血小板減少(低下)症・白血病
犬の血小板減少症・白血病
数字だけで結論を出さず、次に何を確認するか
健康診断や体調不良の血液検査で、 「血小板が少ないですね」 と言われることがあります。
さらに原因について調べているうちに 「免疫の病気」 「感染症」 「骨髄」 「白血病」 という言葉を目にすると、 とても不安になると思います。
でも、 血小板が低いという検査結果だけで、 白血病と決まるわけではありません。
まず大切なのは、 本当に血小板が減っているのか。 どのくらい減っているのか。 出血しているのか。 そして、 なぜ減っている可能性があるのかを 一つずつ確認することです。
病気を自己診断するのではなく、 動物病院での検査や治療を土台にしながら、 ご家庭で何を見守ればよいのかまで 一緒に考えていきます。
そもそも血小板は、
何をしているもの?
血小板は、 骨髄で作られ、 血液の中を流れている とても小さな成分です。
血管が傷ついて出血すると、 血小板が傷ついた場所に集まり、 まず出血を止めるための 「栓」のようなものを作ります。
その後、 凝固に関係する仕組みと協力して、 出血を止めていきます。
「出血を止める最初の仕組み」が 十分に働きにくくなります
そのため、 皮膚や歯ぐきの小さな出血、 あざ、 鼻血などが 見られることがあります。
「血小板が低い」と出ても、
まず本当に減っているか確認することがあります
血液検査では、 機械によって血小板数を測定することがあります。
ところが、 採血した血液の中で 血小板同士が固まって 「かたまり」を作ることがあります。
すると機械が 血小板を正確に数えられず、 実際より少ない数字として 表示されることがあります。
必要に応じて、 血液を顕微鏡で確認する 「血液塗抹」などによって、 血小板の数や凝集の有無を 確認することがあります。
次の診察では、
「血液塗抹でも血小板が少ないことを確認していますか?」
と聞いてみてもよいでしょう。
「低い」と言われたら、
数字と出血の有無を一緒に確認しましょう
血小板数が基準範囲より低くても、 すべての犬で すぐに自然出血が起こるわけではありません。
一方で、 非常に低い状態になると、 外傷がなくても 出血する危険性が高くなります。
ただし、 出血のしやすさは 血小板の数字だけで決まるとは限りません。
「今の愛犬では、どの程度の出血リスクがありますか?」 と確認しましょう
現在の血小板数、 出血の有無、 ほかの検査結果などを踏まえて、 獣医師に説明してもらうことが大切です。
血小板が減る理由は、
一つではありません
血小板減少症は、 「血小板が低い」という状態を表す言葉です。
その背景には、 さまざまな原因があります。
免疫の働きなどによって、 血小板が通常より早く 破壊されることがあります。
骨髄の病気や 一部の薬剤などによって、 血小板を十分に作れなくなることがあります。
強い出血や 全身の凝固異常などによって、 血小板が大量に消費されることがあります。
脾臓などに血小板が多くとどまり、 血液中で測定される数が 少なくなることがあります。
「血小板を増やす食べ物」を探す前に、 なぜ減っているのかを確認することが大切です
免疫介在性血小板減少症
(ITP・IMTP)とは?
犬の重度の血小板減少で 重要な原因の一つが、 免疫介在性血小板減少症です。
本来は身体を守る免疫が、 自分の血小板を標的としてしまい、 血小板が通常より早く 壊されてしまう病気です。
原因となる別の病気が はっきり見つからない場合もあります。
一方で、 感染症、 薬剤、 腫瘍、 炎症性疾患などが 関係している可能性を調べることもあります。
何を調べたうえでそう判断したのか確認しましょう
血小板が低いという結果だけで、 ご家庭で原因を決めることはできません。
愛犬の症状、 血液検査、 血液塗抹、 使用している薬、 感染症の可能性、 そのほかの病気などを確認しながら 原因を考えていきます。
感染症が関係して、
血小板が減ることもあります
一部の感染症では、 血小板の減少がみられることがあります。
どの感染症を調べる必要があるかは、 暮らしている地域、 旅行歴、 マダニとの接触歴、 予防状況、 そのほかの症状などによっても変わります。
最近の生活についても伝えてください
- マダニが付着したことがあるか
- 最近旅行や遠出をしたか
- 山・草むらなどへ行ったか
- 発熱や元気低下があったか
- 現在行っている予防について
薬やサプリについても、
使用しているものを全部伝えましょう
血小板が低い原因を調べるときには、 現在使用している薬について 確認することもあります。
動物病院から処方された薬だけでなく、 ご家庭で使用しているものも含めて 伝えてください。
- 処方薬
- 市販薬
- サプリメント
- ハーブ製品
- 最近まで使用していた薬
自己判断で処方薬を中止しないでください
中止や変更が必要かどうかは、 処方した獣医師へ確認してください。
血小板が低いとき、
血液以外の病気を調べることもあります
血小板減少は、 血小板だけの問題とは限りません。
状況によっては、 腫瘍、 強い炎症、 血液凝固に関係する異常、 骨髄の病気などが 関係していないか調べることがあります。
「血小板が低い=白血病」 と決めつけないことです
白血病などの血液・骨髄疾患も 原因の一つとして検討されることがありますが、 血小板が減る原因はそれだけではありません。
まずは、 今の愛犬では何が疑われているのかを 獣医師へ確認しましょう。
血小板が低い子は、
ご家庭で「出血のサイン」を見てください
血小板は、 出血した場所で血を止めるために 大切な役割をしています。
そのため、 血小板が大きく減っている場合には、 普段なら起こらないような出血が みられることがあります。
- 歯ぐきなどに小さな赤い点がないか
- お腹や内股などに赤紫色の斑点やあざがないか
- 鼻血が出ていないか
- 歯ぐきなどから出血していないか
- 尿に血が混じっていないか
- 便に血が混じっていないか
- 黒くタール状の便が出ていないか
- 吐いたものに血が混じっていないか
皮膚の出血に気づきにくいことがあります
お腹、 内股、 耳の内側、 歯ぐきなど、 見やすい場所を 無理のない範囲で確認してください。
元気そうに見えても、
血小板がとても低いことがあります
血小板が低い犬のすべてに、 分かりやすい出血症状が出るとは限りません。
食欲があり、 普通に歩いているため、 「元気だから大丈夫」 と感じることもあると思います。
血小板の状態を判断しないことが大切です
再検査や通院を指示されている場合には、 症状がなくても 指示された時期に受診してください。
血小板がかなり低いときは、
「ぶつけない・傷つけない」ことも大切です
出血しやすい状態では、 小さな外傷にも注意が必要になることがあります。
獣医師から安静について指示を受けている場合には、 その内容を優先してください。
- 激しい運動を避ける
- 犬同士の激しい遊びを避ける
- 高い場所から飛び降りさせない
- 身体を強くぶつける遊びを避ける
- 硬いものを無理に噛ませない
ご家庭の判断で与えないでください
薬によっては、 出血や血小板の働きに 影響するものがあります。
必ず獣医師へ確認してください。
こんな変化があれば、
次の予約日まで待たず相談してください
- 出血が止まりにくい
- 鼻血が続く
- 血を吐いた
- 血便が出た
- 黒いタール状の便が出た
- 血尿が出た
- 赤紫色の斑点やあざが急に増えた
- 歯ぐきが明らかに白っぽい
- 急にぐったりした
- 呼吸が苦しそう
- ふらつく、倒れる、反応がおかしい
出血の程度や場所によっては、 緊急の治療が必要になることがあります。
血小板が低いと言われたら、
まずここまで確認しましょう
- 血小板が本当に減っているか確認する
- 血小板凝集などで低く測定されていないか確認する
- 血液塗抹で何を確認したか聞く
- 免疫介在性なのか、別の原因が疑われているのか確認する
- 感染症・薬剤・腫瘍・炎症・骨髄なども必要に応じて調べる
- 「血小板が低い=白血病」と決めつけない
- 皮膚・歯ぐき・鼻・尿・便などの出血を見守る
- 元気でも再検査の指示を守る
- 血小板が著しく低いときは外傷を避ける
- 出血や急な体調悪化は予定を待たず相談する
「何かを足すこと」ではなく なぜ血小板が低いのかを整理することです
本当に血小板が減っているのか。
何が原因として疑われているのか。
出血の危険性はどの程度なのか。
次はいつ、 何を検査するのか。
そこまで分かると、 ご家庭で何を見守ればよいのかも 整理しやすくなります。
「白血病かもしれない」と言われたら、
まず知っておきたいこと
白血病は、 血液をつくる組織や血液細胞に関係する 腫瘍性の病気です。
ただし、 「白血球の数字がおかしい」 「血小板が低い」 というだけで、 白血病と決まるわけではありません。
血液検査で異常が見つかったあと、 血球の種類や形、 ほかの血球の状態、 愛犬の症状などを確認し、 必要に応じて追加検査を行います。
「白血病と診断された」は別です
今はまだ疑って調べている段階なのか。
すでに診断がついているのか。
まずそこを確認しましょう。
白血球が多い。
それだけで白血病なの?
いいえ。
白血球は、 感染や炎症、 身体へのさまざまな刺激、 薬剤の影響などでも 数が変化することがあります。
反対に、 白血病であっても 単純に「白血球が多い」という結果だけで 説明できるとは限りません。
どの種類の細胞がどう変化しているかも見ます
好中球、 リンパ球、 単球など、 白血球には複数の種類があります。
そのため、 「白血球○○」という数字だけを見て ご家庭で病名を判断しないことが大切です。
血小板が低い。
それも白血病とは限りません
白血病など、 骨髄で正常な血液をつくる働きに影響する病気では、 血小板が減少することがあります。
しかし第1回で整理したように、 血小板が減る原因は それだけではありません。
赤血球も含めて血液全体を見ます
赤血球はどうか。
白血球はどうか。
血小板はどうか。
一つの数字だけではなく、 血球全体の状態から 次に必要な検査を考えていきます。
白血病には、
「急性」と「慢性」があります
白血病は一つの病気ではありません。
どの血液細胞の系統から発生しているのか、 細胞がどの程度成熟しているのかなどによって、 分類が異なります。
未熟な血液細胞が増えるタイプで、 正常な血液をつくる働きが 妨げられることがあります。
貧血、 血小板減少、 元気・食欲低下など、 全身状態に影響が出ることがあります。
より成熟した細胞が増えるタイプがあり、 急性白血病とは 経過や治療方針が異なります。
症状が目立たず、 健康診断などの血液検査をきっかけに 見つかる場合もあります。
どのタイプなのかを確認しましょう
タイプによって、 今後の検査や治療の考え方が変わります。
白血病とリンパ腫。
同じものなの?
白血病とリンパ腫は、 どちらも血液・リンパ系の細胞に関係する 腫瘍性疾患ですが、 同じ言葉ではありません。
リンパ腫では、 リンパ節などの組織に 腫瘍性リンパ球が増えることが多くあります。
一方、 白血病では 骨髄や血液中に異常な血液細胞が 増えるタイプがあります。
ただし、 病気によっては 血液・骨髄・リンパ節など 複数の場所に病変がみられることもあります。
白血病かリンパ腫かを家庭で判断することはできません
必要な追加検査を行い、 どの病気・タイプなのかを整理します。
「CBC」「血球計算」では、
何を見ているの?
CBCは、 血液中の血球を調べる基本的な検査です。
貧血がないかなどを確認します。
数だけでなく、 白血球の種類ごとの変化も確認します。
出血を止める働きに関係する 血小板の数などを確認します。
白血病などの骨髄疾患を疑う場合には、 一つの項目だけでなく、 複数の血球に異常がないかを見ることが大切です。
機械の数字だけでなく、
血液を実際に見る「血液塗抹」
血液塗抹では、 血液を薄く広げて染色し、 顕微鏡で血球を観察します。
これによって、 機械で測定された数字だけでは分からない 血球の形や成熟度などを 確認できることがあります。
また、 第1回でお伝えした 血小板の凝集がないかを 確認するうえでも役立ちます。
「血液塗抹ではどうでしたか?」 と聞いてみてもよいでしょう
白血病を調べるとき、
なぜ「貧血」も見るの?
骨髄は、 赤血球、 白血球、 血小板などをつくる 大切な場所です。
骨髄で正常な造血が妨げられると、 白血球だけでなく、 赤血球や血小板にも 影響が出ることがあります。
赤血球が不足すると、 貧血がみられることがあります。
- 歯ぐきが白っぽい
- 疲れやすい
- 元気がない
- 散歩を嫌がる
- 呼吸が速い、苦しそうに見える
歯ぐきが明らかに白い、 呼吸が苦しそうなどの場合は 早めに動物病院へ相談してください
「骨髄検査をしましょう」と言われたら
血液検査だけでは 原因や病気の種類を十分に判断できない場合、 骨髄を調べる検査が提案されることがあります。
骨髄は、 血液細胞がつくられる場所です。
そのため、 血液中の細胞だけでなく 「血液をつくっている場所で何が起きているか」 を調べることで、 診断につながる情報が得られることがあります。
まず目的を聞いてみましょう
- 何を疑って骨髄検査をするのか
- この検査で何が分かるのか
- どのような方法で行うのか
- 鎮静や麻酔についてどう考えるのか
- 結果が出るまでどのくらいかかるのか
血液や骨髄の細胞を、
さらに詳しく調べることもあります
血液・骨髄の病気では、 細胞の見た目だけでは 種類を十分に区別できないことがあります。
そのため、 必要に応じて 細胞の特徴をさらに詳しく調べる検査が 提案されることがあります。
たとえば、 フローサイトメトリーなどの検査が 診断のために利用されることがあります。
「この検査で、 何と何を区別しようとしていますか?」
と聞くと、 検査を行う理由が分かりやすくなります。
白血病と診断されたら、
まず確認したいこと
- 正式な診断名は何ですか?
- 急性ですか、慢性ですか?
- どの血液細胞の系統が関係していますか?
- 赤血球・白血球・血小板はそれぞれどのような状態ですか?
- 骨髄検査では何が分かりましたか?
- 追加で必要な検査はありますか?
- 今すぐ治療が必要ですか?
- 治療する場合、何を目標にしますか?
- 家庭では何を見守ればよいですか?
今の愛犬がどのタイプ・どの状態なのかを知る
そこまで分かると、 今後の治療や検査、 ご家庭での見守り方を 整理しやすくなります。
白血病を疑われた・診断されたとき、
ここまでで覚えておきたいこと
- 白血球が多いだけで白血病と決まるわけではない
- 血小板が低いだけで白血病と決まるわけではない
- 赤血球・白血球・血小板を一緒に見る
- 白血病には急性・慢性など異なるタイプがある
- 白血病とリンパ腫は同じ言葉ではない
- CBCでは複数の血球の状態を確認する
- 血液塗抹では血球の形や成熟度などを確認する
- 必要に応じて骨髄検査を行うことがある
- さらに詳しい細胞検査が必要になることもある
- 診断名だけでなく、どのタイプ・どの状態なのか確認する
ご家庭で病名や今後を決めつけなくて大丈夫です
何の血球に、 どのような異常があるのか。
血液中には どのような細胞が見えているのか。
骨髄では何が起きているのか。
そうした情報を一つずつ集めながら、 診断と治療方針を整理していきます。
血小板減少症の治療は、
「なぜ減っているのか」で変わります
血小板が低いからといって、 すべての犬が 同じ治療を受けるわけではありません。
免疫によって血小板が壊されているのか。
感染症など別の病気が関係しているのか。
血小板が身体の中で 多く消費されているのか。
骨髄で十分につくられていないのか。
その原因や状態によって、 必要な治療が変わります。
なぜ減っているのかを確認することが大切です
免疫介在性血小板減少症では、
免疫の働きを抑える治療が行われることがあります
免疫介在性血小板減少症では、 本来身体を守る免疫が 自分の血小板を標的としてしまいます。
そのため、 免疫の働きを抑える目的で ステロイド薬などが使用されることがあります。
状態によっては、 ほかの免疫抑制薬を 組み合わせることもあります。
「検査値だけをきれいにすること」 だけではありません
出血の危険性を抑えながら、 血小板の回復を確認し、 愛犬の状態に合わせて 治療を調整していきます。
ステロイド治療中は、
「薬の作用」と「暮らしの変化」の両方を見ます
ステロイド薬を使用すると、 愛犬によっては 日常生活に変化がみられることがあります。
- 水を飲む量が増える
- 尿量や排尿回数が増える
- 食欲が強くなる
- パンティングが増える
- 長期的には筋肉や皮膚などに変化がみられることがある
こうした変化があれば、 次の診察時に伝えてください。
ステロイド薬を自己判断で急に中止・減量しないでください
病気の状態と検査結果を見ながら、 獣医師が投薬量を調整します。
血小板が増えてきても、
薬をすぐ全部やめるとは限りません
治療によって血小板が回復すると、 「もう薬は必要ないのでは?」 と感じるかもしれません。
しかし、 免疫抑制治療では、 血小板数や全身状態を確認しながら 薬を段階的に調整することがあります。
いつ、 どの薬を、 どのくらい減らすのかは、 獣医師の指示に従ってください。
「輸血が必要です」と言われたら
強い出血や重度の貧血など、 愛犬の状態によっては 輸血が検討されることがあります。
輸血は、 血小板減少や白血病そのものの 原因を治す治療とは限りません。
しかし、 出血や貧血によって 身体が危険な状態になっているときに、 必要な血液成分を補う目的で 行われることがあります。
「今、何を補うための輸血ですか?」 と確認しましょう
貧血への対応なのか。
出血への対応なのか。
今の愛犬にとって 何を目的に行うのかを聞いてみてください。
白血病の治療は、
「白血病の種類」によって変わります
白血病には、 急性・慢性の違いだけでなく、 どの血液細胞の系統から発生しているかなど、 複数のタイプがあります。
そのため、 「白血病ならこの薬」 と一つに決まるわけではありません。
白血病の種類、 病気の進み方、 血球の状態、 愛犬の全身状態などを確認しながら、 治療方針を考えます。
「何を目標に治療するのか」を確認しましょう
病気をコントロールすること。
血球の状態を改善すること。
症状を和らげること。
愛犬が穏やかに過ごせる時間を守ること。
治療の目的を共有しておくことが大切です。
「抗がん剤」と聞いて、
まず確認してほしいこと
白血病の種類によっては、 抗がん剤などを用いた治療が 検討されることがあります。
「抗がん剤」と聞くと、 強い副作用を想像して 不安になるかもしれません。
実際の治療内容や起こり得る副作用は、 使用する薬や治療計画、 愛犬の状態によって異なります。
次のことを確認しておきましょう
- この治療の目的は何ですか?
- どのくらいの間隔で治療しますか?
- どんな副作用に注意しますか?
- 次の血液検査はいつ行いますか?
- 自宅でどんな変化があれば連絡しますか?
白血球が少ない時期は、
感染症にも注意します
病気そのものや治療の影響によって、 感染から身体を守る白血球が 少なくなることがあります。
その場合には、 感染症への注意が いつも以上に必要になることがあります。
動物病院へ連絡してください
愛犬の血液検査の状態によって 注意すべきことは変わります。
「今は感染に特に注意する時期ですか?」 と確認しておくと安心です。
出血があったら、
「どこから・いつから・どのくらい」を残しましょう
血小板が低い子では、 出血の変化が 治療経過を考える大切な情報になります。
- 出血した日時
- 出血した場所
- どのくらい続いたか
- 自然に止まったか
- 赤紫色の斑点やあざが増えたか
- 鼻血・血尿・血便があったか
- 黒い便が出たか
写真に残しておくと伝えやすいことがあります
安全に撮影できる範囲で、 日付と一緒に残しておくと 診察時に比較しやすくなります。
貧血がある子は、
歯ぐき・呼吸・疲れ方も見てください
貧血がある場合には、 ご家庭でも変化がみられることがあります。
- 歯ぐきがいつもより白っぽくないか
- 寝ている時間が増えていないか
- 散歩ですぐ疲れないか
- 立ち上がるのを嫌がらないか
- 安静時でも呼吸が速くないか
- ふらつきや虚弱がないか
次の予約日を待たず動物病院へ相談してください
薬が増えたら、
「飲ませたかどうか」も記録しましょう
治療内容によっては、 複数の薬を使用することがあります。
朝・昼・夜で薬が違ったり、 毎日ではない薬があったりすると、 「さっき飲ませたかな?」 と分からなくなることがあります。
- 薬の名前
- 一回量
- 飲ませる時間
- 実際に飲ませたか
- 吐き戻していないか
- 投薬後に気になる変化がなかったか
あらかじめ確認しておきましょう
飲ませ忘れたからといって、 次回に自己判断で2回分を与えず、 処方した動物病院へ確認してください。
元気に見えるときも、
血液検査が大切です
血小板減少症や白血病では、 見た目の元気さだけでは 血球の状態が分からないことがあります。
治療中は、 血小板、 赤血球、 白血球などの変化を確認しながら、 治療を調整することがあります。
「次回は何を確認しますか?」 と聞いてみましょう
検査の目的が分かると、 その間にご家庭で何を見ればよいかも 分かりやすくなります。
治療が始まったあと、
ご家庭で大切にしたいこと
- 血小板減少症の治療は原因によって異なる
- 免疫介在性の場合は免疫を抑える治療が行われることがある
- ステロイドや免疫抑制薬を自己判断で中止・減量しない
- 血小板が回復しても薬の調整は獣医師の指示に従う
- 輸血は今の身体を支える目的で行われることがある
- 白血病の治療は病気のタイプや全身状態によって異なる
- 抗がん剤治療では目的と注意する副作用を確認する
- 白血球が少ない時期は感染症にも注意する
- 出血・貧血の変化を家庭で記録する
- 薬を飲ませた日時や体調の変化を記録する
- 見た目が元気でも指示された血液検査を続ける
毎日の小さな変化を見つけられるのは、 一緒に暮らしている飼い主様です
出血はないか。
歯ぐきの色はどうか。
食欲や元気はどうか。
呼吸や疲れ方に変化はないか。
薬はきちんと飲めたか。
そうした情報が、 次の血液検査と一緒に 治療を考える大切な手がかりになります。
「血小板を増やす食べ物」はある?
まず知っておきたいこと
血小板が低いと言われると、 「何を食べさせれば血小板が増える?」 と考えるのは自然なことだと思います。
しかし、 血小板減少症は 食材一つで考える病気ではありません。
免疫によって壊されているのか。
感染症などが関係しているのか。
身体の中で消費されているのか。
骨髄で十分につくられていないのか。
原因によって治療そのものが違います。
治療中の身体と毎日の暮らしを支えるものとして考えます
まず病気の原因と治療方針を確認し、 そのうえで 今の愛犬が食べやすく、 必要な栄養をとれる食事を考えていきましょう。
白血病と診断されたら、
ごはんを全部変えた方がいい?
白血病と診断されたという理由だけで、 すべての犬が 同じ食事へ変更するわけではありません。
白血病のタイプ、 治療内容、 食欲、 体重、 消化器症状、 血液検査の状態、 一緒に管理している病気などによって、 食事で優先したいことは変わります。
「食事について特別な条件はありますか?」 と確認してください
特別な条件がなければ、 病名だけを理由に 食べ慣れた食事を急に大きく変えない方がよい場合もあります。
食欲が落ちてきたら、
「何を食べるか」と同時に原因も確認します
病気そのものや治療中の体調変化によって、 食欲が低下することがあります。
その場合、 「好きなものなら食べるかな?」 と食事を工夫することも大切ですが、 食べない理由を考えることも必要です。
- 吐き気はないか
- 嘔吐していないか
- 下痢をしていないか
- 口の中に痛みや違和感がないか
- 発熱や強いだるさが疑われないか
- 薬を始めてから変化していないか
水も飲めない、 嘔吐が続く、 ぐったりしている場合は、 食事だけで様子を見続けず動物病院へ相談してください
「食べる量が落ちた」ときは、
食べやすさを工夫できることもあります
獣医師から特別な食事制限を受けていない場合には、 愛犬の状態に合わせて 食べやすさを工夫できることがあります。
- 一回量を少なくして回数を分ける
- 食べやすい硬さを考える
- 香りが感じやすい状態にする
- 落ち着いて食べられる場所をつくる
- 食べた量を記録する
「実際にどのくらい食べられたか」を残しましょう
食欲の変化は、 治療中の状態を伝える 大切な情報になります。
ステロイド治療で、
食欲がとても強くなったとき
免疫介在性血小板減少症などで ステロイド薬を使用していると、 食欲が強くなることがあります。
「こんなに欲しがるなら足りないのかな」 と感じるかもしれません。
しかし、 薬の影響によって 食欲が強くなっている場合があります。
主食だけでなく、 おやつやトッピングも含めて 一日の量を考えましょう。
治療中は、
体重と筋肉の変化も見てください
食欲が落ちている子では、 体重や筋肉が減ってくることがあります。
一方、 ステロイド治療などで食欲が強くなると、 体重が増えることもあります。
そのため、 「体重が増えた・減った」だけではなく、 身体つきも一緒に見ていきます。
- 背中や腰まわりが細くなっていないか
- 後ろ足の筋肉が落ちていないか
- 肋骨が以前より目立っていないか
- 急に体重が増えていないか
- 立ち上がりや歩き方に変化がないか
貧血があるから、
鉄分をたくさん足した方がいい?
貧血と聞くと、 「鉄分を補えばよいのでは?」 と考えるかもしれません。
しかし、 犬の貧血にはさまざまな原因があります。
出血によるもの、 赤血球が壊されるもの、 骨髄で十分につくれないものなど、 原因によって考え方が異なります。
自己判断で鉄剤や鉄を含むサプリを追加しないでください
まず、 どのような貧血なのかを 獣医師へ確認しましょう。
白血球が少ない時期は、
食品の衛生管理も大切です
病気や治療の影響によって、 感染から身体を守る白血球が 少なくなっている場合があります。
そのような時期には、 食事から感染の機会を増やさないことも大切です。
注意が必要な時期には、 十分に加熱された食事を選び、 調理器具や食器を清潔に保ち、 食べ残しを長時間放置しないなど、 基本的な食品衛生を大切にしましょう。
自己判断で生肉・生卵などを追加することは避け、 獣医師へ確認してください
主食だけでなく、
おやつ・トッピングも一緒に考えます
治療中の食事を整理するときは、 フードだけを見るのではなく、 一日に口にしているもの全体を確認します。
- 主食
- おやつ
- トッピング
- 人の食事から分けているもの
- 薬を包むために使っている食品
- サプリメント
「フード以外」も忘れずに
「血小板にいい」「免疫にいい」というサプリは、
足した方がいい?
血小板や白血病について調べると、 さまざまなサプリメントや食品の情報が 見つかると思います。
しかし、 今回の記事で見てきたように、 血小板減少や白血病には それぞれ異なる原因・病型があります。
また、 ステロイド、 免疫抑制薬、 抗がん剤などを 使用している場合もあります。
自己判断でサプリメントを追加しないでください
使用を考えている場合は、 商品名、 原材料、 一日の使用量が分かるものを かかりつけの獣医師へ見せて確認してください。
ハーブや自然由来のものも、
治療とは分けて考えましょう
「自然なものなら、 治療中でも使いやすいのでは?」 と感じることもあると思います。
ただし、 植物由来の成分にも 身体へ作用するものがあります。
今の愛犬に安全に併用できることは別です
特に治療薬を使用している場合は、 使用前に獣医師へ確認してください。
運動は、
血小板の状態と体調に合わせます
元気があると、 「少し運動させた方が体力がつくのでは?」 と考えるかもしれません。
しかし、 血小板が著しく低く 出血の危険性が高い時期には、 激しい運動や外傷を避ける必要があります。
また、 貧血が強い場合には、 普段の散歩でも身体への負担が大きくなることがあります。
血液検査の状態によって、 適切な運動量は変わります。
出血しやすい時期は、
日常生活にも少し工夫を
血小板が著しく低い場合には、 ご家庭で小さな外傷を避けることも 大切になります。
- 激しい遊びを控える
- 高い場所からの飛び降りを避ける
- ほかの犬との激しい接触を避ける
- 硬すぎるものを無理に噛ませない
- 爪切りなど出血する可能性のあるケアは、今行ってよいか確認する
- 歯みがきで出血する場合は無理をしない
血小板が低い時期は今行ってよいか確認しましょう
爪切り、 歯みがき、 トリミングなどについても、 出血の危険性が高い時期には 獣医師へ相談してください。
治療中の毎日の食事に迷ったら
「血小板が低いと言われたけれど、 今までのフードを続けていい?」
「ステロイドで食欲が強くなって、 食事量をどう考えればいい?」
「白血病の治療中で、 最近食べる量が減ってきた」
「貧血もあるけれど、 何を優先して食事を選べばいい?」
そんなときは、 BIGWOODのコンシェルジュへ ご相談いただけます。
獣医師から受けている食事条件をもとに 毎日のごはんを一緒に整理します
病気の治療や薬の調整は、 動物病院で行っていただくことが大前提です。
そのうえで、 食欲、 体重、 食べられる量、 現在の食事、 おやつやトッピングなどを確認しながら、 食事面を一緒に考えていきます。
食事相談のとき、
分かる範囲で教えていただきたいこと
すべてそろっていなくても大丈夫です。
- 正式な診断名
- 血小板減少の原因について説明を受けているか
- 白血病の場合は、分かっている病型
- 現在の血小板・赤血球・白血球について説明された内容
- 現在使用している薬
- 食事について獣医師から指示があるか
- 現在の体重
- 最近の体重変化
- 食欲の変化
- 現在食べているフードと一日の量
- おやつ・トッピング
- 嘔吐や下痢の有無
- 一緒に管理しているほかの病気
「動物病院ではこう説明されました」 というところから、 食事について一緒に整理していきます。
BIGWOOD コンシェルジュルーム
「治療中の食事を一度見直したい」
「食欲が落ちて、 今までの量を食べられなくなった」
「ステロイドで食欲が強くなったので、 一日の食事量を整理したい」
「獣医師から言われた食事条件に合うものを探したい」
そんなご相談だけでも大丈夫です。
獣医師から受けている 食事についての指示を確認しながら、 BIGWOODの商品について 一緒に考えさせていただきます。
受付時間 10:00〜17:00
食事と暮らしについて、
ここまでで大切なこと
- 血小板を増やす特定の食品を探す前に原因を確認する
- 食事は治療の代わりではなく治療中の身体を支えるものとして考える
- 白血病という病名だけを理由に食事を急に全部変えない
- 食欲低下の背景に吐き気・痛み・感染などがないか考える
- ステロイドによる強い食欲だけを基準に食事量を増やさない
- 体重だけでなく筋肉や身体つきも見る
- 貧血だからと自己判断で鉄剤を追加しない
- 感染に注意する時期は食品衛生も大切にする
- サプリやハーブを自己判断で追加しない
- 血小板が著しく低い時期は運動や外傷に注意する
- 爪切りや歯みがきなどの日常ケアも状態に合わせる
今の愛犬が安全に食べられ、 必要な栄養をとれることを大切にしましょう
今どんな治療をしているのか。
食欲はどうか。
体重や筋肉はどう変化しているのか。
食事について特別な条件はあるのか。
それらを一つずつ確認しながら、 無理なく続けられる毎日の食事を 考えていきましょう。
次の診察で、
これだけは確認しておきたいこと
血液の病気では、 検査項目や薬の名前が多く、 一度の診察ですべてを理解するのは 難しいこともあります。
全部を覚えようとせず、 今の愛犬について必要なことを 一つずつ確認していきましょう。
- 正式な診断名は何ですか?
- 血小板が低い原因として何を疑っていますか?
- 血小板は本当に減っていますか?凝集はありませんでしたか?
- 血液塗抹では何が分かりましたか?
- 赤血球・白血球・血小板はそれぞれどのような状態ですか?
- 白血病の場合、急性・慢性などどのタイプですか?
- 骨髄検査や追加検査は必要ですか?
- 現在の薬は何を目的に使っていますか?
- 次の血液検査はいつ、何を確認しますか?
- 今はどの程度運動して大丈夫ですか?
- 食事について特別な条件はありますか?
- どんな変化があれば予定を待たず受診すべきですか?
今気になっていることを スマートフォンなどに残しておき、 診察時に一つずつ確認していきましょう。
次の診察へ、
持っていくと役立つもの
血小板減少症や白血病では、 血液検査だけでなく、 ご家庭での変化も 大切な情報になります。
- 現在使用している薬の名前・量・回数
- 薬を飲ませた記録
- 飲めなかった薬があれば、その日時
- 出血があった日時と場所
- 皮膚や歯ぐきの赤紫色の斑点・あざの写真
- 鼻血・血尿・血便の有無
- 黒い便が出たか
- 食欲の記録
- 嘔吐・下痢の記録
- 体重の記録
- 疲れ方や活動量の変化
- 現在のフード・おやつ・トッピング
- 使用しているサプリメントやハーブ製品
皮膚の斑点やあざ、 歯ぐきの色、 歩き方、 呼吸の様子など、 診察室では確認できない変化は、 安全に撮影できる範囲で 残しておくと伝えやすくなります。
最後にもう一度。
予定を待たず相談したいサイン
血小板が著しく低い場合や、 貧血・白血球の異常などがある場合には、 状態が変化することがあります。
次の予約日まで待たず 動物病院へ連絡してください
- 出血が止まりにくい
- 鼻血が続く
- 血を吐いた
- 血便が出た
- 黒いタール状の便が出た
- 血尿が出た
- 赤紫色の斑点やあざが急に増えた
- 歯ぐきが明らかに白っぽい
- 急にぐったりした
- 立てない、強くふらつく
- 倒れた、反応がおかしい
- 呼吸が苦しそう
- 急に食べられなくなった
- 嘔吐や下痢が続く
- 発熱が疑われ、元気もない
夜間や休診日に悪化した場合に どこへ連絡・受診するかも、 元気なうちに確認しておくと安心です。
毎日の記録は、
完璧につけなくても大丈夫です
血液の病気では、 数字を細かく管理しなければならないように 感じるかもしれません。
でも、 飼い主様がすべてを 医療者のように記録する必要はありません。
まずは、
- 食べた
- 薬を飲めた
- 元気があった
- 出血はなかった
- 便・尿に変化はなかった
といった簡単な記録でも構いません。
「いつもと違った日」を残すことです
いつから変わったのか。
どんな変化だったのか。
その日に薬を飲めていたのか。
そうした情報が、 次の診察の大切な手がかりになります。
最後に。
血液の数字だけで愛犬を見ないこと
「血小板が低い」
「白血球に異常がある」
「白血病かもしれない」
そう聞くと、 検査表の数字ばかりが 気になってしまうこともあると思います。
もちろん、 血液検査はとても大切です。
でも、 治療中に大切なのは 数字だけではありません。
ご家庭だから分かる愛犬の変化。
その両方を大切にしてください
今日も食べられた。
昨日より少し元気がある。
出血はなかった。
散歩は短かったけれど歩けた。
いつもより眠っている時間が長かった。
そうした毎日の変化を 血液検査の結果と一緒に獣医師へ伝えることで、 今の愛犬の状態を より詳しく共有できます。
病名だけで先のことを決めつけず、 今必要な治療と、 今日できることを 一つずつ確認していきましょう。
このページは、 犬の血小板減少症、 免疫介在性血小板減少症、 白血病などについて、 検査・治療中の暮らしや食事、 ご家庭での見守りを考えるための 一般的な情報をお伝えするものです。
病気の診断、 血液検査結果の判定、 薬の開始・中止・増減、 ステロイドや免疫抑制薬の調整、 抗がん剤治療、 輸血の必要性などを ご家庭だけで判断するためのものではありません。
血小板が著しく低い場合には、 出血の危険性が高くなることがあります。
出血が止まらない、 鼻血、 血を吐く、 血便・黒い便、 血尿、 急に増える赤紫色の斑点やあざ、 強い元気消失などがみられた場合には、 動物病院へ早めに相談してください。
また、 強い貧血が疑われる場合や、 白血球が少なく感染症への注意が必要な場合にも、 急な体調変化には注意が必要です。
現在治療中の場合は、 かかりつけの獣医師から受けている指示を 優先してください。






