病気が検討されます。

このような場合には、 発作を抑えることだけでなく、 原因となっている脳の病気について 調べることが重要になります。

発作と発作の間にも、
神経症状がみられるかどうかは 大切な情報です

歩き方がおかしい。

旋回する。

身体の片側だけに異常がある。

性格や反応が急に変わった。

こうした変化があれば、 獣医師へ伝えてください。

「特発性てんかん」は、
原因を何も調べずにつける名前ではありません

特発性てんかんでは、 繰り返す発作がみられる一方で、 発作と発作の間には 神経学的に大きな異常がみられないことがあります。

また、 必要な検査を行っても 発作を説明する明らかな構造的病変や 代謝性の原因が確認されない場合などに 検討されます。

遺伝的な背景が 疑われる犬種もあります。

「原因が分からなかったから、 とりあえず特発性てんかん」 という意味ではありません

年齢、 発作歴、 神経学的検査、 必要に応じた各種検査などを組み合わせて 判断していきます。

「何歳で初めて発作が起きたか」は、
とても大切な情報です

発作の原因を考えるときには、 初めて発作が起きた年齢も 一つの重要な手がかりになります。

特発性てんかんでは、 比較的若い成犬期に 発作が始まることが多いとされています。

一方で、 非常に若い時期や 高齢になって初めて発作が起きた場合には、 ほかの原因について より詳しく調べる必要があることがあります。

診察では、
「今回何歳だったか」だけでなく 「初めての発作は何歳だったか」 を伝えましょう

発作の診断では、
飼い主様からの情報が大きな手がかりになります

動物病院では、 発作が起きた瞬間を 獣医師が直接見ることができない場合が多くあります。

そのため、 ご家庭で見たことや 記録した内容が とても重要になります。

  • 初めて発作が起きた年齢
  • 発作が起きた日時
  • 発作が始まる直前に何をしていたか
  • 意識や反応はどうだったか
  • 全身か身体の一部分だけか
  • 左右どちらかに偏った動きがあったか
  • 何分続いたか
  • 発作後どのくらいで普段へ戻ったか
  • これまで何回起きたか
  • 現在使用している薬・サプリ・ハーブ
  • 誤食や中毒につながるものへ接触した可能性
動画がある場合には、
診察時に獣医師へ見てもらいましょう

発作は、
「記憶」より「記録」に残しましょう

一度だけでなく 発作を繰り返す場合には、 発作日誌をつけておくと役立ちます。

特別なノートでなくても構いません。

スマートフォンのメモなどへ 簡単に残す方法でも大丈夫です。

  • 日付
  • 開始時刻
  • 発作時間
  • 発作の様子
  • 発作前の行動
  • 発作後の様子
  • 普段へ戻るまでの時間
  • その日の服薬状況
  • いつもと違う出来事がなかったか
発作記録は、
治療がうまくいっているかを考えるときにも 大切な資料になります

発作が止まっているときの状態も、
診断には大切です

動物病院では、 全身の状態を確認する身体検査に加えて、 必要に応じて 神経学的な状態を確認します。

発作と発作の間に 神経学的な異常がみられるかどうかは、 原因を考えるうえで 大切な手がかりになります。

「今は発作が止まっているから、 診ても分からない」 とは限りません

発作がない時間の状態からも 得られる情報があります。

なぜ発作なのに、
血液検査をするの?

発作が起きたときには、 脳以外の身体の異常が 関係していないかを調べることも重要です。

血液検査などでは、 血糖値、 電解質、 肝臓や腎臓などの状態を含め、 発作に関係する可能性のある異常を 確認していきます。

「発作だから脳の検査だけ」 ではありません

身体全体から原因を探していくことが 大切です。

MRIでは、
脳の「形や構造」を詳しく調べます

発作の原因として 脳そのものの病気が疑われる場合には、 MRI検査が検討されることがあります。

MRIでは、 脳腫瘍や炎症、 血管障害、 先天的な異常など、 脳の構造的な病変がないかを 詳しく確認します。

犬のMRI検査では、 撮影中に動かないようにするため 通常は全身麻酔が必要になります。

MRIが必要かどうかは、
発症年齢や神経学的検査などを含めて 獣医師が判断します

脳脊髄液検査が、
検討されることもあります

脳や脊髄の周囲には、 脳脊髄液という液体があります。

脳炎など 中枢神経系の炎症性疾患が疑われる場合などには、 脳脊髄液を調べる検査が 検討されることがあります。

すべての発作の犬に 行う検査ではありません。

症状やほかの検査結果をもとに 必要性を判断します。

MRIや血液検査が正常なら、
「発作は気のせい」?

そうではありません。

特発性てんかんでは、 発作を繰り返していても MRIなどで発作を説明する 明らかな構造的病変が 確認されないことがあります。

「検査で大きな異常が見つからない」ことと、
「発作が起きていない」ことは 同じではありません

発作の経過、 年齢、 神経学的検査、 各種検査の結果などを 組み合わせて判断していきます。

診断を聞いたら、
「病名」だけで終わらせず次を確認しましょう

発作の診察では、 「てんかんです」 「発作です」 という言葉だけを聞いても、 ご家庭でどう対応すればよいのか 分からないことがあります。

そこで、 今の段階で何が分かっているのかを 一つずつ確認してみましょう。

  • 今回の症状は発作と考えてよいですか?
  • てんかんと診断されていますか?
  • 反応性発作の可能性はありますか?
  • 脳そのものの病気を疑う所見はありますか?
  • 特発性てんかんが考えられますか?
  • 追加で必要な検査はありますか?
  • 次に発作が起きたら何分で連絡すべきですか?
  • 一日に何回起きたら緊急ですか?
  • 今後、薬を始める可能性はありますか?
「今の時点で、どこまで分かっていますか?」
と聞いてみるのもよいでしょう

一度の診察ですべてが 確定するとは限りません。

発作の経過を見ながら 診断を整理していく場合もあります。

犬種や家族歴も、
診断の手がかりになることがあります

特発性てんかんでは、 遺伝的な背景が 関係すると考えられている犬種があります。

そのため、 愛犬の犬種だけでなく、 血縁の犬について分かることがあれば 診察時に伝えることがあります。

ただし、 特定の犬種だからといって 発作を見ただけで 特発性てんかんと決めることはできません。

犬種は診断の「答え」ではなく、
原因を考えるための情報の一つです

「倒れた」「震えた」だけでは、
発作とは限りません

ご家庭で突然起こる異常の中には、 発作と区別が難しいものがあります。

たとえば、 失神、 強い震え、 睡眠中の動き、 痛みに伴う反応などが 発作のように見えることがあります。

だからこそ、 「倒れた」という一言だけではなく、 そのときの様子を詳しく伝えることが大切です。

  • 倒れる直前に運動していたか
  • 意識や呼びかけへの反応はあったか
  • 手足はどのように動いたか
  • 顔や口に異常な動きがあったか
  • よだれは出たか
  • 排尿・排便があったか
  • 何秒・何分で立ち上がったか
  • その後ぼんやりした時間があったか
この違いを伝えるためにも、
安全に撮影できる場合の動画が とても役立ちます

初めての発作では、
「何か食べていないか」も確認します

中毒によって 震えや発作などの神経症状が 起こることがあります。

そのため、 突然の発作では 愛犬が何かを誤食していないかも 大切な情報になります。

  • 人の薬
  • 家庭内の薬品
  • 殺虫剤など
  • 散歩中に拾ったもの
  • 普段食べない食品
  • そのほか誤食した可能性のあるもの
誤食の可能性がある場合には、
「てんかんだろう」と様子を見ず 動物病院へ伝えてください

食べた可能性のある物の パッケージや商品名が分かれば、 一緒に伝えましょう。

発作が起きた時間と、
食事との関係も記録しておきましょう

発作の原因を 食事だけで説明することはできません。

ただし、 原因を調べるうえでは、 発作がいつ起きたのかという情報が役立ちます。

食事の前だったのか。

食後だったのか。

長時間食べていなかったのか。

普段と違うものを食べたのか。

「食事が原因」と決めるためではなく、
発作が起きた状況を正確に残すための記録です

発作の原因を調べるとき、
ここまでで大切なこと

  • 発作の原因は一つではない
  • 脳以外の身体の異常で起こる反応性発作がある
  • 脳の病変による構造的てんかんがある
  • 特発性てんかんはほかの情報や検査も含めて判断する
  • 初めて発作が起きた年齢は重要な情報
  • 発作時の動画や家庭での記録が診断に役立つ
  • 発作がない時間の神経学的な状態も確認する
  • 血液検査は脳以外の原因を調べるためにも行われる
  • 必要に応じてMRIや脳脊髄液検査が検討される
  • 検査で大きな異常が見つからなくても発作を否定することにはならない
  • 倒れる・震える症状のすべてが発作とは限らない
  • 誤食や中毒の可能性があれば必ず伝える
発作の診断は、
一つの検査だけで決めるものではありません

発作の様子。

初めて起きた年齢。

発作と発作の間の状態。

血液検査。

必要に応じた画像検査など。

そして、 ご家庭で残した記録。

それらを一つずつ組み合わせながら、 原因を整理していきます。

発作が一度起きたら、
必ずその日から薬を始める?

発作が一度起きたからといって、 すべての犬が 同じタイミングで 長期的な抗てんかん薬を始めるとは限りません。

治療を始めるかどうかは、 発作の回数だけでなく、 発作の長さや重症度、 発作がまとまって起きていないか、 原因として何が考えられているかなどを 含めて判断します。

「何回起きたら薬?」 という数字だけではなく、
愛犬の発作全体を見て判断します

抗てんかん薬の目的は、
「一錠飲めば治る」というものではありません

抗てんかん薬は、 発作をできるだけ起こりにくくし、 発作の頻度や重症度を抑えることを 目的として使用されます。

治療を始めても、 すべての犬で 発作が完全にゼロになるとは限りません。

そのため、 治療中は 発作が起きたかどうかだけでなく、 発作回数、 発作時間、 発作の重さ、 発作後の回復なども 一緒に見ていきます。

「発作が一度あった=薬が効いていない」 とも、
「しばらく発作がない=もう薬はいらない」 とも限りません

毎日飲む薬は、
決められた使い方を続けることが大切です

長期的に使用する抗てんかん薬では、 決められた量と間隔で 継続して使用することが重要です。

「今日は元気だから」 「最近発作がないから」 といった理由で、 自己判断で飲ませたり飲ませなかったりすると、 発作の管理に影響することがあります。

薬の量・回数・時間は、
処方した獣医師の指示に従ってください

家族の中で 誰が薬を与えたか分からなくなる場合には、 チェック表やスマートフォンなどへ 記録する方法もあります。

発作がなくなっても、
薬を突然止めないでください

抗てんかん薬を使用して 発作がしばらく起きていないと、 「もう治ったのでは?」 と感じることがあります。

しかし、 発作が起きていないこと自体が 薬によってうまく管理されている結果である 可能性もあります。

自己判断で、
抗てんかん薬を急に減らしたり 中止したりしないでください

薬の変更や減量を考える場合には、 これまでの発作経過を確認しながら 獣医師と相談して進めます。

抗てんかん薬には、
いくつかの選択肢があります

犬の発作管理では、 症状や健康状態などに応じて 抗てんかん薬が選択されます。

一種類の薬で管理する場合もあれば、 発作の状態によっては 複数の薬を組み合わせることもあります。

どの薬を選ぶかは、 発作のタイプや頻度、 ほかの病気、 副作用、 投薬のしやすさなどを含めて 獣医師が検討します。

他の犬に合った薬が、
そのまま愛犬にも最適とは限りません

薬を始めたら、
発作だけでなく普段の様子も見てください

抗てんかん薬の種類によっては、 治療開始後や用量変更後に 眠そうにする、 ふらつく、 食欲や飲水量が変わるなどの 変化がみられることがあります。

薬によって 注意する副作用や 必要な検査は異なります。

  • 元気
  • 眠気
  • 歩き方やふらつき
  • 食欲
  • 水を飲む量
  • 尿の量
  • 嘔吐や下痢
  • そのほか普段と違う変化
気になる変化があっても、
まず薬を自己判断で止めるのではなく 処方した動物病院へ相談してください

発作が落ち着いていても、
定期検査が必要になることがあります

使用している薬によっては、 血液検査や 血中の薬物濃度の確認などが 必要になることがあります。

発作が起きていないからといって、 指示された定期検査を 自己判断で省かないようにしましょう。

次の診察は「発作が起きたときだけ」 とは限りません

いつ検査するのか、 何を確認するのかを 事前に聞いておきましょう。

薬を飲ませ忘れた。
次に2回分を与えていい?

飲み忘れた場合の対応は、 使用している薬や 飲み忘れに気づいた時間などによって 異なることがあります。

自己判断で、
次の投薬時に2回分をまとめて与えないでください

「飲み忘れた場合はどうするか」を 薬を処方されたときに あらかじめ確認しておくと安心です。

実際に飲み忘れた場合には、 処方した動物病院へ確認してください。

薬を飲んだあと吐いた。
もう一度飲ませる?

投薬後に嘔吐した場合、 薬がどの程度吸収されたかを ご家庭で正確に判断することは難しい場合があります。

「全部吐いたはず」と考えて、
自己判断でもう一度同じ量を与えないでください

薬を飲ませた時刻と 吐いた時刻を確認して、 動物病院へ相談してください。

薬を飲んでいるのに発作が起きたら、
何を記録する?

抗てんかん薬を使用中でも 発作が起こることがあります。

その場合、 「薬が効かなかった」 という一言だけでなく、 発作の変化を記録します。

  • 発作が起きた日
  • 何時に起きたか
  • 何分続いたか
  • 一日に何回起きたか
  • 以前より強くなったか・軽くなったか
  • 発作後の回復時間
  • 薬を予定通り飲めていたか
  • 最近薬の変更があったか
発作回数だけでなく、
「発作の中身がどう変わったか」 も治療を考える材料になります

発作を繰り返す子では、
自宅用の緊急薬を相談することがあります

クラスター発作などを起こす犬では、 発作時にご家庭で使用する 緊急用の薬が処方される場合があります。

ただし、 これは飼い主様が 自己判断で選んで使用する薬ではありません。

「何分続いたら使うのか」
「何回目の発作で使うのか」
「どのように使うのか」 を事前に獣医師と確認してください

使用後に そのまま自宅で様子を見てよいのか、 動物病院へ向かう必要があるのかも 一緒に確認しておきましょう。

複数の薬を使っているなら、
一覧を作っておきましょう

てんかん以外の病気も含め、 複数の薬を使用している犬では、 現在の薬を一覧にしておくと役立ちます。

  • 薬の名前
  • 一回量
  • 一日何回か
  • 何時ごろ使用しているか
  • いつから使用しているか
  • サプリメントやハーブを含め現在使用しているもの
救急病院を受診するときにも、
この一覧があると現在の治療を伝えやすくなります

治療がうまくいっているかは、
発作日誌で比べます

薬を始める前と始めたあとで、 発作がどのように変わったかを 比較します。

発作が完全になくならなくても、 発作の間隔が長くなったり、 発作時間が短くなったり、 クラスター発作が減ったりすることがあります。

一方で、 発作が増えている、 長くなっている、 強くなっている場合には、 治療の見直しが必要になることがあります。

「最近なんとなく良い」ではなく、
記録を使って変化を比較しましょう

発作の回数。

発作時間。

発作の強さ。

クラスター発作の有無。

発作後、 普段へ戻るまでの時間。

こうした変化を記録しておくと、 治療について獣医師と相談するときの 大切な情報になります。

抗てんかん薬の目的は、
「一回飲めば発作を治す」ことではありません

てんかんと診断された犬では、 発作の状態によって 抗てんかん薬による治療が検討されます。

治療の目標は、 発作をできるだけ減らし、 発作の程度を抑えながら、 愛犬が日常生活を送りやすい状態を 維持することです。

薬を始めても、 必ずすべての発作が 完全になくなるとは限りません。

「発作が一度あった・なかった」だけではなく、
発作全体がどう変化したかを見ていきます

抗てんかん薬をいつ始めるかは、
発作の状態によって考えます

一度発作が起きたからといって、 すべての犬が その日から同じ薬を始めるわけではありません。

一方で、 発作の回数や間隔、 一回の発作の長さ、 クラスター発作の有無、 てんかん重積状態の経験、 原因となる病気などによっては、 継続的な治療が検討されます。

「何回発作が起きたら薬を始めるか」を、
飼い主様だけで決めないでください

愛犬の発作歴をもとに、 かかりつけの獣医師と 治療開始のタイミングを相談します。

薬を始めたら、
決められた方法で続けることが大切です

抗てんかん薬には、 毎日決められた回数・量を 継続して使用する薬があります。

発作が起きていない日にも 薬を続けるよう指示されるのは、 発作がない時間も含めて 発作をコントロールするためです。

「今日は元気だから飲ませなくていい」
とは自己判断しないでください

処方された量、 回数、 時間などを確認して 使用します。

発作がなくなっても、
薬を突然やめないでください

薬を飲み始めてから 発作が起きなくなると、

「もう治ったのでは?」

「薬を減らしてもよいのでは?」

と感じることがあるかもしれません。

抗てんかん薬を、
飼い主様の判断で 急に減らしたり中止したりしないでください

薬によっては、 急な中止によって 発作のコントロールに影響することがあります。

減量や変更を検討するときは、 発作記録や検査結果などをもとに 獣医師と相談します。

薬を飲ませ忘れた。
そんなときはどうする?

毎日薬を続けていると、 飲ませ忘れに気づくこともあります。

その場合、 次の投薬時間との間隔や 使用している薬によって 対応が異なることがあります。

自己判断で次の薬を2回分まとめて与えず、
かかりつけの動物病院へ 対応を確認してください

日常的な飲み忘れを防ぐために、 スマートフォンのアラームや 投薬チェック表を利用する方法もあります。

薬を飲んだあと吐いたら、
もう一度飲ませる?

薬を飲ませた直後に 嘔吐してしまうこともあります。

この場合も、 薬がどの程度吸収されたかを ご家庭だけで判断することは難しい場合があります。

「吐いたから、もう一錠」 と自己判断で追加しないでください

薬の名前、 飲ませた時刻、 吐いた時刻、 吐物の中に薬が確認できるかなどを伝えて 動物病院へ確認してください。

薬を始めたあと、
発作以外の変化も見ておきましょう

抗てんかん薬の種類によっては、 使用開始後や用量変更後に 眠そうにする、 ふらつくなどの変化が みられることがあります。

また、 薬によって確認したい副作用や 必要な定期検査も異なります。

薬を始めるときに、
「どんな変化があれば連絡すべきですか?」 と確認しておきましょう

食欲。

元気。

歩き方。

嘔吐や下痢。

飲水や排尿。

そのほか普段との違いも 記録しておくと役立ちます。

発作が落ち着いていても、
定期検査が必要になることがあります

使用している抗てんかん薬によっては、 血液検査や 薬の血中濃度の確認などが 必要になる場合があります。

これは、 薬を安全に続けられているか、 現在の投薬内容が適切かなどを 確認するために行われます。

「発作がないから再診しなくてよい」 とは限りません

次回の診察日や 検査の予定を 確認しておきましょう。

薬を飲んでいるのに発作が起きた。
「薬が効いていない」とは限りません

治療を始めても、 発作が完全にはなくならない犬もいます。

その場合には、 発作の頻度や長さ、 強さなどを見ながら、 現在の治療でどの程度 コントロールできているのかを評価します。

必要に応じて、 薬の量や種類、 組み合わせなどが 見直されることがあります。

発作が起きたからといって、
自己判断で薬を追加・増量しないでください

発作を繰り返す子では、
自宅用の緊急薬が処方されることがあります

発作歴によっては、 自宅で発作が起きた際に使用する 緊急用の薬を 獣医師から処方される場合があります。

どの薬を使用するか、 どのタイミングで使用するか、 どの方法で投与するかは、 愛犬の状態や処方内容によって異なります。

緊急薬は、
「発作が起きたら何となく使う薬」 ではありません

処方されたときに、 使用する条件と方法を 必ず獣医師へ確認してください。

発作がない日に、
「次に起きたとき」の準備をしておきましょう

実際に発作が起きてから すべてを判断するのは大変です。

普段の診察時に、 次の発作に備えた対応を 獣医師と相談しておきましょう。

  • 何分続いたら病院へ連絡するか
  • 一日に何回起きたら緊急受診するか
  • 夜間に発作が起きた場合の連絡先
  • 自宅用の緊急薬が必要か
  • 緊急薬を使う条件
  • 緊急薬を使ったあと受診が必要か
発作が起きていない診察日にこそ、
緊急時のルールを決めておきましょう

抗てんかん薬と付き合ううえで、
ここまでで大切なこと

  • 治療効果は発作記録を使って比較する
  • 薬の目的は発作をできるだけコントロールすること
  • 薬を始める時期は発作の状態を見て獣医師と決める
  • 発作がない日も処方された方法で服薬を続ける
  • 自己判断で減量・中止しない
  • 飲み忘れたときに2回分をまとめて与えない
  • 服薬後に吐いた場合も自己判断で追加投与しない
  • 薬を始めたあとは発作以外の体調変化も見る
  • 必要な定期検査を続ける
  • 発作が残っても自己判断で薬を増量しない
  • 自宅用緊急薬は獣医師から指示された条件・方法で使用する
  • 発作がない日に緊急時の対応を確認しておく
薬を「飲ませること」だけが、
てんかん治療ではありません

毎日の服薬。

発作記録。

体調の観察。

定期検査。

緊急時の対応。

それらを組み合わせながら、 愛犬の発作と長く付き合っていくことが 大切です。

てんかんと食事。
まず大切なのは「食事で治そう」としないこと

愛犬が発作を繰り返すと、 飼い主様としては 「何か食事でできることはないか」 と考えると思います。

毎日の食事は、 愛犬の身体を支える 大切なものです。

しかし、 てんかんと診断された犬の治療を 食事だけに置き換えることはできません。

「この食品を食べれば発作が止まる」
「このハーブなら薬をやめられる」 と考えないでください

現在治療中の場合には、 かかりつけの獣医師から受けている 投薬や治療の指示を優先してください。

毎日の食事は、
「特別なもの」より「安定して続けられること」

発作があるからといって、 毎日のように食材やフードを 入れ替える必要はありません。

むしろ、 何をどのくらい食べているのかを 把握できる状態にしておくことが大切です。

  • 主食として何を食べているか
  • 一日にどのくらい食べているか
  • 食事の回数と時間
  • おやつやトッピング
  • サプリメント
  • ハーブ類
「普段何を食べているか」が分かることも、
愛犬の大切な健康情報です

発作が起きたからと、
食事を次々に変更しない

発作が起きると、 原因を探したくなるのは自然なことです。

しかし、 発作のたびにフードや食材、 サプリメントなどを 同時にいくつも変更すると、 何が変化に関係したのか 分かりにくくなります。

食事を変更する必要がある場合も、
「何を・いつから変えたか」を 記録しておきましょう

薬を飲んでいる子は、
食事・サプリ・ハーブも獣医師へ伝えましょう

「食品だから薬とは関係ない」 とは限りません。

使用している薬によっては、 食事内容やサプリメントなどについて 確認しておいた方がよい場合があります。

特に、 新しいサプリメントやハーブなどを 始めようとしている場合には、 現在の薬と一緒に使用してよいか 確認してください。

診察時には、
薬だけでなく サプリ・ハーブ・健康食品も伝えてください

商品名や成分表示が分かるものを 見せると伝わりやすくなります。

てんかんとMCT。
食事について研究されているものもあります

犬の特発性てんかんでは、 MCT(中鎖脂肪酸)を含む 特定の食事について研究が行われています。

一部の研究では、 抗てんかん薬による治療を受けている犬で、 MCTを含む特定の食事を併用した際に 発作頻度の低下がみられた犬がいたことが 報告されています。

ただし、 すべての犬で同じ結果になるわけではありません。

MCTは、
抗てんかん薬の代わりではありません

また、 ご家庭でMCTオイルを 自己判断で大量に追加することと、 栄養設計された食事を使用することは 同じではありません。

食事療法を検討する場合には、 愛犬の病状や現在の食事、 使用している薬などを含めて 獣医師へ相談してください。

「脳によい」と書かれたサプリなら、
発作にもよい?

サプリメントには、 さまざまな成分や目的の商品があります。

しかし、 「脳の健康維持」 「神経をサポート」 という表現があることと、 てんかん発作を治療できることは 同じではありません。

「健康維持を目的とした食品」と、
「てんかんの治療」を 分けて考えましょう

現在治療を受けている場合には、 新しく使用したいサプリメントがあれば 獣医師へ伝えてください。

ハーブだから、
必ず安全とは限りません

リコリスルートをはじめ 複数のハーブが てんかんに関連づけて紹介されています。

しかし、 ハーブにもさまざまな成分が含まれています。

愛犬の健康状態や使用している薬、 使用量などによっては、 注意が必要な場合があります。

「天然だから安全」
「ハーブだから薬と併用しても大丈夫」 とは限りません

てんかん治療中の犬へ 新しいハーブを使用したい場合には、 自己判断で追加せず、 商品名や成分を獣医師へ確認して使用してください。

サプリやハーブを、
「薬を減らすため」に自己判断で使わない

抗てんかん薬を長く使用することに 不安を感じる飼い主様もいると思います。

だからといって、 サプリメントやハーブを追加し、 その代わりに薬を減らすことを ご家庭だけで判断するのは避けてください。

抗てんかん薬の減量・変更・中止は、
必ず獣医師と相談して行ってください

発作が長期間起きていない場合でも、 薬をどうするかは 発作歴や治療経過などを含めて判断します。

代替療法を検討するときも、
標準的な治療を中断しない

てんかんについて調べていると、 ホメオパシーなど さまざまな代替療法の情報を 目にすることがあります。

しかし、 てんかん重積状態や クラスター発作などは 命に関わる緊急状態になることがあります。

代替療法を理由に、
必要な診断・抗てんかん薬・緊急治療を 遅らせないでください

何か追加して行いたいことがある場合には、 現在の治療と一緒に行って問題がないかを かかりつけの獣医師へ相談してください。

発作がない日は、
できるだけ普段の生活を大切に

発作を経験すると、 「また起きるのでは」 と心配になり、 愛犬の活動を すべて制限したくなることがあります。

しかし、 獣医師から特別な制限を受けていない場合には、 愛犬の状態に合わせた 日常生活を続けることも大切です。

散歩。

遊び。

食事。

休息。

愛犬が無理なく過ごせる 日々のリズムを整えていきましょう。

発作がある子は、
「もし今ここで起きたら?」を考えておく

発作がいつ起こるかを 完全に予測することはできません。

そのため、 普段の生活環境を 一度見直してみましょう。

  • 階段から転落する危険はないか
  • 高い家具や場所から落ちる可能性はないか
  • 水辺で発作が起きた場合に危険はないか
  • 留守番場所にぶつかりやすい物がないか
  • 発作時にほかの犬と接触する危険はないか
愛犬の行動をすべて制限するのではなく、
発作が起きても大きなけがにつながりにくい 環境を考えます

睡眠や休息も、
毎日の記録の一つに

発作が起きた前後について、 睡眠や生活リズムなどを 記録しておくこともできます。

ただし、 「寝不足だったから発作が起きた」 と一回の出来事だけで 原因を決めつけないことが大切です。

発作前の生活を記録する目的は、
犯人探しではなく 繰り返すパターンがないかを見ることです

「これをしたから発作が起きた」と、
一度だけで決めつけない

発作が起きた直前の出来事は、 とても印象に残ります。

「来客があった」

「散歩へ行った」

「いつもと違うものを食べた」

「シャンプーをした」

など、 何か一つの出来事を 原因だと思いたくなることがあります。

発作の直前に起きたことと、
発作の原因であることは 同じではありません

同じような状況で 発作が繰り返されているかを 発作日誌で確認していきましょう。

発作日誌には、
発作以外の生活も少しだけ残しておく

発作の回数や時間だけでなく、 その日の生活について 簡単に記録しておくと、 後から振り返りやすくなります。

  • 食事の時間や大きな変更
  • 薬を飲ませた時間
  • 飲み忘れがなかったか
  • 新しく始めた薬・サプリ・ハーブ
  • 睡眠や休息の様子
  • 普段と大きく違う出来事
  • 体調の変化

ただし、 毎日の暮らしを 細かく記録しすぎる必要はありません。

続けられる範囲で、
発作の経過を振り返れる記録にしましょう

記録すること自体が 飼い主様の大きな負担にならないことも 大切です。

「また発作が起きるかも」と、
毎日の生活すべてを怖がらなくて大丈夫です

一度大きな発作を目の前で見ると、 散歩へ行くことも、 留守番をさせることも、 愛犬を眠らせることさえ 不安になることがあります。

ただ、 発作があるからといって 愛犬の生活すべてを 制限する必要があるとは限りません。

大切なのは、 愛犬の発作の状態を知り、 必要な安全対策をしたうえで 日常生活を考えることです。

「発作を絶対に起こさせない生活」ではなく、
「起きたときにも対応できる生活」を 一緒につくっていきましょう

留守番をさせてもいい?
発作の状態に合わせて環境を考えます

発作の頻度や重症度は 犬によって大きく異なります。

そのため、 留守番ができるかどうかを すべての犬で一律に決めることはできません。

留守番をする場合には、 高い場所や階段、 ぶつかると危険な家具など、 発作が起きた場合に けがにつながりやすい場所がないかを 確認しておきましょう。

発作が頻回に起きている、
クラスター発作を繰り返しているなどの場合には、 留守番についても 獣医師へ相談してください

散歩や運動は、
愛犬の状態に合わせて続けます

発作があることだけを理由に、 すべての運動を やめる必要があるとは限りません。

発作の状態が安定していて、 獣医師から特別な制限を受けていなければ、 愛犬の体調に合わせた散歩や運動を 続けられる場合があります。

一方で、 発作直後にふらついているときなどは、 無理に散歩へ連れ出さず 安全な場所で回復を見守ります。

「発作があるから運動禁止」ではなく、
今の愛犬の状態を見て考えましょう

水辺や高い場所では、
発作が起きた場合の危険も考えておく

発作が突然起こる可能性がある犬では、 場所によっては 発作そのものとは別の危険が生じます。

水中で発作が起きれば 溺れる危険があります。

高い場所や階段では、 転落によるけがにつながる可能性があります。

発作歴のある犬を、
水辺や高所で無防備な状態にしないよう 注意してください

愛犬から楽しみをすべて取り上げるのではなく、 場所に応じた安全対策を考えます。

食事と毎日の暮らし。
ここまでで大切なこと

  • てんかんを食事だけで治そうとしない
  • 現在治療中なら獣医師からの治療・投薬指示を優先する
  • 毎日の食事内容を把握できる状態にしておく
  • 発作のたびに食事やサプリを次々変更しない
  • 薬を使用している場合は食事・サプリ・ハーブも獣医師へ伝える
  • MCTを含む特定の食事について研究されているが、抗てんかん薬の代わりではない
  • MCTオイルを自己判断で大量に追加しない
  • 「脳によい食品」と「てんかん治療」を同じものとして考えない
  • 天然のハーブでも必ず安全とは限らない
  • サプリやハーブを理由に抗てんかん薬を自己判断で減らさない
  • 代替療法のために必要な診断や治療を遅らせない
  • 発作の直前に起きた出来事をすぐ原因と決めつけない
  • 発作日誌で繰り返すパターンがないかを見る
  • 生活環境では転落・水辺など発作時の事故を防ぐ
毎日の食事や暮らしにできることはあります。
でも、それは「薬の代わり」ではありません

治療をきちんと続けること。

毎日の食事を安定させること。

発作を記録すること。

愛犬が安全に暮らせる環境をつくること。

それぞれの役割を分けて考えながら、 愛犬の日々を支えていきましょう。

発作への対応は、
家族みんなで共有しておきましょう

発作が起きたとき、 いつも同じ飼い主様が そばにいるとは限りません。

そのため、 愛犬に発作歴がある場合には、 家族の中で対応方法を 共有しておくと安心です。

  • 発作中は周囲の危険物をどける
  • 身体を力ずくで押さえ込まない
  • 口の中へ手や物を入れない
  • 発作が始まったら時間を測る
  • 安全なら動画を撮る
  • 5分以上続く場合の連絡先
  • 短時間に発作を繰り返した場合の対応
  • 自宅用緊急薬がある場合の使用条件と方法
発作が起きてから相談するのではなく、
発作がない日に家族で確認しておきましょう

夜間に発作が起きたとき、
どこへ連絡するか決まっていますか?

発作は、 動物病院の診療時間内に 起きるとは限りません。

特に、 発作が長く続いた場合や 短時間に繰り返した場合には、 夜間でも緊急の対応が 必要になることがあります。

かかりつけ病院が閉まっている時間に、
どこへ相談するのかを あらかじめ確認しておきましょう

かかりつけ動物病院。

夜間救急動物病院。

移動方法。

それぞれを 家族で共有しておくと、 実際の緊急時に動きやすくなります。

旅行やペットホテルでは、
発作歴と薬について必ず伝える

愛犬を家族以外の方へ預ける場合には、 発作歴があることを 事前に伝えてください。

  • どのような発作が起きるのか
  • 普段どのくらいの頻度なのか
  • 毎日の薬と投薬時間
  • 発作が起きたときの対応
  • 緊急薬がある場合の使用方法
  • かかりつけ動物病院の連絡先
  • 緊急時に受診してよい病院
薬は「朝・夜」だけでなく、
できれば具体的な投薬時刻も伝えましょう

次の診察へ持っていくと、
役立つもの

発作の診察では、 ご家庭にある情報が とても役立ちます。

  • 発作を撮影した動画
  • 発作日誌
  • 現在飲んでいる薬の名前
  • 薬を飲ませている量と時間
  • 使用中のサプリ・ハーブ・健康食品
  • 最近行った検査結果があればその資料
  • 気になっている変化のメモ
「診察室で思い出そう」ではなく、
気づいたときにスマートフォンへ 残しておくのもよいでしょう

次回の診察で、
獣医師へ確認しておきたいこと

  • この子の発作は、現在どのように分類されていますか?
  • 特発性てんかんと考えられていますか?
  • ほかに調べておいた方がよい原因はありますか?
  • 追加の血液検査やMRIなどは必要ですか?
  • 今の薬の目的と、今後の治療目標は何ですか?
  • どんな副作用に注意すればよいですか?
  • 次の血液検査や薬の血中濃度測定はいつですか?
  • 飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
  • 薬を飲んだあと吐いた場合はどうすればよいですか?
  • 発作が何分続いたら緊急受診ですか?
  • 一日に何回起きたら緊急ですか?
  • 自宅用の緊急薬は必要ですか?
  • 食事について特別な条件はありますか?
  • 生活上、避けた方がよいことはありますか?
全部を一度に聞かなくても大丈夫です

今一番困っていることから 一つずつ確認していきましょう。

治療中の毎日の食事に迷ったら、
食事について整理することはできます

「治療中だけれど、 今の食事を続けてよいのか分からない」

「薬を飲んでいるので、 サプリやトッピングを どう考えればよいか迷っている」

「食欲や体重も含めて、 毎日の食事を一度整理したい」

そんな食事についての悩みは、 BIGWOODのコンシェルジュへ ご相談いただけます。

毎日の食事選びに迷ったら

BIGWOOD コンシェルジュルーム

愛犬の年齢や体重、 現在食べているものなどを伺いながら、 毎日の食事について 一緒に整理します。

現在治療中の場合には、 動物病院から伝えられている 食事条件があれば その内容もお知らせください。

※てんかんの診断、 発作の原因判断、 薬の選択・変更・減量、 緊急時の判断などは 動物病院へご相談ください。

受付時間 10:00〜17:00

発作を一度見たあと、
ずっと愛犬を見張り続けなくても大丈夫です

大きな発作を目の前で経験すると、 「また起きるのではないか」 と心配になると思います。

寝ているだけでも気になったり、 少し身体が動いただけで 発作ではないかと感じたりすることも あるかもしれません。

だからこそ、 ご家庭で何をすればよいのかを あらかじめ決めておくことが役立ちます。

発作を完全に予測することより、
起きたときに対応できる準備をしておく

発作時間を測る。

安全を確保する。

必要なら動画を撮る。

緊急受診の基準を知っておく。

それだけでも、 次の発作への備えは大きく変わります。

こんなときは、
次の予約日を待たず動物病院へ

特に緊急性を考える主な状況
  • 発作が5分以上続いている
  • 短時間に発作を繰り返している
  • 発作と発作の間に十分な回復がみられない
  • 呼吸や意識・反応に強い異常がある
  • 発作中に大きなけがをした
  • 中毒や誤食の可能性がある
  • 獣医師から緊急受診するよう指示された状態になった

愛犬ごとに 緊急受診の基準が 別に決められている場合には、 かかりつけの獣医師から受けている指示を 優先してください。

最後に。
発作がある愛犬との暮らしで大切なこと

発作は、 飼い主様にとって とても強い不安を感じる症状の一つです。

けれど、 発作が起きたという事実だけでは 原因も今後の経過も すべて決まるわけではありません。

まず、 どのような発作だったのか。

なぜ起きた可能性があるのか。

どの検査が必要なのか。

治療を始めるのか。

薬を始めたら、 どのように経過を見るのか。

一度にすべてを理解する必要はありません

発作を記録する。

薬を指示どおり使う。

日々の体調を見る。

定期的に獣医師と経過を確認する。

必要なときに緊急受診する。

一つずつ積み重ねていくことが、 愛犬の毎日を支えることにつながります。

医療上の大切なご案内

このページは、 犬の発作やてんかんについて 一般的な情報を分かりやすく整理したものです。

発作の原因、 てんかんの診断、 必要な検査、 抗てんかん薬の開始・変更・減量・中止、 緊急薬の使用などについては、 愛犬の状態によって判断が異なります。

このページの情報だけで 診断や治療を自己判断しないでください。

現在治療中の場合には、 かかりつけの獣医師から受けている指示を 優先してください。

また、 食品・サプリメント・ハーブなどを 抗てんかん薬の代わりとして使用したり、 それらを理由に薬を自己判断で 減量・中止したりしないでください。

発作が5分以上続く、 短時間に発作を繰り返す、 発作と発作の間に十分回復しないなどの場合には、 緊急性の高い状態として 動物病院へ連絡してください。

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