糖尿病

犬の糖尿病

愛犬の健康を知る

犬の糖尿病、「血糖値」だけ見ていませんか?
毎日の暮らしで知っておきたいこと

「糖尿病です」と言われると、 血糖値を下げることばかり考えてしまうかもしれません。

けれど、犬の糖尿病と付き合っていくうえで大切なのは、 一つの数字だけではありません。

水を飲む量。
おしっこの量や回数。
食欲。
体重。
元気や活動量。
そして、インスリンと食事の毎日のリズム。

動物病院で調べてもらえる数字と、 ご家庭だからこそ気づける「いつもの愛犬との違い」。

この両方を一緒に見ていくことが、 糖尿病と上手に付き合うための大切なポイントです。

そもそも、犬の糖尿病って何でしょう?

食事から得た栄養の一部は、 身体の中でブドウ糖となり、 血液によって全身へ運ばれます。

このブドウ糖を細胞がエネルギーとして利用するために 重要な役割を持つのが、すい臓から分泌される 「インスリン」というホルモンです。

犬の糖尿病では、 インスリンが十分に働けない状態となり、 血液中のブドウ糖を細胞がうまく利用できなくなります。

その結果、血糖値が高い状態が続き、 血液中に増えた糖の一部が尿へ出るようになります。

血液の中に糖が多いのに、身体はエネルギー不足になることがあります

糖尿病では血液中にブドウ糖があっても、 細胞がそれを十分に利用できません。

そのため、たくさん食べているのに体重が減る、 という一見不思議な変化が起こることがあります。

犬の糖尿病では一般に、 インスリンを身体の外から補う治療が必要になります。

食事管理もとても大切ですが、 「食事を変えればインスリンをやめられる」 という病気ではありません。

身近な落とし穴① 「水をよく飲む=しっかり水分がとれている」と思っていませんか?

暑い日や運動したあとに水をたくさん飲むことは、 もちろん珍しいことではありません。

でも、 以前より明らかに水を飲む量が増えた のであれば、 身体からのサインであることがあります。

血糖値が高くなって尿へ糖が出るようになると、 その糖と一緒に水分も尿として排出されやすくなります。

すると、おしっこの量が増え、 失った水分を補うために、 水をたくさん飲むようになります。

「よく飲む」だけではなく、「よく出していないか」も一緒に見てください

水飲み場へ行く回数だけでなく、 おしっこの量や回数、 夜中に水を飲むようになった、 今までなかった室内での粗相が増えた、 といった変化も大切な情報です。

ただし、多飲・多尿は糖尿病だけにみられる症状ではありません。

腎臓やホルモンの病気など、 ほかの原因でも起こることがありますので、 「水をよく飲むから糖尿病」と家庭で決めつけるのではなく、 変化が続く場合は動物病院へ相談してください。

身近な落とし穴② 「よく食べるから元気」とは限りません

食欲があると、 「病気ではなさそう」 「元気だから大丈夫」 と安心したくなるものです。

ところが糖尿病では、 食欲が増えているのに体重が減る ということがあります。

身体の中ではブドウ糖をうまく利用できず、 エネルギーが不足しているためです。

その不足を補おうとして、 身体は脂肪や筋肉などを利用するようになり、 食べているにもかかわらず痩せていくことがあります。

食欲だけを見ず、「食べている量」と「体重」をセットで見てみましょう

「最近よく食べるようになったから元気」 ではなく、 以前と同じ、あるいはそれ以上に食べているのに 身体が細くなっていないかを確認してみてください。

反対に、糖尿病の状態や併発する病気によっては、 食欲が落ちることもあります。

そのため、 「糖尿病なら必ず食欲が増える」 と決めつけないことも大切です。

家庭だから気づける「いつもと違う」を見てみましょう

糖尿病の初期には、 毎日の暮らしの中で少しずつ変化が現れることがあります。

次のような変化がないか、 「一般的な犬と比べる」のではなく、 ことが大切です。

  • 以前より水を飲む回数や量が増えた
  • おしっこの量や回数が増えた
  • 夜中にも水を飲むようになった
  • 夜中や早朝におしっこへ行きたがるようになった
  • 以前はなかった室内での粗相が増えた
  • よく食べているのに体重が減ってきた
  • 食欲はあるのに身体が痩せてきた
  • 以前より疲れやすそう、寝ている時間が増えた
  • 毛づやや身体つきが変わってきた
  • 目が白っぽく、濁ってみえるようになった

ひとつだけでは糖尿病と判断できない変化ばかりです。 しかし、いくつかが重なっていたり、 「以前のこの子とは違う」と感じたりした場合は、 動物病院へ相談するきっかけになります。

「何mL飲んだか」まで分からなくても大丈夫です

「水の器を補充する回数が増えた」 「朝まで残っていた水が夜中になくなる」 「散歩まで我慢できなくなった」など、 暮らしの中で気づいた変化も大切な情報です。

動物病院では、何を調べるのでしょうか?

糖尿病が疑われたとき、 「尿に糖が出たから糖尿病」 「血糖値が高かったから糖尿病」 と、ひとつの数字だけで考えるのではありません。

犬の糖尿病では、 血液中のブドウ糖が高い状態が続いていることと、 尿中にブドウ糖が出ていること、 そして多飲・多尿、体重減少などの症状を合わせて確認していきます。

血液検査

血糖値だけでなく、 全身状態やほかの異常が隠れていないかを確認するため、 必要に応じてさまざまな項目を調べます。

尿検査

尿糖やケトン体などを確認します。 状態によっては、尿路感染などがないかを さらに調べることがあります。

体重・身体検査

体重の変化、脱水の有無、 目の状態なども含めて、 愛犬の身体全体を確認します。

必要に応じた追加検査

糖尿病の管理を難しくする別の病気が疑われる場合には、 その原因を調べるための検査が追加されることがあります。

「糖尿病の検査」は、血糖値を測るだけではありません

糖尿病そのものを確認すると同時に、 今の身体の状態や、 治療に影響する別の問題がないかを見ることも大切です。

身近な落とし穴③ 血糖値の「一回の数字」だけを追いかけていませんか?

糖尿病と診断されると、 どうしても血糖値の数字が気になると思います。

「高いからインスリンが足りないのでは?」 「今日は低いから減らした方がいいのでは?」 と考えたくなるかもしれません。

けれど、血糖値は一日の中でも変化します。 食事、インスリンを投与してからの時間、 運動や体調などによっても動きます。

一回の血糖値だけを見て、インスリン量を自己判断で変更しないでください

糖尿病の管理では、 一点だけの血糖値ではなく、 一日の血糖値の動きをみる「血糖曲線」や、 連続的に糖の変化を記録するCGMなどが 必要に応じて利用されます。

そして、もうひとつ忘れたくないのが、 愛犬自身の症状です。

水を飲む量はどうか。
おしっこの回数はどうか。
食欲はどうか。
体重は維持できているか。
元気に普段の生活を送れているか。

糖尿病の管理では、 「血糖値を完璧な数字にすること」だけが目的ではありません。

低血糖を避けながら、 多飲・多尿・過剰な食欲などをできるだけ抑え、 適切な体重を維持し、 愛犬が穏やかに毎日を過ごせているかを 一緒に見ていくことが大切です。

「血糖曲線」や「CGM」では何が分かるの?

インスリンを使用している愛犬では、 「どのくらい血糖値が下がるのか」だけでなく、 いつ下がり、どのくらいの時間作用しているのか を知ることが重要になります。

血糖曲線

食事とインスリン投与を行ったあと、 一定間隔で血糖値を測定し、 一日の中でどのように変化しているのかを確認します。

CGM(持続血糖モニター)

センサーを使って糖の変化を連続的に記録する方法です。 診察室で一度測るだけでは分かりにくい時間帯の変化や、 気づきにくい低血糖を見つける手がかりになることがあります。

こうした検査結果も、 数字だけを単独で見るのではなく、 食事、インスリンの時間、 飲水量、排尿、食欲、体重などと合わせて 獣医師が評価します。

家庭での記録が、検査結果を読み解く助けになります

「何時に食べたか」 「何時にインスリンを投与したか」 「今日は水をよく飲んだ」 「いつもより元気がなかった」などを残しておくと、 数字と実際の暮らしを結びつけて考えやすくなります。

インスリンは「できるだけ早くやめる薬」なのでしょうか?

糖尿病と診断され、毎日のインスリン注射が必要だと言われると、 「ずっと続けなければならないの?」 「できれば早くやめてあげたい」 と思う飼い主様もいらっしゃると思います。

ただ、犬の糖尿病では、 身体の中で必要なインスリンが不足していることが 病気の大きな問題です。

そのためインスリンは、 単に血糖値の数字を下げるためだけのものではなく、 身体がブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要な治療 です。

「インスリンを使わなくて済むこと」を治療の目標にしないでください

犬の糖尿病では、多くの場合、 継続したインスリン治療が必要になります。

食事やサプリメントによって、 飼い主様の判断でインスリンを減らしたり、 中止したりすることはしないでください。

大切なのは、 インスリンを使っているかどうかではなく、 愛犬の多飲・多尿などの症状が落ち着き、 適切な体重を保ちながら、 穏やかに毎日を過ごせているかを見ることです。

身近な落とし穴④ 「血糖値が高い」ことだけを怖がっていませんか?

糖尿病というと、 どうしても「高血糖」が一番怖いもののように感じるかもしれません。

しかし、インスリン治療をしている愛犬では、 血糖値が下がりすぎる「低血糖」 にも注意が必要です。

低血糖では、次のような変化がみられることがあります。

  • 急に元気がなくなる
  • 眠そう、ぼんやりしている
  • いつもと違う行動をする
  • 歩き方がおかしい、ふらつく
  • 身体に力が入らない
  • 震える
  • 倒れる
  • けいれんする
低血糖が疑われるときは、様子を見続けないでください

意識があり軽い症状で食べられる場合には、 獣医師から事前に指示されている対処法に従い、 そのうえで動物病院へ連絡してください。

反応が鈍い、強く震える、倒れる、けいれんするなどの場合は 緊急性があります。 すぐに動物病院へ連絡・受診してください。

糖尿病の管理では、 高い血糖値だけを下げようとするのではなく、 低血糖を起こさないことも非常に大切です。

身近な落とし穴⑤ ごはんを食べなかった日のインスリン、どうしていますか?

糖尿病の愛犬と暮らしていると、 いつもきれいにごはんを食べてくれる日ばかりではありません。

「今日は半分しか食べなかった」
「朝ごはんをまったく食べない」
「吐いてしまった」

そんな日に、 「毎日同じ量だから」と いつも通りインスリンを投与してよいのか、 迷うことがあると思います。

食べなかったときの対応は、あらかじめ動物病院と決めておきましょう

食事量が大きく変わった状態でインスリンを使用すると、 使用しているインスリンの種類や愛犬の状態によっては、 低血糖につながる可能性があります。

「完食したとき」 「半分程度しか食べなかったとき」 「まったく食べなかったとき」 「吐いてしまったとき」 にどうするのかを、 かかりつけの獣医師から具体的に教えてもらっておくと安心です。

インターネットの記事だけを参考に、 インスリン量を自己判断で増減するのではなく、 その子専用の対応方法を 動物病院と決めておくことが大切です。

意外な落とし穴。「インスリン、打ったっけ?」を防ぐ

毎日決まった時間に続ける治療だからこそ、 とても身近なところに落とし穴があります。

家族みんなで愛犬のお世話をしていると、 「もう誰かが注射したと思っていた」 「まだだと思って、もう一度打ってしまった」 という行き違いが起こる可能性があります。

注射したら、その場で記録する仕組みを

紙のカレンダーでも、 ホワイトボードでも、 スマートフォンでも構いません。

「日付・時刻・食事量・インスリン投与」を ひとつの場所に記録しておくと、 家族間の確認にも役立ちます。

「打ったかどうか分からない」という場合に、 念のためもう一度投与するのは危険です。

判断に迷った場合は、 追加で投与する前に動物病院へ確認してください。

「いつもの糖尿病」と思って様子を見ない方がよい変化があります

糖尿病の犬では、 インスリンが著しく不足するなどして、 身体が糖を十分に利用できなくなると、 脂肪をエネルギー源として大量に使うようになり、 「ケトン体」が増えることがあります。

それが進行すると、 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA) という重い状態になることがあります。

次のような変化がある場合は、 「糖尿病だからこんなものかな」と様子を見続けず、 動物病院へ相談してください。

  • 急に食べなくなった
  • ぐったりしている
  • 明らかに力がない
  • 吐いている
  • 脱水しているようにみえる
  • 普段とは明らかに様子が違う
特に「食べない+吐く+ぐったり」は早めに相談を

糖尿病性ケトアシドーシスは、 自宅で食事を工夫して様子を見る状態ではありません。 緊急の治療が必要になることがあります。

身近な落とし穴⑥ おしっこや血糖値だけでなく、「目」も見ていますか?

犬の糖尿病で、 飼い主様にぜひ知っておいていただきたいのが 目の変化です。

糖尿病の犬では、 白内障がみられることがあります。

毎日顔を見ていると変化が少しずつ進むため、 意外と気づきにくいことがあります。

  • 目の中が以前より白っぽく見える
  • 目が濁ってきたように感じる
  • 物にぶつかるようになった
  • 段差をためらうようになった
  • 暗い場所で動きにくそうにする
  • 散歩中に以前より慎重になった

こうした変化があれば、 次回の定期診察まで待たずに かかりつけの動物病院へ相談してください。

スマートフォンの写真も役立ちます

正面からだけでなく、 同じ場所・同じ明るさで定期的に目の写真を残しておくと、 「前より白くなった気がする」という変化を 振り返る助けになります。

糖尿病の食事で大切なのは、「何を抜くか」だけではありません

糖尿病と分かると、 「糖質を減らさなくては」 「低脂肪にしなくては」 「療法食に変えなくては」 と、食材や栄養素に目が向きやすくなります。

もちろん食事は、糖尿病の管理を考えるうえで大切です。

ただし、犬の糖尿病では、 「何を食べるか」だけでなく、 「どのくらい・いつ・どのように食べるか」 も大切です。

糖尿病の食事は、インスリン治療とセットで考えます

毎日の食事量や食事時間が大きく変わると、 インスリンの作用とのバランスも変わります。

そのため、 フードの種類だけを追いかけるのではなく、 食事とインスリンを含めた毎日の生活全体を できるだけ安定させることが大切です。

身近な落とし穴⑦ 「糖質を減らせば大丈夫」と考えていませんか?

「糖尿病」という名前から、 糖分や炭水化物だけが原因のように感じてしまうかもしれません。

けれど、糖尿病の食事管理は、 ひとつの栄養素だけを減らせば完成するものではありません。

愛犬の体重、筋肉量、食欲、 ほかに治療している病気、 使用しているインスリン、 毎日の運動量などによって、 適した食事は変わります。

「糖尿病用」と書いてあるかどうかだけで決めないこと

大切なのは、 その子が必要な栄養をとりながら、 適正な体重を維持し、 インスリン治療と合わせて安定して続けられる食事であることです。

すでに動物病院から療法食や食事量を指定されている場合は、 自己判断で別のフードへ変更せず、 変更したい理由も含めて獣医師へ相談してください。

身近な落とし穴⑧ 主食は同じでも、おやつやトッピングが毎日変わっていませんか?

「フードは毎日きちんと量っています」

それでも意外と見落としやすいのが、 主食以外に口にしているものです。

  • 家族から少しずつもらうおやつ
  • 食欲がない日に追加するトッピング
  • 薬を飲ませるために使う食べ物
  • 歯みがき後のごほうび
  • 散歩中のおやつ
  • 家族の食事から少し分けてもらったもの

一回一回は少量でも、 毎日の食事量や内容を考えるときには、 これらも「食べたもの」の一部です。

家族全員で「今日食べたもの」を共有しましょう

糖尿病の愛犬では、 主食だけを正確に量っていても、 家族それぞれがおやつを与えていると 一日の摂取量が分かりにくくなります。

おやつやトッピングを使いたい場合も、 種類・量・与える時間について かかりつけの獣医師へ相談しておくと安心です。

「糖尿病だから食事を減らす」とは限りません

旧来の情報では、 「糖尿病なら食事量を減らす」 といった説明を目にすることがあります。

しかし、糖尿病の犬すべてが 太っているわけではありません。

診断された時点ですでに体重が減り、 筋肉まで落ちている子もいます。

そのような子の食事を一律に減らしてしまえば、 必要なエネルギーや栄養まで不足する可能性があります。

見るのは「体重」だけでなく「身体つき」も

体重計の数字だけでは、 脂肪が増減したのか、 筋肉が落ちているのかまでは分かりません。

定期的な体重測定とともに、 背中・腰・太ももなどの身体つきも 動物病院で確認してもらいましょう。

糖尿病では、「特別なこと」より「いつも通り」が助けになることがあります

糖尿病の管理というと、 特別な食品や特別な健康法を探したくなるかもしれません。

けれど毎日の管理では、 生活のリズムをできるだけ一定にすること が大切なポイントになります。

  • 食事の時間を大きく変えない
  • 食事量を毎回大きく変えない
  • インスリンの投与時間を決めておく
  • 運動量を急激に変えない
  • 家族で治療内容を共有する

もちろん、 愛犬の体調や獣医師からの指示によって 調整が必要になることはあります。

大切なのは、 「今日は特別にたくさん運動させよう」 「今日は食べないから好きなものをたくさん足そう」 と、その日ごとに大きく変えてしまわないことです。

身近な落とし穴⑨ 運動は「多ければ多いほど良い」わけではありません

適度な運動は、 体重や筋肉を維持し、 毎日の健康を支える大切な習慣です。

ただし、インスリンを使用している愛犬では、 急に運動量が大きく変わると、 血糖の動きにも影響することがあります。

平日は短い散歩なのに、 休日だけ長時間歩いたり、 急に激しい運動をしたりする場合には注意が必要です。

目指したいのは「たくさん運動」より「無理なく安定」

その子の年齢、体重、関節や心臓などの状態も考えながら、 無理なく続けられる運動量について かかりつけの獣医師と相談してください。

家庭で残しておきたい「糖尿病日記」

糖尿病の管理では、 動物病院で測る数字と同じくらい、 家庭での毎日の様子が役立つことがあります。

完璧な記録を作る必要はありません。 次のようなことを、 無理のない範囲で残してみてください。

  • 食事を与えた時間
  • どのくらい食べたか
  • インスリンを投与した時間
  • 獣医師から指示されたインスリン量
  • 水を飲む様子の変化
  • おしっこの回数や量の変化
  • 食欲
  • 元気・活動量
  • 体重
  • 嘔吐や下痢などの有無
  • 低血糖を疑うような変化がなかったか
  • おやつ・トッピングなど主食以外に食べたもの
「異常があった日」だけでなく、普通の日も少し残しておく

普段の状態が分かっていると、 「最近、水を飲む量が戻ってきた」 「また体重が減り始めた」など、 小さな変化に気づきやすくなります。

診察のとき、獣医師へ何を伝えればよいのでしょうか?

「血糖値はいくつでしたか?」 だけで診察が終わるわけではありません。

飼い主様が毎日見ている情報には、 糖尿病の管理を考えるための大切な手がかりがあります。

  • 最近、水を飲む量がどう変わったか
  • 排尿回数や尿量がどう変わったか
  • 食欲は安定しているか
  • 食べ残す日があるか
  • 体重が増えた・減った
  • 元気や散歩の様子
  • 低血糖を疑うような変化があったか
  • 嘔吐・下痢などがあったか
  • 目の濁りなど気になる変化
  • 注射を打ち忘れた、または正しく入ったか不安な日があったか
  • フード・おやつ・トッピングを変更したか
  • 新しく薬やサプリメントを始めたか

「こんなことまで言わなくていいかな」 と思うような生活上の変化が、 実は判断の手がかりになることもあります。

気になったことは、 できる範囲で獣医師へ伝えてみてください。

BIGWOODからお伝えしたいこと

愛犬が糖尿病と診断されると、 毎日の注射や食事管理を前に、 「これからずっと続くのだろうか」 「自分にきちんとできるだろうか」 と不安になる飼い主様もいらっしゃると思います。

けれど、糖尿病の管理は、 飼い主様だけで答えを出すものではありません。

インスリン量や治療については獣医師と相談し、 飼い主様は毎日の暮らしの中で、 愛犬の「いつも」を見てあげてください。

飼い主様だから気づける数字があります

それは血糖値だけではありません。

水の器を満たす回数。
おしっこへ行く回数。
食べ残した量。
体重。
散歩を楽しめた時間。

そうした毎日の変化も、 愛犬の状態を知るための大切な情報です。

そして食事についても、 「糖尿病に良い食材」をひとつ探すことからではなく、 今行っている治療と無理なく両立でき、 その子が必要な栄養を安定して食べ続けられること を大切にしてください。

フードを変更したいとき、 おやつやトッピングを使いたいとき、 サプリメントを追加したいときにも、 治療中であることを前提に、 かかりつけの獣医師へ相談してから進めることをおすすめします。

糖尿病という病名だけ を見るのではなく、 その子が今日どのように食べ、 飲み、排泄し、歩き、眠り、 毎日を過ごしているのか。

そうした暮らし全体を見ながら、 かかりつけの獣医師と一緒に 長く付き合っていくことが大切だと私たちは考えています。

「昨日と少し違うかもしれない」 という飼い主様の気づきも、 大切にしてあげてください。

最後に。糖尿病と暮らす愛犬のために覚えておきたいこと

糖尿病について調べ始めると、 血糖値、インスリン、食事、糖質、運動など、 たくさんの情報が出てきます。

すべてを一度に覚えようとしなくても大丈夫です。

まず大切にしたいのは、 次のような毎日の基本です。

  • インスリンを自己判断で増減・中止しない
  • 食事・インスリン・生活時間をできるだけ安定させる
  • 水を飲む量や排尿の変化を見る
  • 食欲と体重の変化を見る
  • 低血糖を疑う変化を知っておく
  • 食べなかった日の対応を獣医師と決めておく
  • 目の濁りなど、身体全体の変化を見る
  • おやつやトッピングも含めて食べたものを把握する
  • 気になった変化を記録し、診察時に伝える
数字と同じくらい、「その子のいつも」を大切に

血糖値はとても重要な情報です。 でも、愛犬の毎日の暮らしを一番近くで見ているのは 飼い主様です。

「いつもより水を飲む」 「今日は食べ方が違う」 「少し痩せた気がする」 「歩き方や目の様子が違う」。

そんな小さな変化も、 必要に応じてかかりつけの獣医師へ伝えてください。

大切なご案内

本記事は、犬の糖尿病について 飼い主様に知っていただきたい一般的な情報をご紹介するもので、 診断・治療を目的としたものではありません。

糖尿病の診断、インスリンの種類・投与量・投与時間、 食事内容や給餌量、運動、血糖管理などは、 愛犬の状態によって異なります。

インスリンを自己判断で増減・中止したり、 食事やサプリメントを治療の代わりに使用したりせず、 必ずかかりつけの獣医師へご相談ください。

ぐったりしている、震える、ふらつく、倒れる、 けいれんする、食べない、繰り返し吐くなど、 普段と明らかに違う様子がある場合は、 速やかに動物病院へご相談ください。

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