副腎の病気
「クッシング症候群です」
と言われた、そのあとに。
副腎の病気と診断されると、 聞き慣れない検査や薬の名前がたくさん出てきて、 「これから家では何をすればいいの?」 と戸惑うこともあると思います。
副腎の病気では、 動物病院で治療を続けることと同時に、 ご家庭での毎日の変化を見守ることが とても大切です。
このページでは、 アジソン病とクッシング症候群の違いから、 検査、 薬、 水分、 食事、 体重、 ご家庭で記録したい変化、 獣医師へ確認したいことまで 一つずつ整理していきます。
そもそも「副腎」って、
どこにあって何をしているの?
副腎は、 左右の腎臓の近くにある 小さな臓器です。
名前に「腎」と付いていますが、 腎臓とは別の臓器です。
副腎では、 身体のさまざまな働きに関係する ホルモンが作られています。
その中には、 コルチゾールや アルドステロンなどがあります。
ホルモンが「少なすぎる病気」と 「多すぎる病気」に大きく分けて考えると 分かりやすくなります
少なすぎる代表が アジソン病。
多すぎる代表が クッシング症候群です。
アジソン病とクッシング症候群。
同じ「副腎の病気」でも反対です
(副腎皮質機能低下症)
副腎皮質ホルモンが 十分に作られなくなる病気です。
元気がない、 食欲がない、 嘔吐、 下痢など、 一見すると胃腸炎などにも見える症状が 現れることがあります。
(副腎皮質機能亢進症)
コルチゾールの作用が 過剰になることで さまざまな症状が現れる病気です。
水をたくさん飲む、 尿が増える、 食欲が増える、 パンティングが増える、 お腹が膨らんで見える、 筋肉が落ちる、 皮膚や被毛が変化するなどが みられることがあります。
まず、 愛犬がどちらの病気と診断されているのかを 正確に確認するところから始めましょう。
アジソン病は、
症状が分かりにくいことがあります
アジソン病では、 副腎皮質から作られるホルモンが 不足します。
特徴の一つは、 症状が必ずしも 「副腎の病気らしく」見えないことです。
- 元気がない
- 食欲が落ちる
- 体重が減る
- 吐く
- 下痢をする
- いつもより弱々しい
- 水を飲む量や尿量が変化する
良くなったように見えたり、 また体調を崩したりと、 症状が変動することもあります。
同じような体調不良を繰り返している場合には、 以前と同じ原因だと家庭だけで決めず、 動物病院へ経過を伝えてください。
アジソン病で知っておきたい、
「アジソンクリーゼ」
アジソン病の犬では、 状態によって 急激に体調が悪化することがあります。
重い状態になると、 血圧低下や脱水、 電解質の大きな異常などが起こり、 緊急治療が必要になることがあります。
- 急にぐったりした
- 立てない、倒れた
- 何度も吐く
- 強い下痢が続く
- 食事も水も取れない
- 反応が鈍い、明らかにいつもと違う
- 急激に状態が悪くなった
「ストレスが原因でアジソン病になった」
という意味ではありません
アジソン病について調べると、 「ストレス」という言葉を 目にすることがあります。
ただし、 日常生活のストレスだけが アジソン病そのものを引き起こす、 という意味ではありません。
アジソン病では、 身体が必要とするコルチゾールを 十分に作れないため、 病気や手術など身体への負担が大きいときに 症状が表面化したり、 悪化したりすることがあります。
大切なのは、 診断後に必要な治療と ご家庭での対応を知っておくことです。
クッシング症候群では、
毎日の暮らしの変化が手がかりになります
クッシング症候群では、 コルチゾールの作用が 長期間にわたって過剰になることで、 さまざまな変化が現れます。
- 水を飲む量が増える
- 尿の量や回数が増える
- 夜中に排尿するようになる
- 食欲が強くなる
- パンティングが増える
- 筋肉が落ちてきたように見える
- お腹が膨らんで見える
- 皮膚が薄くなったように見える
- 毛が薄くなる、左右対称に抜ける
- 皮膚のトラブルを繰り返す
とても大切な変化です
できれば、 一日にどのくらい水を飲んでいるのか 記録しておくと診察時の手がかりになります。
水をたくさん飲むからといって、
お水を減らさないでください
クッシング症候群では、 水を飲む量が増え、 尿の量や回数も増えることがあります。
すると、 「こんなに飲ませて大丈夫?」 「少し水を減らした方がいい?」 と心配になるかもしれません。
自己判断で飲み水を制限しないでください
多飲多尿は病気によって起きている可能性があります。
水を制限するのではなく、 飲水量を記録して 獣医師へ伝えることが大切です。
アジソン病とクッシング症候群。
同じ「副腎の病気」でも、かなり違います
副腎皮質ホルモンが 不足する病気です。
元気・食欲の低下、 嘔吐、下痢、体重減少、 脱水、ふるえ、虚弱などが みられることがあります。
コルチゾールの作用が 慢性的に過剰になる病気です。
多飲多尿、多食、 パンティング、 腹部膨満、筋力低下、 皮膚・被毛の変化などが みられることがあります。
家庭でのケアの第一歩です
「副腎が悪い」とだけ覚えるのではなく、 アジソン病なのか、 クッシング症候群なのか、 さらにその原因を どのように説明されているのか確認しましょう。
なぜ副腎のホルモンが、
少なくなったり多くなったりするの?
副腎は、 脳にある下垂体などからの指令を受けて ホルモンを分泌しています。
そのため、 「副腎の病気」といっても、 問題が副腎そのものにある場合と、 ホルモンの指令を出す側にある場合があります。
副腎皮質そのものが障害されることで ホルモンを十分に作れなくなるタイプがあります。
また、 下垂体などからの指令に関係して コルチゾールが不足するタイプもあります。
下垂体からの刺激が過剰になるタイプと、 副腎にできた腫瘍などによって コルチゾールが過剰になるタイプがあります。
ステロイド薬の影響によって クッシング症候群のような状態になることもあります。
ステロイド薬を使っている子は、
自己判断で急にやめないでください
皮膚病やアレルギー、 免疫に関係する病気などで、 ステロイド薬を使用している犬もいます。
ステロイド薬を長期間使用すると、 身体自身の副腎皮質ホルモンの分泌が 抑えられることがあります。
そのため、 長期間使用している薬を 飼い主様の判断だけで急に中止すると、 身体が必要とするホルモンを 十分に補えなくなることがあります。
減量や中止が必要な場合には、 獣医師が状態を確認しながら 投薬方法を調整します。
飲み薬だけでなく、 注射、 点眼薬、 点耳薬、 塗り薬などについても、 ステロイドが含まれている場合があります。
副腎の病気は、
一つの検査だけで判断するとは限りません
アジソン病やクッシング症候群が疑われた場合、 症状や身体検査だけでなく、 血液検査や尿検査、 ホルモンに関係する検査、 画像検査などを組み合わせて 診断を進めることがあります。
電解質、 血糖、 肝臓に関連する項目など、 全身の状態を確認します。
尿の濃さや、 尿路感染などを確認するために 行われることがあります。
疑われる病気に応じて、 副腎のホルモン反応を調べる 検査が行われます。
副腎の大きさや形、 周囲の臓器などを 確認するために使われることがあります。
「ACTH刺激試験」って、
何を調べているの?
ACTHは、 副腎へ 「コルチゾールを作ってください」 と刺激するホルモンです。
ACTH刺激試験では、 ACTHを投与した前後で コルチゾールがどのように反応するかを確認します。
アジソン病の診断では 重要な検査の一つです。
また、 クッシング症候群の治療中に 状態や薬の作用を確認する目的などで 使用されることもあります。
「何を確認するために行うのか」を聞いてみましょう
「今回は何を確認するためのACTH刺激試験ですか?」
と聞くと、 検査の意味を理解しやすくなります。
クッシング症候群では、
「低用量デキサメタゾン抑制試験」が行われることもあります
クッシング症候群が疑われる場合には、 低用量デキサメタゾン抑制試験 (LDDST)が行われることがあります。
少量のデキサメタゾンを投与し、 その後のコルチゾールの変化を 時間を追って確認する検査です。
症状やほかの検査結果と合わせて、 クッシング症候群を診断するための 情報として使われます。
愛犬の症状、 使用している薬、 血液・尿検査、 画像検査などと合わせて 獣医師が判断します。
診断されたら、
まずこの5つを確認しましょう
- 正式な診断名は何ですか?
- 副腎そのものと下垂体、どちらが関係していますか?
- 今の治療は何を目的にしていますか?
- 次の検査はいつ、何を確認しますか?
- どんな変化が出たら予定を待たず受診すべきですか?
今の愛犬がどのタイプなのかを知る
そこまで分かると、 薬の意味も、 定期検査の意味も、 ご家庭で何を見守ればよいのかも 整理しやすくなります。
ここまでで、まず覚えておきたいこと
- アジソン病とクッシング症候群は同じ病気ではない
- アジソン病は副腎皮質ホルモンが不足する病気
- クッシング症候群はコルチゾール作用が慢性的に過剰になる病気
- クッシング症候群の多飲多尿で自己判断の水分制限をしない
- ステロイド薬を自己判断で急に中止しない
- 飲み薬以外のステロイド使用も獣医師へ伝える
- 血液・尿・ホルモン・画像検査などを合わせて判断することがある
- 検査名だけでなく「何を確認する検査か」を聞く
- 正式な診断名と原因のタイプを確認する
次に大切なのは 「毎日の暮らしの中で何を見るか」です
薬を飲んで終わりではありません。
水を飲む量。 尿。 食欲。 元気。 嘔吐や下痢。 体重。 筋肉。 皮膚や被毛。
そうした日々の変化が、 次の診察や治療調整の 大切な情報になります。
アジソン病で特に知っておきたい、
「アジソンクリーゼ」
アジソン病では、 副腎皮質ホルモンが不足することで、 急激に全身状態が悪化することがあります。
この重篤な状態は、 「アジソンクリーゼ」 と呼ばれます。
普段は比較的落ち着いている子でも、 体調不良などをきっかけに 急に状態が変わることがあります。
次の予約日まで待たず動物病院へ相談してください
- 急にぐったりした
- 立てない、力が入らない
- 繰り返し吐く
- 強い下痢が続く
- 食べられない
- 明らかに脱水しているように見える
- ふるえや強い虚弱がある
- 倒れた、意識や反応がおかしい
アジソンクリーゼでは、 点滴やホルモン補充など 緊急の治療が必要になることがあります。
アジソン病の薬は、
「足りないホルモンを補う」ためのものです
アジソン病では、 不足している副腎皮質ホルモンを 補う治療が行われます。
どのホルモンを補う必要があるかは、 アジソン病のタイプや 検査結果によって異なります。
毎日使用する薬や、 定期的に注射する薬などが 用いられることがあります。
「何を補う薬なのか」を確認しましょう
「この薬は何のホルモンを補っていますか?」
「この薬は毎日必要ですか?」
「次の検査では何を確認しますか?」
と聞いておくと、 治療の意味が分かりやすくなります。
旅行・通院・手術・体調不良。
いつもと違うときの薬はどうする?
健康な身体では、 病気やけがなど身体に負担がかかったときに、 必要に応じて コルチゾールの分泌が増えます。
アジソン病の子では、 そのような場面で必要なコルチゾールを 十分に増やせないことがあります。
そのため、 状況によっては 普段とは異なる投薬方法を 獣医師から指示されることがあります。
ご家庭だけで決めないでください
愛犬ごとに治療内容が違うため、 あらかじめ主治医と 「どんなときに、どう対応するか」 を決めておくことが大切です。
- 嘔吐や下痢が出たときはどうするか
- 薬を飲めなかったときはどうするか
- 旅行や長時間の移動ではどうするか
- 手術や麻酔を受けるときはどうするか
- どんな状態なら救急受診するか
クッシング症候群の薬は、
「多ければ多いほど効く」ものではありません
クッシング症候群では、 コルチゾールの作用が過剰になっている状態を コントロールするために 薬が使用されることがあります。
犬では、 トリロスタンなどが 使用されることがあります。
大切なのは、 コルチゾールを 必要以上に低下させないことです。
「元気になったから薬をやめよう」 と自己判断しないでください
症状と検査結果を確認しながら、 獣医師が投薬量を調整します。
クッシング治療中に、
こんな変化が出たら薬を飲ませる前に相談を
クッシング症候群の治療では、 コルチゾールを抑える薬が 効きすぎることにも注意が必要です。
処方した動物病院へ早めに連絡してください
- 急に食欲がなくなった
- 元気がなくなった
- 嘔吐した
- 下痢をした
- ぐったりしている
- 力が入らない、ふらつく
- 倒れた
その日の薬をどうするかも含めて、 獣医師の指示を受けてください。
元気になっても、
定期検査が大切です
副腎の病気では、 薬を始めて症状が落ち着いても、 それだけで治療が終わるとは限りません。
薬の量が今の愛犬に合っているか、 電解質やホルモンの状態に問題がないか、 副作用が疑われないかなどを 定期的に確認します。
「次回は何を確認しますか?」も聞いてみましょう
検査の目的が分かると、 その間にご家庭で何を記録すればよいかも 分かりやすくなります。
水を飲む量は、
家庭で測れる大切な情報です
特にクッシング症候群では、 治療前後の飲水量の変化が 暮らしの中で分かりやすい指標の一つになります。
可能であれば、 一日の飲水量を測ってみましょう。
朝、 計量した水を器に入れます。
途中で追加した水の量も記録します。
翌朝、 残っている水を測り、 一日にどのくらい減ったかを確認します。
こぼした分や、 複数の犬が同じ器を使っている場合などは、 正確に測れないこともあります。
毎日完璧に測る必要はありません。
治療開始前後や、 「最近また水をよく飲むようになった」 と感じたときに記録すると、 診察時に役立ちます。
おしっこの変化も、
一緒に見ておきましょう
クッシング症候群では、 尿量や排尿回数が増えることがあります。
また、 尿路感染が問題になることもあります。
- 尿の量や回数が増えていないか
- 夜中にも排尿するようになったか
- 今までなかった粗相が増えていないか
- 何度も排尿姿勢をとっていないか
- 排尿時に痛そうにしていないか
- 尿の色やにおいで気になる変化がないか
気になる変化があれば、 動物病院へ伝えてください。
副腎の病気では、
毎日の「いつもとの違い」を残しましょう
検査で分かることと、 ご家庭だから分かることがあります。
- 食欲
- 元気
- 飲水量
- 尿量・排尿回数
- 嘔吐・下痢
- 体重
- パンティング
- 散歩での疲れ方
- 筋肉の減り方
- お腹の見た目
- 皮膚・被毛の変化
- 薬を飲めたか
「いつもと違う」 と感じた日に、 日付と変化を残しておくだけでも 診察時の大切な情報になります。
治療を始めたあとに、
覚えておきたいこと
- アジソン病では急激な悪化に注意する
- ぐったり・虚脱・繰り返す嘔吐や下痢は早めに相談する
- アジソン病の薬は不足するホルモンを補うために使われる
- 体調不良など普段と違う場面の対応を主治医と決めておく
- クッシングの薬を自己判断で増減しない
- クッシング治療中の食欲低下・嘔吐・下痢・元気消失は早めに相談する
- 症状が改善しても定期検査を続ける
- 水を自己判断で制限せず、飲水量を記録する
- 尿の変化も観察する
- 毎日の変化を次回診察へつなげる
飼い主様が毎日の変化を見ること。
その両方が大切です
動物病院で分かる検査結果と、 ご家庭だから分かる暮らしの変化。
その両方を合わせることで、 今の愛犬の状態を より詳しく獣医師へ伝えられます。
副腎の病気と診断されたら、
ごはんは全部変えた方がいい?
アジソン病やクッシング症候群と診断されると、 「今までの食事が悪かったのかな」 「副腎によいフードへ変えた方がいいのかな」 と考えることもあると思います。
しかし、 副腎の病気だからという理由だけで、 すべての犬に同じ食事が必要になるわけではありません。
大切なのは、 病名だけではなく、
- 現在の体重
- 筋肉量
- 食欲
- 嘔吐や下痢の有無
- 血液検査の結果
- 現在使用している薬
- 一緒に管理している病気
などを確認しながら、 今の愛犬に合った食事を考えることです。
「食事について特別な指示はありますか?」 と確認しましょう
特別な条件がなければ、 病名だけを理由に 急いで食事を大きく変更する必要がない場合もあります。
クッシング症候群で、
「いくら食べても欲しがる」とき
クッシング症候群では、 食欲が強くなることがあります。
すると、 「こんなに欲しがるなら足りないのかな」 と食事やおやつを増やしたくなるかもしれません。
しかし、 強い食欲そのものが 病気によって起きている場合があります。
一日の食事量を決め、 おやつやトッピングも含めた 全体量で考えましょう。
治療が進むことで、 食欲の強さに変化が出ることもあります。
「以前ほど食べ物を欲しがらなくなった」 という変化も、 診察時に伝えてください。
体重だけではなく、
「筋肉」も見てあげてください
クッシング症候群では、 筋肉が落ちてくることがあります。
そのため、 体重だけを見ていると 身体の変化を捉えにくいことがあります。
- 後ろ足が細くなっていないか
- 背中の筋肉が落ちていないか
- 立ち上がりにくくなっていないか
- 階段や段差を嫌がるようになっていないか
- 散歩で以前より疲れやすくないか
適正な体重を保ちながら、 筋肉や活動量も一緒に見ていくことが大切です。
アジソン病で食欲が落ちたとき、
「好きなものを足せばいい」とは限りません
アジソン病では、 食欲低下や嘔吐、 下痢などがみられることがあります。
いつも食べている子が 急に食べなくなった場合、 単なる好き嫌いとして扱わないことが大切です。
急に食べない・吐く・下痢をする・元気がない場合は、 食事を工夫する前に動物病院へ相談してください
特に複数の症状が重なったり、 ぐったりしている場合には、 早めの対応が必要になることがあります。
アジソン病だから、
塩分を増やした方がいい?
アジソン病では、 タイプによって ナトリウムやカリウムなどの電解質に 異常がみられることがあります。
そのため、 「塩を足した方がいいのでは?」 と考えることがあるかもしれません。
ご家庭だけの判断で塩分やサプリを追加しないでください
必要な調整は、 血液検査や治療内容を確認したうえで 獣医師が判断します。
副腎だけでなく、
一緒に管理する病気も確認しましょう
特にクッシング症候群では、 副腎だけを見ていればよいとは限りません。
愛犬によっては、 ほかの病気や身体の問題も 一緒に管理する必要があります。
「一緒に注意している病気や検査項目はありますか?」 と聞いてみましょう
併発している病気があれば、 食事条件も変わることがあります。
糖尿病などを一緒に管理している場合は、
食事条件をまとめて考えます
クッシング症候群では、 インスリンの働きに影響し、 糖尿病の管理にも関係することがあります。
すでに糖尿病と診断されている場合には、 「副腎によさそうな食事」だけを考えるのではなく、 糖尿病について受けている 食事や投薬の指示も一緒に守る必要があります。
今の愛犬に必要な条件を一つに整理する
これが、 複数の病気を抱えている子の 食事選びでは特に大切です。
胆のうの異常を指摘されている場合も、
一緒に伝えてください
クッシング症候群の子では、 胆のうの異常が 一緒に見つかることがあります。
胆泥や胆嚢粘液嚢腫などについて 経過観察や治療をしている場合には、 食事相談の際にも そのことを伝えてください。
両方の状態を踏まえて食事を整理します
主食だけでなく、
おやつ・トッピングも一緒に整理しましょう
クッシング症候群で食欲が強くなると、 「少しくらいなら」と おやつの回数が増えることがあります。
食事を見直す場合には、 主食だけではなく、 一日に口にしているもの全体を確認しましょう。
- 主食
- おやつ
- トッピング
- 人の食事から分けているもの
- 薬を包むために使う食品
- サプリメント
思った以上の量になることがあります
一日の食事全体として考えてみましょう。
「副腎によいサプリ」は、
足した方がいい?
副腎について調べると、 ビタミンやミネラル、 さまざまなサプリメントの情報が 見つかると思います。
しかし、 アジソン病とクッシング症候群では ホルモンの状態が大きく異なります。
さらに、 使用している薬や 併発している病気も 愛犬によって違います。
自己判断で追加しないでください
使用したい場合は、 商品名、 原材料、 一日の使用量が分かるものを 獣医師へ見せて確認してください。
ハーブや自然由来のものも、
治療とは分けて考えましょう
「自然なものなら、 ホルモンの病気にもやさしいのでは?」 と考えることもあると思います。
ただし、 植物由来の成分にも 身体へ作用するものがあります。
今の愛犬に安全に使えることは別です
特にホルモン治療を受けている場合には、 使用する前に かかりつけの獣医師へ確認してください。
運動は、
「たくさんさせればよい」ではありません
クッシング症候群では、 筋力が低下している子もいます。
体重管理や筋肉維持のために 運動は大切ですが、 今までと同じ運動量が 負担になる場合もあります。
散歩では、
- 以前より疲れやすくないか
- 途中で座り込まないか
- パンティングが強くないか
- 後ろ足がふらつかないか
- 翌日まで疲れが残っていないか
などを見ながら、 無理のない範囲で続けてください。
食事と暮らしについて、
ここまでで大切なこと
- 副腎の病気だからと急に食事を全部変えない
- まず獣医師から食事条件が出ているか確認する
- クッシングの強い食欲だけを基準に食事量を増やさない
- 体重だけでなく筋肉も見る
- アジソン病で急な食欲低下や嘔吐・下痢があれば相談する
- アジソン病で自己判断の塩分調整をしない
- 糖尿病など併発疾患があれば、その食事条件も一緒に考える
- 胆のうの異常を指摘されている場合も食事相談時に伝える
- 主食だけでなく、おやつ・トッピングも含めて考える
- サプリやハーブを自己判断で追加しない
- 運動は筋力や疲れ方を見ながら無理のない範囲で続ける
今の愛犬に必要な食事条件を知ることが先です
アジソン病なのか。 クッシング症候群なのか。
どんな薬を使っているのか。 一緒に管理している病気はあるのか。
体重や筋肉、 食欲はどう変化しているのか。
それらを一緒に見ながら、 無理なく続けられる毎日の食事を 考えていきましょう。
次の診察で、
これだけは確認しておきたいこと
- 正式な診断名は何ですか?
- アジソン病・クッシング症候群のどのタイプですか?
- 現在の薬は何を目的に使っていますか?
- 薬を飲めなかった場合はどうすればよいですか?
- 体調不良時の薬はどうすればよいですか?
- 次の検査はいつ、何を確認しますか?
- 食事について特別な条件はありますか?
- 体重や筋肉について目標はありますか?
- 一緒に管理している病気はありますか?
- どんな変化が出たら予定を待たず受診すべきですか?
今気になっていることを スマートフォンなどに残しておき、 診察時に一つずつ確認していきましょう。
副腎の病気が分かったあと、
毎日の食事に迷ったら
「クッシング症候群と言われたけれど、 今までのフードを続けていい?」
「食欲がとても強くなって、 どのくらい食べさせればいいか分からない」
「アジソン病で治療中だけれど、 食事について何か気をつけた方がいい?」
「糖尿病や胆のうの問題もあるので、 何を優先して選べばいいか分からない」
そんなときは、 BIGWOODのコンシェルジュへ ご相談いただけます。
獣医師から受けている食事条件をもとに、 毎日のごはんを一緒に整理します
副腎のホルモン治療や 投薬量の調整は、 動物病院で行っていただくことが大前提です。
そのうえで、 「毎日何を、どのくらい食べさせるか」 という暮らしの部分を 一緒に考えていきます。
食事相談のとき、
分かる範囲で教えていただきたいこと
全部そろっていなくても大丈夫です。
動物病院から説明を受けている内容を 分かる範囲でお知らせください。
- 正式な診断名
- アジソン病かクッシング症候群か
- 病気のタイプについて説明を受けているか
- 現在使用している薬
- 食事について獣医師から指示があるか
- 現在の体重
- 最近の体重変化
- 食欲の変化
- 水を飲む量の変化
- 現在食べているフードと一日の量
- おやつ・トッピング
- 糖尿病や胆のうなど一緒に管理している病気
「病院ではこう言われました」 というところから、 一緒に整理していきます。
BIGWOOD コンシェルジュルーム
「副腎の病気がある子の食事を見直したい」
「食欲が強くなった子の食事量を整理したい」
「体重だけでなく筋肉も維持したい」
「ほかの病気もあるので、 食事条件を一緒に整理したい」
そんなご相談だけでも大丈夫です。
獣医師から受けている 食事についての指示を確認しながら、 BIGWOODの商品について 一緒に考えさせていただきます。
受付時間 10:00〜17:00
アジソン病の子は、
元気なときに「もしもの時」を確認しておきましょう
体調が急に悪くなってから、 薬の名前や対応方法を確認するのは 大変です。
元気で落ち着いているときに、 主治医と緊急時の対応を 確認しておくと安心です。
- 現在使用している薬の名前と量
- 薬を飲めなかった場合の対応
- 嘔吐・下痢が出た場合の対応
- 体調不良時の薬についての指示
- 夜間・休診日に悪化した場合の受診先
- どの状態になったら救急受診するか
愛犬ごとに主治医と決めておきましょう
インターネットで見つけた投薬量を参考にして ご家庭だけで薬を増減するのではなく、 事前に受けた指示に従ってください。
最後に。
副腎の病気と付き合っていくうえで
大切にしてほしいこと
アジソン病やクッシング症候群と診断されると、 「ホルモンの病気」と聞いただけでも 難しく感じるかもしれません。
薬が必要になり、 定期検査も必要になると、 「これからずっと大丈夫だろうか」 と心配になることもあると思います。
でも、 飼い主様がすべての検査値や ホルモンの仕組みを 覚える必要はありません。
「今の愛犬に何が必要なのか」を 一つずつ確認することです
何のための薬なのか。
次の検査は何を見るのか。
食事について条件があるのか。
家では何を見守るのか。
どんな変化があれば 予定を待たず受診するのか。
動物病院で分かる検査結果と、 毎日一緒に暮らしている 飼い主様だから分かる変化があります。
その両方を合わせながら、 愛犬の治療と暮らしを 支えていきましょう。
次の診察へ持っていくと役立つもの
副腎の病気では、 検査結果だけでなく ご家庭での変化も大切な情報になります。
- 現在使用している薬の名前・量・回数
- 薬を飲めなかった日があれば、その日時
- 食欲の変化
- 一日の飲水量の記録
- 尿量・排尿回数の変化
- 嘔吐・下痢の日時
- 体重の記録
- パンティングの変化
- 散歩での疲れ方
- 筋肉・お腹の見た目の変化
- 皮膚・被毛の変化
- 現在のフード・おやつ・トッピング
- 使用しているサプリメント
パンティング、 歩き方、 皮膚や被毛、 お腹の見た目など、 診察室では分かりにくい変化は 安全に撮影できる範囲で残しておくと 状態を伝えやすくなります。
このページは、 犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)、 クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)などについて、 治療中の暮らしや食事、 ご家庭での見守りを考えるための 一般的な情報をお伝えするものです。
病気の診断、 薬の開始・中止・増減、 ステロイド薬の調整、 緊急時の投薬、 食事療法などを ご家庭だけで判断するためのものではありません。
アジソン病では、 急激な元気消失、 繰り返す嘔吐や下痢、 強い虚弱、 立てない、 倒れるなどの変化がある場合、 緊急の治療が必要になることがあります。
また、 クッシング症候群の治療中に、 急な食欲低下、 嘔吐、 下痢、 元気消失、 強いふらつきや虚弱などがみられた場合にも、 処方した動物病院へ早めに連絡してください。
現在治療中の場合は、 かかりつけの獣医師から受けている指示を 優先してください。






