関節炎
犬の関節炎。
「歩けているから大丈夫」だけではありません
最近、 愛犬が立ち上がるまでに 少し時間がかかるようになった。
散歩へ行きたがるのに、 途中で立ち止まるようになった。
階段をためらう。
ソファへ飛び乗らなくなった。
寝ている時間が増えた。
こうした変化は、 単なる「年齢のせい」とは 限りません。
「痛そうに鳴く」だけで現れるとは限りません
毎日の小さな動きの変化が、 愛犬の身体を知る 大切な手がかりになることがあります。
このページでお伝えしたいのは、
「関節炎とは何か」だけではありません
関節炎と診断されたあと、 飼い主様が本当に知りたいのは、 病名の説明だけではないと思います。
家で何を見ればいい?
散歩は続けてもいい?
安静にした方がいい?
フローリングは大丈夫?
階段やソファはどうすればいい?
体重はどのくらい関係する?
薬はいつまで使う?
そんな日常の疑問を、 一つずつ整理していきます。
ご家庭だからできる見守り。
その両方が大切です
犬の「関節炎」とは?
関節は、 骨と骨がつながり、 身体を滑らかに動かすための 大切な部分です。
関節の中では、 軟骨や関節液などが 動きを支えています。
犬でよく問題になる 変形性関節症(OA)では、 関節の軟骨や周囲の組織などに 変化が起こり、 炎症や痛み、 動かしにくさにつながることがあります。
一度起きた変化は 少しずつ進行することがあるため、 早く気づいて 継続的に管理していくことが大切です。
「治療したら終わり」ではなく 長く付き合っていくことがあります
関節炎は、
シニア犬だけの病気ではありません
関節の問題というと、 高齢の犬を思い浮かべるかもしれません。
しかし、 若い犬でも 関節の構造上の問題や 過去のケガなどがきっかけとなり、 関節に変化が起こることがあります。
たとえば、 股関節形成不全。
肘関節形成不全。
膝蓋骨脱臼。
前十字靱帯の損傷。
過去の骨折や関節のケガなどが、 後の関節の状態に関係することもあります。
年齢だけで判断しないことも大切です
犬は「ここが痛い」と
言葉では教えてくれません
関節に痛みがあっても、 必ず鳴いたり、 明らかに足を引きずったりするとは 限りません。
愛犬自身が、 痛みの出にくい動き方へ 少しずつ変えている場合もあります。
そのため、 飼い主様が 「以前との違い」に気づくことが とても重要になります。
まず見てほしいのは、
毎日の「歩き方」
散歩中だけでなく、 家の中を普通に歩いているときも 観察してみましょう。
- 以前より歩く速度が遅くなった
- 足をかばっているように見える
- 歩幅が小さくなった
- 身体を左右に揺らして歩く
- 後ろ脚の動きが小さくなった
- 散歩の途中で立ち止まることが増えた
- 以前より後ろを歩くようになった
- 帰り道になると歩き方が変わる
「以前と同じように歩けているか」を見ます
朝や昼寝のあと。
「立ち上がる瞬間」も大切です
関節に不調がある犬では、 長く休んだあとに 身体を動かし始めるとき、 変化が分かりやすいことがあります。
すぐ立ち上がらず、 一度身体を起こしてから 少し待つ。
前脚を使って身体を起こし、 後ろ脚があとからついてくる。
立った直後の数歩だけ 歩き方がぎこちない。
何歩か歩くと 少し動きやすそうになる。
ときどき意識して見てみましょう
階段・玄関・ソファ。
「ためらう」ようになっていませんか?
普通に歩いていると 分かりにくい変化でも、 段差の上り下りで 気づくことがあります。
階段の前で一度止まる。
上りたがるのに なかなか最初の一歩を出さない。
ソファへ飛び乗らなくなった。
車への乗り降りを ためらうようになった。
以前できていた動作を 「やらなくなった」ことも 大切な変化です。
「年を取っておとなしくなった」
だけではないこともあります
痛みや動かしにくさは、 歩き方以外の行動にも 現れることがあります。
- 散歩へ行きたがらなくなった
- 遊ぶ時間が短くなった
- 寝ている時間が増えた
- 触られるのを嫌がるようになった
- 抱き上げると嫌がる
- 以前より機嫌が悪く見えることがある
- 家族から離れて休むことが増えた
すぐ「性格」や「年齢」のせいにしないことも大切です
痛みや身体の不調が 関係している場合があります。
歩き方を見るときは、
「足を引きずる」だけを探さない
関節や身体に違和感があっても、 はっきり足を引きずるとは限りません。
ご家庭では、 普段との小さな違いを 見てみましょう。
- 歩く速度が以前より遅くなった
- 歩幅が小さくなった
- 左右で足の運び方が違う
- 身体を左右に揺らして歩く
- 散歩の途中で立ち止まることが増えた
- 方向転換をゆっくりするようになった
- 滑る床を慎重に歩くようになった
- 散歩の後に動きたがらなくなる
「正常な歩き方」を覚えること
元気なときの歩き方を知っていると、 小さな変化にも 気づきやすくなります。
「歩き始める前」も、
大切な観察ポイントです
関節の不調では、 歩いている最中だけでなく、 寝た状態から立ち上がるときに 変化がみられることがあります。
特に、 朝起きたとき。
長く寝たあと。
車で移動したあと。
こうした場面で、 立ち上がり方を見てみましょう。
- 立ち上がるまでに時間がかかる
- 何度か体勢を変えてから立つ
- 前足へ体重をかけて立ち上がる
- 後ろ足が滑る
- 立った直後だけ歩き方がぎこちない
- 少し歩くと動きが変わる
と決めつけないことも大切です
立ち上がる瞬間の変化そのものが、 獣医師へ伝える大切な情報になります。
階段・ソファ・車。
「上る」と「下りる」は別々に見ます
以前は簡単にできていた段差を、 急にためらうようになることがあります。
ここで大切なのは、 「階段が苦手になった」 だけで終わらせないことです。
上りにくいのか。
下りにくいのか。
ソファへ飛び乗れないのか。
飛び降りることを嫌がるのか。
車へ乗るときだけ ためらうのか。
診察時に伝えやすくなります
散歩では、
距離より「途中と帰宅後」も見てください
散歩へ喜んで出かけるからといって、 身体に負担がないとは限りません。
散歩の最初は元気でも、 途中から速度が落ちることがあります。
また、 散歩中には問題がないように見えても、 帰宅後に長く横になったり、 その後の立ち上がりが ぎこちなくなる場合もあります。
- 出発時の歩き方
- 途中の歩く速度
- 立ち止まる回数
- 帰り道の歩き方
- 帰宅直後の様子
- 数時間後の立ち上がり方
歩いたあと身体がどうだったかも記録しましょう
歩き方がおかしいと感じたら、
可能なら動画を残しておきましょう
動物病院へ行ったときには、 緊張や興奮によって ご家庭で見せていた歩き方が 出ないことがあります。
そのため、 安全に撮影できる状況であれば、 スマートフォンで動画を残しておくと 診察時の参考になります。
- 正面から歩いてくる様子
- 後ろから歩く様子
- 横から歩く様子
- 立ち上がる瞬間
- 気になっている動作
痛そうな動作を繰り返させないでください
普段の生活の中で 自然に見られた様子を 安全に記録できる範囲で十分です。
痛い場所を、
ご家庭で無理に探さなくても大丈夫です
歩き方が気になると、 「どこが痛いのだろう」 と足や関節を触って 確認したくなると思います。
ただし、 痛みがある犬では、 普段おとなしい子でも 触られることを嫌がる場合があります。
関節を強く曲げ伸ばししたり、 痛そうな場所を何度も押したりして 原因を探す必要はありません。
どんな動作で変化が出るかを観察
詳しい触診や関節の評価は、 動物病院で行ってもらいましょう。
「少し様子を見よう」の前に、
早めに相談したい変化もあります
歩き方の変化には、 関節炎以外にも 骨・筋肉・靱帯・神経など さまざまな原因が考えられます。
特に、 次のような変化がある場合には、 動物病院へ相談してください。
- 突然、足を地面につけなくなった
- 強い痛みがあるように見える
- 立てない、歩けない
- 足を引きずる、足先をうまく動かせない
- 転倒や事故のあとから歩き方がおかしい
- 関節周辺が腫れている
- 元気や食欲も落ちている
- 歩き方の変化が続いている、または悪化している
原因を確認することが大切です
関節が気になるとき、
まずここまで覚えておきましょう
- 関節炎では痛みや動きにくさが生活へ現れることがある
- 足を引きずるだけが痛みのサインではない
- 散歩へ行きたがらないなど行動変化にも注目する
- 「年齢だから」「性格だから」で済ませない
- 普段の歩き方を覚えておく
- 立ち上がる瞬間も観察する
- 階段は上りと下りを分けて見る
- 散歩中だけでなく帰宅後の様子も見る
- 安全に撮れる場合は動画を残す
- 家庭で痛い場所を無理に探さない
- 強い痛みや急な歩行異常などでは早めに動物病院へ相談する
「いつもとの違い」があります
いつから。
どんな動作で。
どのくらい続くのか。
休んだあとどうなるのか。
そうした情報が、 診察で原因を考えるための 大切な手がかりになります。
歩き方がおかしい。
でも、最初から「関節炎」とは決めつけません
足をかばう。
立ち上がりにくい。
散歩へ行きたがらない。
こうした変化があると、 関節炎を心配する飼い主様も 多いと思います。
ただし、 同じような変化は 関節以外の問題でも 起こることがあります。
- 骨の問題
- 靱帯や腱などの問題
- 筋肉の問題
- 背骨の問題
- 神経の問題
- 足先や爪などの問題
どこから症状が出ているのかを確認することが大切です
診察は、
ご家庭で起きていることを伝えるところから
動物病院では、 まず飼い主様から 症状の経過などを確認することがあります。
ここで役立つのが、 第1回で確認した 「いつもとの違い」です。
- いつから変化が始まったか
- 突然始まったのか、少しずつなのか
- どの足が気になるのか
- 立ち上がるときに変化があるか
- 歩き始めと歩いたあとで違いがあるか
- 散歩中のどの時点で変化するか
- 休むと変化するか
- 階段や段差でどうなるか
- 転倒や事故などのきっかけがなかったか
検査の前から始まっている大切な情報です
動物病院では、
歩き方そのものを確認することがあります
犬が立っている姿勢や、 実際に歩いている様子を見ながら、 身体の使い方を確認することがあります。
どの足へ どのように体重をかけているのか。
左右差があるのか。
歩幅はどうか。
頭や腰の動きに 特徴がないか。
こうした情報を 総合して見ていきます。
ご家庭で撮った動画が役立つことがあります
次に、
関節や身体を実際に確認します
診察では、 犬の状態に合わせながら 足や関節などを触って確認することがあります。
関節の動く範囲。
動かしたときの反応。
腫れや熱感。
筋肉量の左右差。
関節の安定性。
痛みが疑われる場所。
こうした所見を組み合わせて、 どこに問題がありそうなのかを 絞り込んでいきます。
関節を無理に曲げ伸ばしする必要はありません
歩き方によっては、
関節だけでなく神経も確認します
歩行異常の原因が、 必ず関節にあるとは限りません。
足先を引きずる。
足の位置をうまく戻せない。
ふらつく。
複数の足に異常がみられる。
こうした場合などには、 神経系の評価が必要になることがあります。
関節だけに限定しないことが大切です
レントゲン検査では、
骨や関節の変化を確認します
関節の状態を詳しく調べるために、 X線検査(レントゲン検査)が 行われることがあります。
骨の形。
関節の形。
関節周辺の骨の変化。
過去の外傷を疑う変化など、 診断につながる情報を確認します。
必要な撮影姿勢をとることが難しい場合などには、 犬の状態に応じて 鎮静などが検討されることもあります。
レントゲン写真だけで、
痛みのすべてが分かるわけではありません
画像検査は、 とても大切な情報の一つです。
ただし、 画像に見える変化の程度と、 犬が実際に感じている痛みや 生活への影響が 必ずしも同じとは限りません。
反対に、 歩き方や生活に変化があっても、 X線画像だけでは 原因を十分に説明できない場合もあります。
歩き方・触診・生活での変化を合わせて考えます
必要に応じて、
さらに検査を行うこともあります
症状や診察結果によっては、 X線検査以外の検査が 必要になる場合があります。
血液検査。
関節液の検査。
CTやMRIなどの画像検査。
その他、 疑われる病気に応じた検査が 検討されることがあります。
すべての検査を受けるわけではありません
何を確認するための検査なのかを 獣医師へ聞いてみましょう。
犬でよく聞く「変形性関節症」とは?
変形性関節症は、 関節の構造や機能に 慢性的な変化が生じる病気です。
関節軟骨だけでなく、 関節周囲の骨や組織などにも 変化が関係します。
加齢だけで起こるとは限らず、 関節の形成異常、 過去のけが、 関節の不安定性などが 背景にある場合もあります。
痛みや生活への影響を軽くするためにできることがあります
「関節炎です」と聞いたら、
診断名の次を確認しましょう
診断名が分かることは 大切な第一歩です。
でも、 ご家庭でのケアを考えるには、 もう少し具体的な情報が役立ちます。
- どの関節に問題があるのか
- 片側なのか両側なのか
- 現在どの程度生活へ影響しているのか
- 運動に制限が必要なのか
- してよい運動は何か
- 避けた方がよい動作は何か
- 体重管理は必要か
- 薬は何のために使うのか
- 次はいつ再診するのか
「この子の生活をどう変えるか」まで確認します
検査結果は、
後から比較できるように残しておきましょう
関節の問題は、 一度の診察だけで終わらず、 長く経過を見ていくことがあります。
そのため、 診断名。
問題がある関節。
検査を受けた日。
薬の名前。
運動について受けた指示。
次回の受診予定。
こうした情報を スマートフォンなどへ 残しておくと便利です。
診察・検査では、
「何が原因か」を一つずつ整理します
- 歩行異常を最初から関節炎と決めつけない
- 家庭での経過を具体的に伝える
- 歩き方や立ち姿も大切な診察情報になる
- 触診などで関節や身体の状態を確認する
- 必要に応じて神経系も評価する
- X線検査では骨や関節の変化を確認する
- 画像上の変化と痛みの程度が必ず一致するとは限らない
- 必要に応じて追加検査が検討される
- 変形性関節症は単純に「年齢だけ」が原因とは限らない
- 診断後は運動・体重・薬・再診について具体的に確認する
- 検査結果や獣医師から受けた指示を記録する
愛犬の暮らしを整えるためのスタートです
どこに問題があるのか。
何をすると負担になるのか。
何なら続けてよいのか。
何を治療しているのか。
そこまで分かると、 ご家庭でできることが ずっと具体的になります。
関節が気になる犬のケア。
まず「家の中」から見直せます
関節の問題が分かると、 「何か特別なことをしなければ」 と考えるかもしれません。
でも、 毎日何度も繰り返している 立つ・歩く・寝るという動作を 少し楽にすることも 大切なケアの一つです。
床。
階段。
ソファ。
寝床。
食事場所。
まずは愛犬が一日の中で よく使う場所から見てみましょう。
よく通る場所から一つずつ
フローリングで足が滑る。
その小さな動作を減らす工夫
滑りやすい床では、 立ち上がるときや方向転換するときに 足が外へ滑ってしまうことがあります。
関節に不安がある犬では、 こうした動作が 身体への負担になることがあります。
家中すべてを変えるのが難しければ、 愛犬がよく歩く場所から 滑りにくい環境を考えてみましょう。
- 寝床から水飲み場まで
- 寝床から食事場所まで
- いつも通る廊下
- 立ち上がることが多い場所
- 方向転換する場所
マット自体がずれないことも確認
めくれや段差が 新しいつまずきの原因にならないよう 注意しましょう。
階段や段差は、
「上れるから大丈夫」とは限りません
愛犬自身は、 痛みや違和感があっても いつもの習慣で 階段を使おうとすることがあります。
しかし、 上る動作と下りる動作では 身体の使い方が異なります。
特に、 勢いよく階段を下りる。
ソファから飛び降りる。
ベッドから何度も飛び降りる。
こうした動作は、 愛犬の状態によっては 避けた方がよい場合があります。
問題のある関節や状態によって異なります
診断を受けている場合には、 階段・ジャンプなどについて 獣医師へ確認しておきましょう。
スロープを置けば、
必ず楽になるとは限りません
ソファや車への移動に、 スロープを検討することもあると思います。
ただし、 傾斜が急すぎたり、 表面が滑りやすかったりすると、 かえって使いにくいことがあります。
愛犬が怖がって 飛び降りてしまう場合もあります。
愛犬が安全に使えるかを見ることが大切です
寝床は、
「柔らかければ柔らかいほどよい」?
関節が気になる犬には、 身体を休められる寝床も大切です。
ただし、 沈み込みすぎる寝床では 立ち上がるときに 力を入れにくい犬もいます。
愛犬が横になったときに休みやすく、 なおかつ立ち上がるときに 身体を支えやすいかを見てみましょう。
- 寝床から立ち上がりやすいか
- 寝返りを打てるか
- 床面で滑らないか
- 寝床へ入るための高い段差がないか
- 身体を伸ばして休める広さがあるか
爪と足裏も、
歩きやすさに関係します
床だけでなく、 足元の状態も確認してみましょう。
爪が伸びすぎている。
肉球の間の被毛が長く、 床で滑りやすくなっている。
足先に傷や違和感がある。
こうしたことでも、 歩き方に影響する場合があります。
地面に接する足先まで確認しましょう
関節炎なら、
ずっと安静にした方がいい?
痛そうにしていると、 「できるだけ動かさない方がよいのでは」 と考えることがあります。
急なけがや強い痛みがある時期など、 獣医師から安静を指示される場合はあります。
一方で、 慢性的な関節の問題では、 状態に合った身体活動を続けることが 筋肉や身体機能の維持につながる場合があります。
二択ではありません
今の愛犬に どの程度の運動が適切なのかを 獣医師と確認しましょう。
散歩は、
「昨日30分歩けたから今日も30分」ではなく
関節の状態は、 日によって同じとは限りません。
歩き始めの様子。
その日の元気。
気温や路面。
前日の活動量。
そうしたものも見ながら、 無理のない範囲で考えます。
「今日の身体」を見ながら
運動量が合っていたかは、
散歩中だけでは判断しません
散歩中は楽しそうでも、 帰宅後や翌日に 動きにくくなる場合があります。
散歩のあとに 長時間動きたがらなくなっていないか。
立ち上がりにくくなっていないか。
翌朝の歩き始めが いつもよりぎこちなくないか。
その後の反応まで含めて評価します
関節を支えるためにも、
筋肉をできるだけ守る
痛みや動きにくさがあると、 犬はその足を使う量を 少なくすることがあります。
活動量が減れば、 筋肉も少しずつ低下することがあります。
筋肉が減ると、 さらに動きにくくなるという 悪循環につながる場合があります。
そのため、 体重だけではなく 筋肉の変化も確認していきます。
- 左右の太ももの太さに差がないか
- 腰まわりの筋肉が減っていないか
- 背中が以前より骨ばっていないか
- 立ち上がる力が落ちていないか
筋肉まで減っていないかを見ましょう
関節が気になる犬では、
体重管理も大切なケアの一つ
体重が多い犬では、 日常の立つ・歩くといった動作でも 関節にかかる負担が大きくなることがあります。
そのため、 BCSなども確認しながら その子に合った体型を 維持することが大切です。
ただし、 「関節のために痩せさせよう」 と主食を急激に減らすことは避けましょう。
筋肉を失わないことが重要です
減量が必要な場合には、 体重・BCS・筋肉量を見ながら 無理のない計画を考えます。
家庭でできる関節ケア。
ここまでで大切なこと
- 家の中の環境も関節ケアの一部として考える
- よく通る場所から滑り対策を考える
- マットそのもののずれや段差にも注意する
- 階段は上れるかだけでなく下りる動作も見る
- ジャンプや段差の制限は愛犬の状態に合わせる
- スロープは安全に使えるか確認する
- 寝床は休みやすさと立ち上がりやすさの両方を見る
- 爪や足裏も歩きやすさに関係する
- 安静と運動を自己判断で極端にしない
- 散歩は時間や距離のノルマにしない
- 散歩後や翌日の様子まで確認する
- 関節だけでなく筋肉量も見る
- 体重管理では筋肉を守ることも考える
特別なことを一度だけするのではなく 毎日の「動きやすさ」を整えること
滑りにくい。
立ち上がりやすい。
無理なく歩ける。
ゆっくり休める。
そんな環境を 愛犬の状態に合わせて 一つずつ整えていきましょう。
関節炎の治療は、
「痛いときだけ何とかする」だけではありません
関節の問題が慢性的に続く場合には、 痛みや炎症への対応だけでなく、 日常生活全体を見ながら 長く管理していくことがあります。
薬。
運動。
体重管理。
家庭環境。
必要に応じたリハビリテーション。
こうした方法を 犬の状態に合わせて 組み合わせていきます。
関節だけを見ることではなく 愛犬が日常生活を送りやすくすること
痛みを我慢させることを、
「年齢だから仕方がない」にしない
犬は、 人のように 「今日は膝が痛い」 と言葉で伝えることができません。
そのため、 歩き方や立ち上がり、 行動の変化などから 痛みの可能性を考えます。
痛みが続けば、 動きたくなくなることがあります。
動く量が減れば、 筋肉が低下し、 さらに動きにくくなることもあります。
とは限りません
以前できていたことを しなくなったという変化にも 目を向けてみましょう。
関節の痛みに対して、
薬が処方されることがあります
犬の状態や診断によっては、 痛みや炎症などを管理するために 薬が使われることがあります。
使用する薬や投与方法は、 犬の年齢、 健康状態、 持病、 使用中のほかの薬などによっても 異なります。
「何のための薬か」も確認しておきましょう
薬の名前。
目的。
量。
回数。
いつまで使用するのか。
注意して見る変化。
元気になったからと、
自己判断で薬をやめない
薬を使い始めて 歩き方や元気が改善すると、 「もう治ったのでは?」 と思うことがあります。
しかし、 症状が落ち着いて見えることと、 薬が不要になったことは 同じではありません。
反対に、 効いていないように感じても、 自己判断で量を増やすことは避けてください。
かかりつけの獣医師へ確認
人用の痛み止めなどを 家庭の判断で犬へ与えることもしないでください。
薬を使っているときは、
歩き方以外の体調も見ましょう
薬を使用している期間には、 関節の状態だけでなく 全身の変化も観察します。
- 食欲に変化はないか
- 嘔吐や下痢はないか
- 便の状態に変化はないか
- 水を飲む量に変化はないか
- 排尿に変化はないか
- 元気や活動量に変化はないか
- いつもと違う様子がないか
気になる変化がみられた場合には、 次の予約日まで待つべきかも含めて 動物病院へ相談してください。
長く薬を使う場合、
定期的な確認が必要になることも
使用する薬や犬の健康状態によっては、 診察や血液検査などで 定期的に身体の状態を 確認することがあります。
「元気だから検査は不要」 と自己判断せず、 どのくらいの間隔で 何を確認するのかを 獣医師へ聞いておきましょう。
「次回は何を確認するのか」まで聞いておく
状態によっては、
リハビリテーションが検討されることもあります
関節や身体の状態によっては、 運動療法などの リハビリテーションが 治療計画に含まれることがあります。
目的は犬によって異なりますが、 身体機能や筋肉を維持したり、 動きやすさを支えたりするために 行われることがあります。
そのまま自己流で行わない
問題のある関節や状態によって、 適した運動と避けたい運動は異なります。
シニア犬だからこそ、
「動かなくなった」を丁寧に見ます
年齢を重ねると、 寝ている時間が増えたり、 若いころより動きがゆっくりになったりします。
その一方で、 痛みや身体の不調によって 動かなくなっている可能性もあります。
「もう年だから」 だけで終わらせず、 以前との違いを確認してみましょう。
- 寝ている時間が急に増えた
- 散歩の距離が短くなった
- 家の中を移動しなくなった
- 立ち上がる回数が減った
- 排泄場所まで行くのをためらう
- 家族のところへ来なくなった
同じ意味ではありません
調子が良い日に、
急にたくさん運動させない
関節に慢性的な問題がある犬では、 日によって動き方が違って見えることがあります。
「今日は元気だから」 と長時間の散歩や激しい遊びをすると、 その後に動きにくくなる場合があります。
調子が良い日も、 これまでの運動量を参考にしながら 無理なく続けることが大切です。
続けられる運動を積み重ねます
「今日はいつもより動きにくそう」
そんな日も記録しておきましょう
関節の状態を長く見ていくときには、 調子の良い日だけでなく 悪い日の情報も役立ちます。
どんな天候だったか。
前日にどのくらい動いたか。
どんな動作が難しかったか。
休んだあとどうなったか。
薬を飲んだ時間。
こうした情報を残すと、 診察時に経過を伝えやすくなります。
毎日長い日記を書かなくても大丈夫。
これだけ残しておくと役立ちます
- 日付
- 散歩時間や活動量
- 立ち上がり方
- 歩き方
- 階段や段差の様子
- 食欲と元気
- 薬を飲んだか
- 気になった変化
- 必要に応じて動画
「何がどう違ったか」へ
記録があると、 変化を比較しやすくなります。
次回の予約日を待たず、
動物病院へ相談したい変化
治療中であっても、 状態が変化することがあります。
- 急に立てなくなった、歩けなくなった
- 突然足を地面につけなくなった
- 強い痛みがあるように見える
- 症状が急に悪化した
- 転倒や事故など新しいけががあった
- 食欲や元気が大きく低下した
- 薬を使用してから気になる体調変化が出た
急な変化は相談してください
関節の治療と長く付き合うために、
ここまでで大切なこと
- 治療は薬だけでなく生活全体を見ながら考える
- 鳴かないから痛くないとは限らない
- 処方された薬の目的・量・回数を確認する
- 薬を自己判断で追加・減量・中止しない
- 人用の痛み止めを自己判断で与えない
- 薬を使用中は全身の体調変化も見る
- 必要な再診や検査を続ける
- リハビリは愛犬の状態に合った方法で行う
- シニア犬の動きの変化を年齢だけのせいにしない
- 調子の良い日も急に運動を増やさない
- 調子の悪い日の様子も記録する
- 急な悪化や強い痛みでは次回予約日を待たず相談する
「昨日より今日」を見ることが大切です
歩けたか。
立ち上がれたか。
散歩を楽しめたか。
昨日より動きにくくなっていないか。
痛みを思わせる変化はないか。
そうした毎日の小さな変化を見ながら、 必要なときには獣医師へ相談し、 治療や暮らし方を調整していきましょう。
診断を受けたら、
獣医師に何を聞けばいい?
「関節炎です」 と説明を受けても、 ご家庭へ戻ってから 新しい疑問が出てくることがあります。
診察時には、 分からないことを 一つずつ確認しておきましょう。
- どの関節に問題がありますか?
- 現在どの程度の状態ですか?
- 痛みはどの程度あると考えられますか?
- 散歩はどのくらいしてよいですか?
- 避けた方がよい運動や動作はありますか?
- 階段やソファは使ってもよいですか?
- 体重を減らした方がよいですか?
- 筋肉量は保てていますか?
- 薬は何のために使っていますか?
- 薬を使う期間はどのくらいですか?
- どんな変化があれば早めに受診すべきですか?
- 次回はいつ、何を確認しますか?
今一番困っていることから確認しましょう
再診するとき、
持っていくと役立つ情報
関節の状態は、 診察室での数分間だけでは 分かりにくいことがあります。
ご家庭で残した情報を 一緒に伝えると、 経過を比較しやすくなります。
- いつから変化があったか
- 歩き方の動画
- 立ち上がるときの動画
- 散歩時間や活動量
- 調子の良い日・悪い日の違い
- 薬を飲んだ時間
- 薬を使ったあとの変化
- 食欲や元気の変化
- 現在の体重
- 気になっている新しい症状
具体的な記録があると伝えやすくなります
関節が気になる犬の食事。
まず考えたいのは「体重と筋肉」
関節のために 特別な食品を探す前に、 毎日の食事全体を 見直してみましょう。
体重が多すぎないか。
BCSはどうか。
筋肉量が落ちていないか。
主食をどのくらい食べているか。
おやつやトッピングを どのくらい食べているか。
「これを食べればよい」ではなく 身体全体を見ながら考えます
体重を減らした方がよいと言われたら、
食事を急に減らしすぎない
体重管理が必要な場合でも、 主食を大幅に減らすだけの方法では、 必要な栄養の摂取量まで 少なくなることがあります。
また、 関節を支える身体を考えるうえでは 筋肉をできるだけ維持することも大切です。
目標体重。
減量ペース。
食事量。
運動量。
これらを愛犬の状態に合わせて 考えていきましょう。
「軽ければ軽いほどよい」わけではありません
関節用サプリや食品は、
どう考えればいい?
関節が気になる犬向けとして、 さまざまな食品や サプリメントを目にすると思います。
ただし、 食品やサプリメントは 関節炎そのものを診断したり、 獣医療の代わりになったりするものではありません。
特に、 すでに薬を使用している犬や、 持病がある犬では、 新しいサプリメントなどを始める前に 獣医師へ確認しておくと安心です。
「食品だから薬とは関係ない」 とは限りません
現在使っている薬やサプリメントも 診察時に伝えておきましょう。
「毎日の食事はどうしよう?」
そんなときは一緒に整理できます
動物病院で関節について説明を受けても、 ご家庭へ戻ると 食事について迷うことがあります。
「体重管理が必要と言われたけれど、 どのくらい食べさせればいい?」
「シニアになって筋肉も気になる」
「今のフードやおやつを どう整理すればいい?」
そんな毎日の食事については、 BIGWOODのコンシェルジュへ ご相談いただけます。
毎日の食事選びを一緒に整理します
年齢。
体重。
今食べているフード。
おやつやトッピング。
動物病院から受けている 食事についての指示。
そうした情報を伺いながら、 無理なく続けられる食事を 一緒に考えていきます。
受付時間 10:00〜17:00
関節炎の診断や治療の判断は行いません
痛み・歩行異常・薬・検査・治療については、 かかりつけの獣医師へご相談ください。
今日からできること。
まず1週間だけ記録してみましょう
関節の状態を毎日細かく採点する必要はありません。
まずは一週間、 同じ項目を簡単に残してみるだけでも 変化が見えやすくなります。
- 朝の立ち上がり
- 歩き始めの様子
- 散歩時間
- 散歩後の様子
- 階段や段差の様子
- 食欲
- 元気
- 薬を飲んだか
- 気になる変化
簡単な記録でも十分役立ちます
心配だからと、
愛犬の「できること」を全部奪わない
関節が悪いと聞くと、 歩かせない方がよいのでは。
遊ばせない方がよいのでは。
外へ出さない方がよいのでは。
と心配になることがあります。
もちろん、 状態によって 安静や運動制限が必要な場合はあります。
しかし、 必要以上に活動を制限すれば、 筋肉や生活の楽しみまで 減ってしまう可能性があります。
「何なら安全にできるか」を確認しましょう
最後に。
関節炎と付き合う愛犬のために
関節の病気は、 一度の治療ですべてが終わるとは限りません。
だからこそ、 毎日の小さな変化を見ることが 大切になります。
立ち上がりやすいか。
歩きやすいか。
散歩を楽しめているか。
ゆっくり眠れているか。
家族のそばへ 自分から来られているか。
「関節の画像をきれいにすること」だけではなく、 愛犬がその子らしく暮らせる時間を支えること
治療。
運動。
体重管理。
家庭環境。
食事。
そして、 飼い主様だから気づける 毎日の変化。
それらを一つずつ組み合わせながら、 愛犬に合った暮らし方を 見つけていきましょう。
このページは、 犬の関節炎や関節の健康について 一般的な情報を分かりやすく整理したものです。
歩行異常や痛みの原因は、 関節炎だけとは限りません。
骨・筋肉・靱帯・腱・神経など、 さまざまな問題によって 似た症状がみられることがあります。
症状がある場合には、 ご家庭だけで診断せず、 動物病院で診察を受けてください。
また、 処方された薬を 自己判断で追加・減量・中止したり、 人用の痛み止めなどを 犬へ与えたりしないでください。
食品・サプリメント・ハーブなどを 病気の治療の代わりとして使用したり、 獣医師から受けている治療を 自己判断で変更したりしないでください。
急に立てなくなった、 歩けなくなった、 足を地面につけなくなった、 強い痛みがあるように見える、 転倒や事故のあとに歩行異常がある、 症状が急に悪化した、 食欲や元気が大きく低下したなどの場合には、 次回の予約日を待たず 動物病院へ相談してください。
犬の関節炎。
最後にもう一度、大切なことを整理します
- 関節炎は「足を引きずる」だけで気づくものではない
- 立ち上がり・歩き方・散歩・行動の変化にも注目する
- シニア犬の変化をすべて「年齢のせい」にしない
- 歩行異常を家庭で関節炎と決めつけない
- 安全に撮れる場合は歩き方や立ち上がりを動画で残す
- 診察では家庭での変化を具体的に伝える
- 画像検査だけで痛みのすべてが分かるとは限らない
- 診断後は「何ならしてよいか」まで獣医師へ確認する
- 滑る床・階段・段差・寝床など家庭環境も見直す
- 安静と運動を自己判断で極端にしない
- 散歩は時間だけでなく帰宅後や翌日の状態まで見る
- 関節だけでなく筋肉量も確認する
- 必要に応じて体重・BCSを管理する
- 処方薬を自己判断で追加・減量・中止しない
- 食品やサプリメントを治療の代わりにしない
- 調子の良い日・悪い日の両方を記録する
- 急な悪化や強い痛みでは次回予約日を待たず相談する
「関節」だけではありません
自分で立てること。
無理なく歩けること。
散歩を楽しめること。
好きな場所へ自分で移動できること。
ゆっくり休めること。
家族といつもの時間を過ごせること。
そうした日常の一つひとつを見ながら、 愛犬に合った治療と暮らし方を 考えていきましょう。
「前と少し違うかも」
その気づきを大切にしてください
毎日一緒に暮らしているからこそ、 飼い主様にしか分からない 小さな変化があります。
昨日より 立ち上がるのが少し遅かった。
いつもの段差を 今日はためらった。
散歩の途中で 少し早く帰りたがった。
家族のところへ来る回数が 少なくなった。
その一つだけで 病気と判断することはできません。
けれど、 そうした小さな変化を 覚えておくことはできます。
診察につなぐ大切な情報になります
気になる変化が続いたら、 動画や記録と一緒に 獣医師へ伝えてみましょう。
治療は動物病院へ。
毎日の食事で迷ったときはBIGWOODへ
関節炎の診断や治療、 痛みの評価、 薬の調整は 獣医師が行うものです。
BIGWOODがその代わりを することはできません。
でも、 動物病院で治療を受けながら、 毎日の食事について 迷うことはあると思います。
「体重管理も必要と言われた」
「シニアになって食事をどう考えればいい?」
「今食べているものを整理したい」
「おやつも含めて相談したい」
そんなときは、 BIGWOODのコンシェルジュへ お話しください。
毎日の食事を一緒に考えていきます
病気を治すためではなく、 毎日続く「食べること」を 整えるためのお手伝いです。
受付時間 10:00〜17:00






